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これから注目される価値を届けるキャリア

ここ数年、斬新なアイデアから今までの常識を覆すような商品やサービスが誕生していますが、コロナ禍でこの流れはさらに加速していくと考えられます。

ただその新しい商品やサービスの中には、残念ながら、必要としている人に知られないままになっているものも少なくありません。

たくさん斬新な商品・サービスが生まれてきている今、次にその価値を必要な人の届けるためにどうするかという側面が、今まで以上に重要になってきているのではないでしょうか?

その意味で、商品・サービスの価値を伝えられる人材が、ますますこれから重宝されるようになってくるように思います。現にそのように感じる事象が見受けられるので、今回はそのいくつかについてご紹介いたします。

ベンチャーキャプタルが編集人材を求めるアメリカ

昨年、ある雑誌の編集長のお話を聞く機会がありました。その中でアメリカではベンチャーキャプタルが実力のある編集者をスカウトし雇用しているという話を聞きました。

アントレプレナーによっては、事業で十分に収益を上げていて、ベンチャーキャプタルから積極的に資金を得る必要性が高くないケースもあります。その中でベンチャーキャプタルに求められるのは、資金力よりも「未来を語る能力」、いわば「世界観」を演出することだというお話でした。

確かに、金融緩和で資金流通量が極端に増えている現状において、お金の価値は低下しており、それと同時に資金を提供することの価値は低下しています。ベンチャーキャプタルが資金提供能力以外の部分で勝負する必要があるという話は、今の社会情勢からうなずける話です。

この話を聞いたときは、これはアメリカの話であり日本ではまだ先の話だと思っていたのですが、日本でもすでに異業種が編集人材を重用する傾向にあることに気がつきました。

ベテラン編集者を役員に迎えたファーストリテイリング

今や世界各地に店舗を構えるUNIQLOで2018年8月にフリーマガジンが創刊されました。創刊号のページ数は何と120ページ。中身も無料のものとは思えないクオリティです。

引用:AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議


その内容については、UNIQLOのホームページに紹介動画まで用意されています。

ユニクロ

画像引用:UNIQLO ユニクロユーチューブチャンネル

このフリーマガジンを手掛けているのは、POPEYE(ポパイ)の元編集長の木下孝浩氏です。クリエイティブディレクターとして同年ファーストリテイリングに入社しました。

かつてUNIQLOは安さ、その後は機能性、そして今はライフスタイルの提案にまで踏み込んでビジネスを展開しています。その中で、新しい商品・サービスの価値を伝える重要性をいち早く見抜いての行動ではないかと考えられます。

そして、こういった動きはファーストリテイリングだけでなく、ブランドを大事にする企業ではすでに行われています。現に編集ができる人材を異業種でも求める企業が増えているという話をさらに他の出版業界の方からその後伺いました。

2020年新規上場の株式会社コパ・コーポレーション

コロナ禍の6月24日に東証マザーズ上場したのが株式会社コパ・コーポレーションです。この会社は実演販売を専門にする会社で、コロナ禍でもオンライン実演販売で小売業界では重宝されています。

その様子を少し前にテレビ東京にて放映されているカンブリア宮殿で偶然観たのですが、その内容にとても驚きました。

カンブリア宮殿

画像引用:TVTOKYOホームページ

番組内で社長が話されていたのは、実演販売はいいものであるものの価値を伝えるのが難しいものが売れるということでした。

実演販売というと昔からある仕事ではありますが、価値を必要な人に伝えるという本質は編集のスキルと合致する部分があります。

こういう会社がコロナ禍で新規上場したのは偶然とは思えないと個人的には感じています。

まとめ

商品・サービスを必要な人の届けるというのは、古くて新しいテーマだと思います。

これからは新しい商品やサービスを生み出す人に加えて、こういった新しいものの価値を必要な人に伝えられる人材の価値が高まっているように思われ、実際にそのような現象も各方面で確認できます。

このような側面に注目すると、社会課題の解決につながる面白いキャリアが見つかるかもしれません。気になる方は他にどんな事例があるか、ぜひ探してみてください。

これからの時代に必要な職業観とお金観について考えるヒントになる方や本について紹介しています。いろんなタイプの方を取材しているので、よかったらフォローお願いします。