#本でつながろう
その昔、図書館の本にブックカードなるものが挟まっていた時代がありました。
図書館業務がコンピュータ化される前の話です。
本を貸し出すとき、そのカードに借りる人の名前を書いて、カウンターで保管します。カードには、あらかじめ書名が記入されているので、図書館は今その本を誰が借りているかを管理できるわけです。本が返却されると、ブックカードはそのまま本の内ポケットに戻されて、書架に並びます。ということはつまり、その本を手に取れば、過去に誰が借りたかがわかってしまうのです。個人情報に敏感な当今では、俄かに信じがたい方式ですよね。
でも、そのおかげで、私たちは図書館を舞台にしたいくつかの名作に出会うことができたのも事実です。『耳をすませば』(ジブリ映画)の月島雫と天沢聖司も、『Love Letter』(岩井俊二監督)の藤井樹同士も、このブックカードが恋のキューピットの役割を果たしたといっても過言ではありません。
だから、その。
本で人がつながるって、素敵なことですよね。
オンライン授業がすっかり日常の風景になったけれど、先生との縦の関係は築けても、横の関係は見えにくい、という意見をよく耳にします。
名前だけが表示された真っ黒な画面の奥に潜む、クラスメートの微かな気配。
彼らは日々、何を思い、何を学び、どんな本を読んでいるのか。キャンパスライフがままならない今、そんな何気ない日常を交信できる「場」が必要なのではないか。
そんな老婆心から、今回、学部1年生を巻き込んで、書評企画を編んでみました。
題して、#本でつながろう。
というわけで、学部1年生のみなさん。
「あなたが、これまでの人生で最も感銘を受けた本って、何ですか?」
#本でつながろう 目次
|1| エッセイ・ノンフィクション
|2| フィクション(SF・ミステリー・ファンタジー)
|3| フィクション(児童・青春・まんが)
|4| フィクション(純文学・歴史・時代)
|5| フィクション(教養・自己啓発)
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