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宵の明星

窓を開けたら、真正面で金星が光っていた。あまりに明るくて、手を延ばせば掴めそうだ。放射状に広がる光線まではっきりと見える。食べたらきっとおいしいだろう。ふと、あの金星を額の上に掲げたいと思った。そうしたら、放射状に光を放つ金星の冠を頭に載せた若い男が、白い馬に乗っている情景が浮かんだ。あの若い男はわたしだ。そうなりきってみよう。窓から離れた後もずっと額の上に輝く金星を感じている。

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