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#60 百鬼堂農園(12) 岩と瓦礫と初収穫

 「おはよう、がんばってるね」市民農園最年長のおばあちゃんが遠くから声をかけてくる。隣には同世代のご婦人。この友人とふたりでホームセンターに苗を見にいくという。

 まだまだ広大な遊休地がある我が畑をみて、ご友人から「キュウリでもトマトでもナスでも、何でもいいから(暑くならない)いまのうちに植えなきゃダメよ」とありがたいアドバイスを受ける。

 わが農園の現状は以下の通りである。

第1畝 オクラ5、ジャガイモ5
第2畝 ハツカダイコン多数、枝豆6(種から)、トウガラシ2 
第3畝 スナップエンドウ2、枝豆5(苗から)、トウモロコシ3
第4畝 シソ5、パプリカ4

 勢いとはいえ、ド素人がよくも植えたり、といったところか。家庭菜園の王道ともいえる、トマト、ナス、キュウリは、農園経営者たる私にとってラスボスである。十分なレベルアップと装備が充実したところで挑みたい。勢いで始めちゃうかもしれませんが。

 第1畝が最も南に位置し、数字が増えるに従って北になる。あと3本くらいは畝を建てられそうだ。

 初めて作った畝が第1畝であり、土壌がこなれておらず、岩がごろごろしている感じ。第2畝が瓦礫状、第3畝が砂利状、といったところで、だんだん畑らしくなっていく。オクラの育ちが悪い第1畝の岩のような土塊を、鍛造備中鍬で砕きまくって、さらさらの土壌に作り直したい衝動に駆られる。

 全体を見渡せば、なんとなく7割くらいが元気な感じだろうか。無事な成長を願うばかりだ。

 ハツカダイコンは種をまいてから1ヵ月が経過した。そろそろ収穫してもいいのではないだろうか。だが地中の様子はわからない。一番大きな葉の周囲を慎重に掘り、勇気をだして抜いてみた。

 時期尚早でまだまだ小さかった。が、百鬼堂農園初の収穫である。めでたい。数十キロの積載に耐えうるいかつい自転車に、極小のハツカダイコン3つを入れたリュックを載せて帰路につく。

 赤くてかわいらしいその実を、薄くスライスしてサラダに入れた。鷹の爪みたいな大きさ。小さいながらも爽やかな辛味で、よいサラダのアクセントになっている。次の収穫が楽しみだ。

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