見出し画像

発達障害がわかれば人生が変わる

数年前に、元農水事務次官が自分の長男を殺害するという事件が起こった。

この被害者は、長く引きこもりだったという。人間関係がうまくいかず、学生時代からいじめにあい、就職するものの、会社でうまくいかず、引きこもりになったという。アスペルガー症候群が診断されていたらしいが、この診断は引きこもりになってかなり経ってからだという。

こういった患者さんは精神科で見ることがあった。うつ病や統合失調症などの病気が疑われてくるのだが、話を聞くと、学生時代から空気が読めず、人から馬鹿にされたり、いじめにあうことがあり、不登校になって引きこもっていたというような話や、同じように人間関係に問題を抱え、社会人になったが、会社でうまくいかず、引きこもりなっていたという話。

前にも書いたが、中年の引きこもりは61万いて、7割が男性だという。引きこもりになった理由としては、退職や人間関係の悪化、病気、職場になじめない、就職活動がうまくいかないなどと言ったものだ。

発達障害を診断された人や疑われる人の話を聞くと、人間関係がうまく築けないことにより、いじめにあったり、親からの虐待にあったりということをよく聞く。そのストレスがきっかけで別の精神疾患を患ってしまったというケースも珍しくない。

幼少期における発達障害の発見は、こうした問題の解決に少しは役立つのではないか。私の友達のいとこがアスペルガー症候群があるが、幼少期から本人はもちろん、家族でアスペルガー症候群に向き合うことにより、うまく社会生活を送れているらしい。一方、なにも指摘されていない、いわば野良の状態の人が置かれている状況は悪い。なんとなくうまくいかず、いじめられた経験もあり、自己肯定感が低かったり、人を信用できなかったり、対処方法がわからず、周りから煙たがられる。悪循環に陥っているように思える。

発達障害と毒親というタイトルでも書いたが、

厳しくしすぎる親とそれに反発する発達障害の子供という悪循環も生まれる。

発達障害という言葉がまだ世間には完全に受け入れられていない。個人の性格や親の育て方の問題だと考える人も少なくない。そういった概念がなかった時代の人たちは、特にそうだろう。

厚生労働省も発達障害の人への支援を行っている。

幼少期からの発達障害の発見、対処により、その後の人生が大きく変わってくる。どのようにして、早期発見し、いい軌道に乗せられるか。そのことを今後考えていく必要がある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?