日本の社会における権力格差の現状について考えてみた

会社の研修の一環で、
さまざまな本を読んでいます。

会社をマネジメントできる人材になるには、
財務に異文化、リーダーシップ等々を
学ばねばならないとのこと。

その中の1冊、
『経営戦略としての異文化適応力』
という本によれば、
権力格差スコアを国別で比較すると、
日本は中間に位置するそうです。

『権力格差』とは、
簡単に言えば年功序列を重視するか否か、
親と子、教師と生徒、上司と部下
といった関係において、
力関係をどう受け止めるか、という意味。

・権力格差が大きい
これは目上の人を敬え、という考え方
ヒエラルキーは重要
上に立つ人物の優秀さによって
チームの良し悪しが決まる

・権力格差が小さい
みんな平等、影響力をもたらす人が
良しとされる考え方
自発的・積極的な人をウザがらず、
むしろ期待する
密なコミュニケーションと
個々人の優秀さによって
チームの良し悪しが決まる

分かりやすい例を挙げるならば、
アメリカは権力格差が小さい
昭和の日本人は権力格差が大きい
ということですね。

そんな難しい問題で現在中間に位置するとは、
うまいことバランスを取ってるってことですね、
さすが日本人!
と思ってはならないと考えます。

曖昧な点を取っても中間だし、
両方の短所を取っても
やはり中間に位置するのだから。

理想的に両方の長所を取れる人ばかりならば、
極端な話、戦争なんて起きないでしょう。

さて自身の職場では、
と身近な場に話を置き換えてみると、
問題点がハッキリして目が眩んでしまう。

ヒエラルキーを重視しつつ(格差大)、
部下に自立を期待する(格差小)人が
あまりにも多いのだ。


要は、
基本的には先輩上司を敬いなさいと
序列を重視したい一方、
俺に聞くなよ知らないよと
育てる意欲はほぼなく勝手に育ってほしい
(相手の優秀さに期待する)先輩上司だ。

権力格差において
自分に都合の良いところばかり欲する
中堅ベテランがあまりにも多い。

ゆえに、その態度にむかついて、
こんな会社にいられないと
退職する若者が後をたたない。

その原因の1つはわかる。
諸先輩がたは、
ずっと育てるべき後輩がおらず、
どう教えればいいかを学べずに上司となり
ベテランとなってしまったからだ。

就職氷河期によって採用を控えていた
過去の負の遺産が、
明確なダメージとなって現れている。

現在、そこそこ歴史のある会社において、
40代の働き盛りはほぼ居らず、
50以上と40未満で組む
ひょうたん型の人数比率となっているのだ。

若者は、
先輩方を仕事はできるが指導ができない
無能な上司と捉える。
ベテランは、若者を敬意を持てないうえに
自発性のない無能な部下と捉える。

どちらが悪いか。

馬鹿な上司は、
自分を棚に上げて部下を叱責する。

半端に頭を使う上司は、
お互いに悪いと言い、
解決策を見出せないまま、なあなあにする。

若者は悪いのか、悪くないのか。

中堅の立場から、
どちらが悪いかあえて判断を下すならば、
上司に問題があると考える。

近年の日本の若者の多くは、
敬意は必要最低限で良い
(むやみに媚び諂う必要はない)
命令で役割を縛らず、
必要な情報を出してほしい
と、『権力格差が小さくなる方向』へ向けて
動いているように思う。

ただ、
必要な情報をほしい(教えてください)
と言っても、
上司がこれに反応できていない。
なぜなら、教えた経験が皆無だから、
習うより慣れろとしか言えないのだ。
やってるうちに覚えていく、
と自発性を促そうとする。

にも関わらず、同じ目線に立ちたがらない。
ゆえに、質問相談をすると、苛立ってくる。

それによって若手は混乱してしまうのだ。

そりゃそうだ。
自発を促すならば、
少なくともコーチとしての役割を
果たさねばならない。
指示ができずコーチもできず、
自分の仕事だけができる権力者。

こんな人の下で、いつたい何ができるだろう。

自分でひたすら努力して上司を黙らせるか、
黙って従うか、
嫌気がさして辞めてしまうか、
心身を病むか。

上司ベテランに願う解決は、
若者の傾向(権力格差の減少方向)を
理解した上で、良いコーチとなること。
いい兄貴分、姉貴分になることだ。

あるいは権力格差を重視した考え方を
ハッキリ明示して、
俺についてこい!と言える
リーダーシップを発揮すること。
それだけの実力と指導力を
見せつけることだろう。

若者にある悪いケースを挙げるならば、
年配をさして敬いたくない(格差小)一方で、ハッキリ分かりやすい指示をしてくれよ(格差大)と、自分勝手で受動的な姿勢を持つ人がいた場合かと。

ただこれは、上司に優秀な指導力さえあれば解決できる話、格差によらず、それは誰もが求められる能力なんじゃないかなって思うのです。

自分はどうしていくか。

分かることは喜んで教えてあげる。
分からないことは、分かる人へ繋いであげる。
求められる要求に応えられる指導力を持った兄貴分でいたいと思う。

いま本を読んでいるかぎり、
私の考えはこの通りです。
みなさんは、どうお考えですか?

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