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フィクション(純文学・歴史・時代)

このページでは、兵庫教育大学学部1年生(2021年)によるオススメ本の紹介記事のうち、フィクション(純文学・歴史・時代)関係のものを掲載しています。 
※凡例  ①著者 ②出版社 ③出版年

64『博士の愛した数式』

① 小川洋子
② 新潮社
③ 2005

「主人公の家政婦が派遣された先は、記憶が80分しか持たない元数学博士の家で、博士は数学を愛し他のものには興味を示さないが、子供にだけは優しく数学のたくさんの知識を教えた。私が数学の奥深さを教えて貰った本です。」

65『十二番目の天使』

① オグ・マンディーノ
② 求龍堂
③ 2018

「妻子を亡くし人生のどん底にいた男性が、ある勇敢な少年に出会ったことで生きる希望を見つけ出し、前を向いて生きていくという実話です。誰かに出会ったり、声を掛けてもらったり、小さなきっかけが前を向かせてくれ、人生を良くしてくれることがあると知りました。」

66『祐介』

① 尾崎世界観
② 文藝春秋
③ 2016

「バンドであるクリープハイプの歌詞を書く尾崎さんが書いた小説。歌詞と同様、文の書き方が過激だったり、独特の比喩表現があったり、感情剥き出し、人間らしさ全開で文の中にらしさを感じながら読むのが楽しい。」(瀧鼻めぐ)

67『蜜蜂と遠雷』

① 恩田陸
② 幻冬舎
③ 2019

「ピアノの話だが、ピアノについて詳しくなくても、文字だけでピアノ音の雰囲気が文字から伝わるところが良い。素人にはわからないピアノの奥深さについて少し知れた気持ちになる。」

68『さがしもの』

① 角田光代
② 新潮社
③ 2008

「本を通して人と人が繋がることがメインストーリーです。本当に本が人を呼んでいるのではないかと思うほど本と人とが密接に繋がっていて、一つの出会いの大切さを実感することができました。」

69『センセイの鞄』

① 川上弘美
② 平凡社
③ 2001

「私とセンセイの関係性が心地よく、温かい気持ちで読むことができる。もどかしくもなるが、心情の描写が細かくなくすっきりとした文章で読みやすい。」(有本夏緒)


70『そして父になる』

① 是枝裕和他
② 宝島社
③ 2013

「魅力は、子どもの心理描写の場面がほぼなく子供の本音が見えない中、本の中の親と一緒に読者も子供の行動に隠された本当の意味を読み取ろうとする場面が多く、本当に子供と関わっているかのように思えるところである。」

71『きみの友だち』

① 重松清
② 新潮社
③ 2005

「この本の特徴として、短編小説集なのですが、全ての話が繋がっているという点があります。色々な視点から物語を楽しむことができます。友だちのかたちについて沢山考えることのできる本でした。」

「この物語では、人間関係や心情がとてもリアルに描かれています。読み終えた後、友達ってなんだろう?と考えさせられました。最後には泣ける心温まる作品です。学生のうちにぜひ読んでほしいです。」


72『十字架』

① 重松清
② 講談社
③ 2012

「自殺をしたクラスメイトが遺した遺書に、自分の名前があった。ただの同級生、だが「親友」と自分を記していた。重く、大きな十字架を背負って生きていく、遺された人々の辛さが痛いほど伝わる物語です。」


73『朝が来る』

① 辻村深月
② 文藝春秋
③ 2018

「子どもを返してほしい」という一本の電話。自身の子を育てられなかった親と、その子を養子に取った夫婦の苦悩と葛藤がそれぞれの目線で書かれている。物語のクライマックスでそれぞれが決断したことに感動する。」


74『神様のカルテ』

① 夏川草介
② 小学館
③ 2011

「神様のカルテ1〜3まで読みましたが、いろんな人の人生が描かれていて主人公でない人にも感情移入できるところが気に入っています。特に2では、主人公の身近な人の人生の最後が描かれており感動しました。」(和泉瑠那)

75『こころ』

① 夏目漱石
② 新潮社
③ 2004

「先生がのこした遺書の内容が大半を占めている。遺書からは、人間として必要なことを多く学べるし、先生の生き方に共感できるところもあり、本の世界に入り込みたい、人生について考えたい人にはおすすめです。」


