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HAAM注目!今月の空飛ぶクルマ最新ニュースまとめ【2023年7-8月】

続々と開発が進み、世界各地で機体の予約販売や大規模なイベントも開催されている空飛ぶクルマ。

HYOGO 空飛ぶクルマ研究室【HAAM】(以下、HAAM)では毎月、次世代の乗り物「空飛ぶクルマ」の最新情報をピックアップし、国内と海外に分けてお届けしています。

8月はアメリカで空陸両用の空飛ぶクルマが実装に向けた型式証明申請に進むなど、着実な歩みが見られた一方、試験飛行中に機体が墜落する事例も発生し、改めて新たな技術開発の難しさも感じられる1ヶ月でした。

【海外の空飛ぶクルマニュース】

01.SkyDrive、米国サウスカロライナ州で空飛ぶクルマ事業を本格始動【2023/07/20】

空飛ぶクルマや物流ドローンを開発する株式会社SkyDriveは、米国サウスカロライナ州で「空飛ぶクルマ」の運航実現に向けてプレスイベントを開催しました。SkyDriveは2023年より米国での展開に向けてサウスカロライナ州に拠点を置いています。

イベントでは、サウスカロライナ州政府と州内の主要空港や運航会社などと協力し、サウスカロライナ州における空飛ぶクルマの実現に向けて、本格始動することを発表しました。

今回の取り組みにより、サウスカロライナ州はアメリカの空飛ぶクルマ社会の最先端都市となるのか。今後の動きに注目です!

02.空陸両用の空飛ぶクルマ、米国連邦航空局(FAA)へ型式証明申請【2023/07/21】

米国カリフォルニア州に本社を置くエアモビリティ会社・ASKAは、公道を走ることができる空飛ぶクルマ「ASKA™A5」の型式証明手続きを正式に開始しました。

ASKA™ A5は、パイロット1人と乗客3人の合計4人が乗車可能。翼を格納すると一般的な車と同じ程度の大きさになり、通常の駐車場への駐車や公道を走ることができます。

試作機はFAAによる認証書(COA)と特別耐空証明を取得し、飛行試験を開始しています。ナンバープレートをつけた公道での走行試験も行っており、型式証明手続きを正式に開始し、飛行試験と公道での走行試験を実現した空飛ぶクルマは、ASKA™ A5が世界初とのことです。

価格は78万9000ドルで、2026年の商業化を目指しています。新たにバーティポートや充電スポットを建設する必要はなく、既存のインフラを利用できる空陸両用の空飛ぶクルマ。より画期的になった未来の乗り物が、私たちの生活をどう変えるのか?ワクワクしますね。

03.英国企業Vertical Aerospace(バーティカル・エアロスペース)の試作機、墜落【2023/08/16】

世界各国で続々と開発が進む空飛ぶクルマ。さまざまな企業が試験飛行を実施していますが、残念ながら常に成功するわけではありません。

イギリスでeVTOL(電動垂直離着陸機)を開発する企業・Vertical Aerospaceの開発するeVTOL(電動垂直離着陸)航空機「VX4」が、グロスターシャー州コッツウォルド空港での試験飛行中に墜落しました。無人での運転かつ遠隔操作だったため、人的被害は出ていません。

この試験飛行は「モーター故障テストシナリオ」というもので、有人運航に進むためには重要なテストのひとつでした。

Vertical Aerospaceは日本でも型式証明申請が受理されており、2025年大阪万博ではエアタクシーとしての運航も予定されています。大阪万博ではVertical Aerospaceのほかにも3つの企業がeVTOLを運航する予定ですが、今回の事故は今後の開発に影響を与えるかもしれません。

空飛ぶクルマが社会実装されるまでの道のりは簡単なものではありませんが、今回の出来事も安全性をより確かなものにするために活かされることでしょう。

【国内の空飛ぶクルマニュース】

04.SkyDriveら、大阪・関西万博に向けた調査を引き続き実施。24年にデモフライト【2023/07/24】

株式会社SkyDriveは昨年に引き続き、2025年の大阪・関西万博開催を見据えた「空飛ぶクルマ」の離着陸ポートや飛行経路の実現性を官民学連携で検証することを発表しました。

