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キモノノキホン・振袖

振袖というと、一番最初に成人式を想像されるのではないでしょうか??
今回は振袖の歴史的な背景や特徴などについて解説していきます。

これで分かる!振袖とは??

振袖は『未婚女性が着る一番格の高い着物』です。

「振袖」という名称は…なんと!!江戸時代から呼ばれています。
当時は子どもと18歳までの未婚女性が振袖を着ていました。
そのため振りのある長い袖は「若さの象徴」とされており、現代にも続いています。

【村上】エディタ用画像 (42)

所説ありますが、

『振袖の長い袖は若い男性の魂を集めるため』
『若い男性へ振袖の長い袖を振ることで感情表現を表していた』とも言われています。

恋愛をすると「振る」「振られる」という言葉をよく使いますが、この語源も振袖の長い袖がルーツになっているそうです…!
そのため、結婚してから振袖の長い袖を詰める(短くする)習慣もあるのです。

現在では20代から30代前半くらいの女性でも振袖を楽しまれていて、成人式だけでなく

・卒業式
・結婚式(主役・ゲストどちらも)
・パーティー

…と着用の場も広いです。

袴と振袖の長い袖を合わせると、着姿もとっても華やかです♪


振袖の袖には種類がある!?!?


ロマンティックな歴史のある振袖ですが…なんと!袖の長さに3種類あるのをご存知でしょうか?

①大振袖

振袖の中では「一番長い袖の長さ」の部類で、約104cm~120cm程度になります。
以前の大振袖は花嫁衣装として『特別な着物』という位置づけでしたが、最近では成人式や花嫁のお色直しでも着られるようになりました。
昔は大振袖にも五つ紋を入れるのが正式でしたが、現在では紋が省略されています。


②中振袖

大振袖に次ぐ礼装で、かつては成人式で着用されていました。
袖の長さは約100cm前後で「成人式や初釜、パーティー」などでも着用されています。


③小振袖

袖の長さは約76cm~86cmと振袖の中では「袖が一番短いもの」になります。
小振袖は「二尺袖」とも呼ばれており、最近は卒業式で袴とあわせて着ることが多いです。
その他、かしこまりすぎないパーティや、女の子の十三参りでも用いられています。

上の3つに分かれ、大振袖 > 中振袖 > 小振袖 の順に振袖の中でも格が変わります。


振袖の柄の主な種類をご紹介!!

現在の振袖は古典柄だけでなくさまざまな柄があります。
成人式の様子などをテレビでも見かけますが、みなさんそれぞれ個性が出ていますよね!


○古典柄

振袖のみならず、着物と言えば!古典柄ですよね。
中でも、振袖でよく見かける柄をあげると…

<桜> 古くから愛され「豊かさ」や「縁起の良いことの始まり」といった意味があります。 

<蝶>
 舞い遊ぶ姿の可憐さから「若い女性にふさわしい」だけでなく「健やかな成長を願う」という意味も込められています。

<御所車> 平安貴族が用いた「牛車」を描いたもので『富や豊かさの象徴』だけでなく、たくさんの花を積んだ<花車>は『たくさんの幸せを運んでくる』という意味もあります。

<薬玉> 5月5日の端午の節句に「魔除け」として飾っていたもので、可愛いブーケのようなデザインが人気だけでなく『長寿を願う』という意味があります。

・・・などなど、振袖に描かれている柄には様々な意味が込められているんです!

古典柄といってもこのほかにもたくさんありますので、ぜひ色だけでなく 振袖の柄にも注目してみてくださいね!!


○新古典柄

最近の振袖の人気柄で多いのは『新古典柄』です。
先ほどの古典柄に【少し現代的な要素が入ったもの】になります。

例えば…
『柄の色使いが鮮やか』であったり
『柄を大きめに配置』していたり
『洋柄と組み合わせたデザイン』であったり…

デザインも様々です!


○モダン柄

『古典柄の要素はほとんど無いようなデザイン』で作られている振袖がモダン柄と呼ばれています。

・バラや蘭
・ストライプやハート
…など「洋風の要素」を大きく取り入れたものになります。

最近では、ストライプや市松のような幾何学模様の個性的な振袖も人気が出てきていますね!

この3つが振袖の柄の主な種類になります。

これから振袖を選ばれる方は、ぜひお選びになる時の参考にしてみてください!


今回は、振袖についてご紹介いたしました。
振袖というと『成人式のイメージ』が強く、そのあとはなかなか着ることも無いと思われる方も多いです。

ですが、ご卒業式やお呼ばれの席…さらにはご自身が主役として行う結婚式でも振袖を着ていただけます。
まさに、振袖は女性のライフイベントを華やかにしてくれる一枚ですね!

最後までお読みいただき、ありがとうございました✿

きもの百花 ~HYAKKA~
きもの、人、時ー和のスタイルアップを目指す、着物マガジン

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