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野菜仕入と販売をやってみて沸いた疑問

3月頃から新型コロナの蔓延に伴い世間の動きが止まった。私はたまたま家の前も畑(佐賀県みやき町)なので、「ステイはたけ」にした。つまりは、スーツを着たこれまでの金融機関の仕事もできないので、小学校のプール2個分くらいの畑を耕し、サニーレタス、グリーンレタス、枝豆、ジャガイモ、トマト、なすを植えた。そして、6月上旬にはサニーレタスが200株収穫できた。

収穫できただけではつまらないので、売れないかと考えた。かつてから野球仲間であった薬局の社長に相談し、福岡市内のドラックストアの駐車場を借りて軽トラ市をさせてもらうことにした。

自分でつくったサニーレタスだけだと、台所の主の感覚がいまいちわからない自分でも、品目が少なすぎることくらいは感じた。スイカを産直でもってきました!という軽トラなら理解できるが、サニーレタス産直で!は売れる気がしない。そこで、私は佐賀のみやき町だが、そこから20㌔くらいの産地である久留米市北野の農家さんの野菜も仕入れさせてもらった。それから軽トラ市はスタートした。13品目からのスタートだった。

5月下旬頃からスタートして、8月中旬まで合計16回。すべて100円で販売を貫いた。途中、九州北部は長雨、日照不足に見まわれ、野菜が採れなくなった。私も経験したが、長雨すぎて、土の中の野菜は溶けたり、腐ってしまうのだ。また、トマトなんかも水を吸い過ぎて、実が割れるし、ちっとも甘みがない。これは自宅用でしか食べれない。そういう状況が続き、野菜100円軽トラ市として、10回を超えたあたりから安定集客してきたにも関わらず売れるものがなくなってきた。

そこで、100円野菜でキープするのか、値段をこのような状況下で上げるのか?方針をどうするかという壁に当たった。

私は100円で提供したい思いは強い。その理由は、コロナということで、偶然にも私は畑で農作物を作る経験に出会えた。はっきりいって家庭菜園を経験する程度と考えていた。しかし、その経験をしてみたかった。理由はしたことないから。草ぼうぼうの畑を与えてもらって、なにからしたらいいのか?わからない状況だった。草刈り機という刃物が高速でくるくる回る恐ろしい機械も始めて動かした。その草刈りから始めた。そして、トラクターで耕し、畝(うね)をつくった。この畝という感じもずっと、敏(とし)だと思っていたレベルだ。その畝に苗を植えていって、水やりをし、草を抜き、育てていった。そうすると見事に野菜がなったのだ。

ただただ、嬉しかった。ちゃんと手をかけたら育っていく様をみて、なんとも言えない喜びを感じた。また、その作物を持って帰って妻が夕食にしてくれた。ただただうまかった。自分でつくっている、農薬というものに頼っていない。だから安全性もわかっている。

子供にもちょっとしつこかったかもしれないが、「美味しい?」って尋ねた。「おいしいっ」って答えた野菜もあれば、何もいわずに残している野菜もあった。子供には早すぎる野菜だと理解した。

私は自分でつくって思う。農家さんはいっぱい野菜がある生活なんだなと。そのいっぱいの野菜をお裾分けしてくれているんだなと。もちろん、生活費のために商用でされている方、自家用や友人、知人に配るための方もいる。コツコツ育てた野菜はまさに「信頼の結晶」だと思った。なので、私は町の方々にもお裾分けを持っていくんだと気持ちで運んだ。そして、100円だったらいっぱい買ってもらえるし、いっぱい料理法も試してもらえると思った。そしたら自ずと料理をするお母さんなんかが笑顔になって、家庭でのコミュニケーションも円満になることにつながると思った。まさに私の家庭が私が畑を初めてコミュニケーションが変ったように。そのためには100円じゃないとダメだと思い継続することにした。

しかし、事態は長雨。近郊では仕入れられない。さて、困った。そして私は宮崎にいく決意をした。(つづく)

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