76『盆土産と十七の短篇』

① 三浦哲郎
② 中央公論新社
③ 2020

「この本に収録されている「メリー・ゴー・ラウンド」は、平成24年度センター試験に出題された。張り巡らされた伏線に気付くのはなかなか難しいが、それに気づくと、作品の中の温度が大きく変わる。そうした変化がとても楽しめる作品であった。」


77『ビブリア古書堂の事件手帖』

① 三上延
② アスキー・メディアワークス
③ 2011

「小説を読み始めたきっかけの一冊。この本はいつも忙しない日常から離れた、どこか懐かしいにおいのする世界へと連れ出してくれる。実在する古書にまつわる謎と秘密、揺れ動く人々の感情、その全てから目が離せない。」


78『羊と鋼の森』

① 宮下奈都
② 文藝春秋
③ 2015

「あまり馴染みのないピアノ調律師が主人公であり、ピアノ調律師として成長していくのと同時に調律のことについても知ることができるので普段本を読まない私にとって新鮮で面白かったです。主人公の感じたことの描写がとても豊かだと思いました。」(松岡裕貴)


79『銀河鉄道の夜』

① 宮沢賢治他
② リトルモア
③ 2009

「"本当の幸いは一体何だろう" 他人のために生きることこそ本当の幸いだと教えてくれる。生徒の為に働こうという教員としての姿勢も考えさせられる作品だ。宇宙や草木に詳しい宮沢賢治らしい文体にも引き込まれる。」(西田真知)


80『夏の庭』

① 湯本香樹実
② 新潮社
③ 1994

「私はこの本で「死」への興味が抑えられない超不謹慎な3人の少年と、その観察対象である老人に出会った。文字通り、出会ったのだ。今でも本当に秋桜が植わったあの庭で、一夏を彼らと共に過ごした気になっている。」


81『世界からボクが消えたなら : 映画「世界から猫が消えたなら」キャベツの物語』

① 涌井学
② 小学館
③ 2016

「「世界から猫が消えたなら」の主人公の飼い猫であるキャベツの視点で描かれた物語。「人や物、世界とのつながりそのものが「自分」なのだ」。自分は色々な繋がりから生かされていると気づかされる感動の物語。」


82『賤ヶ嶽』

① 岡田秀文
② 双葉社
③ 2010

「歴史上の戦いである賤ヶ岳の戦いのことを羽柴秀吉を中心に詳しく書いた小説です。戦いの内容だけでなく、どうして賤ヶ岳の戦いがおこったのか、この戦いの後、各武将や世の中はどうなったかまで詳しく書かれています。」(浅川聖生)


83『龍馬がゆく』

① 司馬遼太郎
② 文藝春秋
③ 1981

「誰もが知っている坂本龍馬の生涯を描いた小説。誕生から最期まで、龍馬の感情を交えながら綴られており、引き込まれるように物語に没頭することができます。楽しく歴史を学ぶことができる一冊です。」


84『永遠の0』

① 百田尚樹
② 講談社
③ 2009

「私たちはこの日本で暮らしていく限り、この本を読み、主人公である宮部久蔵の生き様について深く考えていく必要があると思う。宮部があの過酷な戦争時代をどのように生きていたのかが明らかになった時、夜も眠れないくらいだった。皆さんもぜひ読んでいただきたい。」

「特攻という理解し難いものに触れるための本として最適だと思う。宮部久蔵の半生をドラマチックに描きつつ、若者たちが特攻を選ばざるを得なかった心苦しさをほんの少し理解できたように思える。」(井上拓海)


85『影法師』

① 百田 尚樹
② 講談社
③ 2012

「下級武士の家で生まれた主人公・勘一がどうして筆頭家老にまで上り詰めることができたのか。最後に驚きの理由が待っている。武士の世界の男の覚悟と友情、生き様を描いた感動小説。」


#本でつながろう  目次

|0| #本でつながろう
|1| エッセイ・ノンフィクション 
|2| フィクション(SF・ミステリー・ファンタジー)
|3| フィクション(児童・青春・まんが)
|4| フィクション(純文学・歴史・時代)
|5| フィクション(教養・自己啓発)

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