宅建の知識は不動産投資に役立つか

前回記事では、サラリーマン大家(不動産投資家)が宅建の資格を取得することのメリットをご説明しました。
今回は、試験合格や資格取得という議論から少し逸れて、「宅建の資格取得のための勉強で得た知識は不動産投資に役立つか」について議論したいと思います。

宅建の分野

主に①宅建業法、②民法、③法令上の制限、④税金その他 に分かれていると言われています。上記①~④で50問が出題される構成です。(合格水準は年によって異なりますが、概ね34点~38点)以下、分野別に不動産投資に必要な知識かどうかを議論していきます。

宅建業法

不動産投資で必要な知識を1~5とすると(5を必須、1を全く必要ないとします)宅建業法は2です。ほとんど必要ありません。
宅建業を行うにあたっての免許や事務所の設置、保証金などの話は開業しなければ全く関係ないでしょうし、本業の宅建士も日常業務の中でほとんど関わることはないでしょう。
強いて言えば重要事項説明や、契約書面の記載内容について理解が深まる程度。また、仲介手数料といった不動産業者の報酬額は限度額であって、規定の報酬というわけではないということを再認識する程度でしょうか。
いずれにせよ、開業するのでなければ知らなくても問題ない知識を、とにかく暗記で詰め込む作業が中心です。また、暗記科目なので20点満点中、18点という高得点が求められる科目でもあります。
もし時間があれば、35,37条書面についての意義を勉強することをお勧めはします。

民法

民法は4です。私自身大変勉強になったと思いました。
特に賃貸借や借地借家法は不動産投資家にとって必須項目です。もし宅建の取得を検討されていない方でも、宅建の民法テキストを買って(あるいはYoutubeで学習する)勉強することを強くお勧めします。それくらい民法はためになりました。現行の法令において、いかに借主が保護されているかがよくわかりました。この借主に圧倒的に有利な借地借家法の構造を理解せずに不動産投資を行うべきではないとすら思いました。
また、不動産投資を行っていると不動産売買契約を始め、消費者として生活している場合に比べ圧倒的に法律行為が多いので法律的な素養を身に着ける上でも大変役に立ちました。
さらに区分所有(マンションの1室投資)を検討しているのであれば、区分所有法についての理解も必要ですので、こちらも大変役に立っております。
5にしなかったのは若干マニアックな論点が含まれている点があるためです。

法令上の制限

法令上の制限は3です。用途区域や建築基準法について理解していれば不動産業者から販売図面を取り寄せてもどういった制限がある物件なのかすぐにわかる素養を持つことができます。全く無駄ではありません。
3とした理由は国土利用計画法や、土地区画整理法など、デベロッパーにでもならない限り必要としない法令についても理解を深める必要が多く含まれていることです。民法同様に興味があれば素養として都市計画法、建築基準法については理解しても損はしないと思います。

税制その他

これは2です。知っておいても損はしないかもしれませんが、固定資産税や登録免許税は算出のロジックについて理解を深めたところで何がどうなるわけでもない(課税されるという事実には変わらない)し、都道府県や市町村が勝手に算出して請求されるので受け身でも問題ない税制です。
また、印紙税や所得税についての理解も深まりますが、不動産投資と税制については試験対策の暗記よりも本質や個別事案について考えるべきですので宅建の勉強をすること自体がわかった気になってしまいかえってマイナスということもあろうかと思います。
また、「その他」には土地・建物や公示価格についての雑学が問われる問題もありますが、知らなくても不動産投資における影響はありません。
宅建を目指さないのであれば学習するだけ時間の無駄でしょう。

まとめ

民法の借地借家法を始め、いくつか不動産投資家にとって必須の知識もありました。勉強して決して損するものではありません。
民法を勉強しておもしろそうだなと思えば、とりあえず資格取得に向けた勉強を始めるのも選択肢の一つだと思います。試験の合格は一生有効です。
勉強方法については前回記事でご紹介しておりますのでよろしければご参考にしてください。

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