不動産投資に宅建は必要か

宅地建物取引士と不動産投資


サラリーマン大家のひゃくたろうです。こんにちは。
金融機関に勤めながらアパート3棟、区分マンション1室を保有しています。今回は初回の記事ですが、サラリーマン大家をするにあたり宅地建物取引士の資格は必要か?という点について私なりの考えをご説明したいと思います。

宅地建物取引士とは

いわば不動産のプロという資格です。重要事項説明や契約書への署名など、宅地建物取引士でなければできない業務がある国家資格です。結論から申し上げますと、「なくてもいいが、あればベター」ということかと思います。
そもそも大家業そのものは宅建業法の対象ではなく、免許や許認可は不要です。自分の家の空いている物置を友達に月5千円で貸す場合でも立派な「大家さん」です。従って「大家さん」や「不動産投資家」には誰でもできる可能性があります。ただし、資格が不要=宅建取得のメリットがないということではありません。以下に理由を挙げていきます。

メリット① 不動産業者に知識がある人間と認識される

不動産業者さんは大概忙しいです。不動産取引が活発な市況で常に人材不足。忙しい業者さんは何の知識もない素人とある程度知識のある人間とどちらに売りたいかと言われれば、同じ価格であれば後者でしょう。
不動産業者として宅建業免許を取得してしまえば完璧ですが、サラリーマン大家にとって宅建業免許の取得=業者成りのハードルは非常に高いです(詳細は後述します)。宅建士の資格を持っているだけである程度の不動産に関する知識を最低限保有している人間と認識されますので、保有しているだけで「箔」がつくと思います。

メリット② 融資に有利

私も金融機関勤務の人間で、数えきれないほどの稟議を起案してきましたが、融資の基本は「ヒト・モノ・カネ」と言われています。事業主である大家について、事業主としての資質があるかを金融機関は審査します。サラリーマン大家の場合、多くは不動産賃貸業と直接関わりのない業種の企業に勤めているでしょう。その際に審査の段階で「大家としての資質がある」と判断されるには誰もが納得する理由が必要です(例えば●年不動産賃貸経営を行っているなど)。
その際に登場するのが宅建という資格で、資格さえ保有していれば審査する金融機関も「ヒト」の面では事業主としての資質はありと判断する可能性は格段にあがると思われます。持っていて損はないです。

デメリット 資格取得=業者になれるわけではない

宅地建物取引士という資格を個人として保有していることと、宅地建物取引業者になることは全く違います。
業者になるには都道府県知事から免許を取得しなければなりません。免許を取得するにあたり、保証金の供託や事務所の開設などいくつかハードルはありますが、サラリーマン大家にとって一番のネックは「専任の宅建士の設置」です。これは常勤の宅地建物取引士を用意することが求められるということです。
サラリーマン大家の場合は本業が企業勤務のサラリーマンかと思いますので、「常勤」の宅地建物取引士とは認められません。すなわち自分が常勤の宅建士になれないのであれば、常勤の宅地建物取引士を雇用する必要が生じます。
しかしながら常勤の宅地建物取引士雇用にあたっては社会保険の加入や、固定給の支払いなどの相応のコストが発生するため現実的ではありません。少なくとも軽い副業気分でできることではないかと思われます。
従って、「専任の宅建士設置義務」をサラリーマン大家が充足する可能性は低く、サラリーマン大家は宅地建物取引の業者となることは困難です。不動産取得の仲介手数料節約を目的とするのであれば、宅建士の資格合格は意味を成しません。

宅建合格への道

空き時間をとにかく活用すれば完全独学でも受かる

筆者自身、10日前に受験したばかりで「自己採点では合格しているであろう」という立場に過ぎませんが、合格予想水準は超えていると思えますので、合格者目線で勉強法を語ります。

Youtubeやスマホアプリを徹底活用

私は学生時代、勉強が苦手でした。もっと正確に申し上げると勉強をコツコツやることが大の苦手でした。今でも苦手です。机に座っても5分と集中力が持ちません。運よく大学に受かり、大手企業に入社してからも社内試験ではついに下位争いをしていました。
そんな学生時代から努力や机に向かうことが極端に苦手な私ですが、Youtubeをフル活用することにより、机に向かわずとも勉強できる環境を自ら作りだし、耳で覚える学習法でインプット、そしてスマホで空き時間にゲーム感覚でアウトプットする方法で合格点に到達する技術を身に着けることができました。

おすすめYoutubeコンテンツ

毎年数十万人が受験する人気の資格ですのでコンテンツも豊富。ただ中でも「ゆーき大学」と「棚田行政書士の不動産大学」は特に秀逸でした。

ゆーき大学
司法試験合格のゆーき先生が運営するチャンネル。難しい専門用語をかみ砕いて口語でわかりやすく解説してくれます。勉強しているというよりは、雑学のチャンネルを見ている感覚で勉強することができます。テキストを数ページみて意味不明で挫折した方も、これを見れば概要は理解できるので非常におすすめです。なお、どの章も冒頭か最後に「神ノート」を購入するよう促されますが、私は購入しなくても十分だと感じました。(そもそも買っていないので否定するつもりはありません)

棚田行政書士の不動産大学
ゆーき大学を見たけれど、問題集をやっても全くわからないという場合に見るのがお勧め。法律の背景や実務ではどうするかも含め、非常に丁寧に教えてくださいますが、とにかくコンテンツが多い、そして過去動画と重複するものもありますので全部を見る必要はないかと思います。法令上の制限は一般人の私には全く馴染みのない分野でしたので、大変お世話になりました。

おすすめスマホアプリ

宅建 過去問 「2023」
一問一答形式や分野別4択でサクっと過去問を解くことができます。5分あれば2,3問は解けるのでちょっとした待ち時間や電車の中、エレベーターの中などでひたすら解き続けます。気が付けば一日100問くらいはやっていたこともありました。
ダウンロードも無料で気軽に始めることができますが、広告が途中で出てくるのがとにかくうざかったです。有料でもいいので広告なしバージョンが欲しい。

宅建士 秒トレ
単語帳のような使い方ができる、そして何よりテンポがいいのでサクサクと問題を解くことができます。自分の弱点もわかりますし、どれくらい勉強が進んでいるかもグラフで可視化されるので過去問と並行して行うことをお勧めします。

完全独学の宅建勉強法まとめ

まずはテキスト、問題集を買います。これはどの出版社でも自分が手に取ってわかりやすいと思ったものを買えばいいと思います。私はLECの出る順シリーズを使っていました。
テキストを1章流し読みする→よくわからない→ゆーき大学のコンテンツを視聴→わかった気になる→問題集を解く→わからない箇所やイメージがつかめなかった箇所は棚田行政書士の不動産大学を聞く→スマホで復習、100問は解く
というループで合格水準に達することができました。本格的に勉強を始めたのが7月頃、電車での通勤時間や休憩時間を中心にひたすらYoutubeとスマホアプリをやっていました。歩いている間は棚田行政書士の不動産大学を聞いていることが多かったですね。毎日更新されるので。
この辺のスケジュール感は反響があれば後日別の記事にしたいと思います。

まとめ

サラリーマン大家に宅建の資格は不要。ただあったほうがベターなので挑戦してみるといい。
Youtubeやスマホアプリを使うと勉強が苦手な社会人でも十分合格点に達することができる資格。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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