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ひゃくま
2019年1月24日 02:28
波の音が聞こえる。 寄せては返す波の音。 真っ白な海岸を入道雲の浮かぶ青空に佇む夕日が照らしていた。 目の前にいる黒髪の少女が口を開こうとし、言いよどみ、口を閉じ、俯いた。 ――――――これは記憶だ。 俺は何もできないまま、ただただその少女を見つめていることしかできなかった。 俺たち二人の間を風が吹き抜けていく。ただ時間だけが過ぎていく。 二人の沈黙を癒すように、優しい波の音