2022年より始動した「空飛ぶクルマの大阪ベイエリア航路実現性の調査事業」プロジェクトは、日本初の「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けて、複数の企業・自治体などが官民学の枠を超えて風況や気象、地盤などの調査と検証を行うものです。SkyDriveのほか、大阪公立大学や関西電力、大日本印刷などの団体や、大阪府・大阪市が協力しています。

大阪・関西万博時の2地点間運航実現に向けて、2022年度は大阪ベイエリアにおける離着陸ポート候補地と航路実現性の概要検証・評価を行い、23年度からは離着陸ポート候補地について、必要となるインフラや飛行航路の検証を行うほか、ポートの設置にあたっての制度上の課題等について検証しています。

2024年度にはデモフライト等を実施し、2025年度の大阪・関西万博で空飛ぶクルマの飛行を実現。2026年度以降は商用運行の拡大を目指しているとのこと。空飛ぶクルマの実装は、すでに最終段階を迎えています。

05.マーケターが外国人ビジネスパーソンと話したいことに、空飛ぶクルマがランクイン【2023/07/27】

渋谷でデジタルマーケティング事業やオリジナルビールブランドを展開するKOBUSHI MARKETING合同会社は、渋谷で働く20代〜30代のマーケティング担当者100名を対象に、海外交流に関する意識調査を実施。

「外国人ビジネスパーソンとの交流を増やしていきたいと思いますか。」「今後、マーケターとして海外でのビジネス展開を視野に入れていますか。」など、インバウンドの拡大に伴う意識の変化について聞きました。

約8割のマーケティング担当者がインバウンドの拡大に伴い、外国人ビジネスパーソンと交流を増やしたいと思っていることが調査を通じて明らかになりました。また、外国人ビジネスパーソンと交流する際の話題としては「空飛ぶクルマ」や「ロボット / ドローン」について話したいという声が上位に挙がりました。

空飛ぶクルマの開発や交通整備について情報を交換し、最新の情報を学びたいと考える人は多いようです。グローバルなビジネストレンドとして「空飛ぶクルマ」への関心が高いことが伺えます。

06.三菱航空機(現MSJ資産管理)の本社跡地を、空飛ぶクルマや産業用ドローンを手がける新興企業2社が活用【2023/08/01】

8月1日、愛知県営名古屋空港ターミナルビルに位置する三菱航空機(現MSJ資産管理)の本社跡地を、空飛ぶクルマや産業用ドローンを手がける新興企業2社が活用することが分かりました。

三菱航空機は業績不振に伴い、2021年3月に空港ビルから退去。2023年2月にはジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発を断念し、事業撤退を決めました。

跡地を活用するのは、空飛ぶクルマを手がける株式会社SkyDriveと、産業用ドローンの開発を行うPRODRONE。名古屋空港に拠点を置くことで、実用化に向けた飛行や検証をよりスムーズに行うことを目指します。

愛知県は今年5月に次世代の移動手段を早期に実現させる官民連携プロジェクトを始動しており、2社の拠点設置を機に、空飛ぶクルマやドローンの規制上の課題掘り起こしや規制緩和に向けた連携が加速することが予想されます。

国産初のジェット旅客機として期待を集めたMSJの拠点を、次世代の空を担う新興企業が引き継ぐ形となる今回の事例。未来の空の活用に向けて、バトンが繋がれました。

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新しい情報が入り次第、今後も空飛ぶクルマの最新ニュースをお届けしていきます。

HYOGO 空飛ぶクルマ研究室【HAAM】noteでは、イベント情報や空飛ぶクルマの最新ニュースなど、空飛ぶクルマに関するさまざまな情報を発信中です。公式サイトでも最新の情報を発信しておりますので、ぜひ覗いてみてください👀

▼「空飛ぶクルマってそもそもどんなもの?」という方は、まずはこちらの記事をご覧ください!

HYOGO 空飛ぶクルマ研究室【HAAM】
SDGs思考で未来の空を構想するシンクタンクをコンセプトに、空飛ぶクルマの実用化が期待される2030年代に社会の中核を担うZ世代以降の若者【大学生・高校生】と共に観光・地域創生分野における具体的なビジネスモデルを考えるラボラトリー。大学生向けの空飛ぶゼミや高校生のSDGsへの関心を集める企画などを実施。


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