ギターゲット編2
僕はリトルトーキョーのお店が密集している真ん中で歌い始めた。
歌うのはあまり好きくない。かと言ってギターだけで魅せれる自信もないし、ましてや鳴りの悪いこのギターでとかいう前に、結局何かやるしかないんですわ、だからデタラメでもいいからソウルこもってる風によくわからん歌詞で歌うのは得意なこともありやってみた。
お情けでチップを入れてくれる人、写真が撮りたいから入れてくれる人、普通に聞き入ってくれて入れてくれる人、まあ色々ですわな。
二人のカップルがずっと僕を見守ってくれていた。
アメリカ人の白人はなんとなくいけすかんが、僕のことをちょっとでも褒めてくれるなら話は別さね。
途中セキュリティの人が
「店の前でやるな。車道でやれ。」
と言って、僕を止めにきた。
すると、そのカップルの男のマッチョが、
「ブーーーーーッ!!!」と、セキュリティの男性に親指を下に突き出しながら非難していた。
少し、気持ちは助かったが、複雑だった。
僕はその男とハグで別れを告げて場所を変えることにした。
その前に、習字の彼にお目にかかっておいた。
彼もいい感じだ。
あとでまた会う約束をして、僕は路地を探した。
結構入れてくれるもんだ、みんな基本的に1ドルずつ
ときは夕方になって、習字の彼が僕の方へ来てくれた。
二人とも1800円ほど稼いでいたので、これなら飯くってもいいだろうと言うことで、僕が歌っている場所の向かい側にあるサブウェイに入った。
シュッとした黒人のにーちゃんが、注文を聞いてくれる。
頼み方がよくわからないのでとりあえず安いやつを頼もうと思ったが、大きさを聞かれて僕は大きい方を選んだ。
バゲットが出てくる。
でかい。
そいつにサラミやチーズ、野菜を各種挟んでくれて、最後にソースをかける。
どでかいサブウェイのサンドイッチが完成した。
習字の彼も同じものを頼み、最後に彼がシュッとした黒人にチップを渡したのを見て、あ、と思い僕も渡した。
いい笑顔でシュッとした黒人が
「ありがとう😊ジュース飲みなよ。」
と、ジュース用のカップを二人に渡してくれた。
その笑顔と、手際の良さと、バンダナを巻いて帽子をかぶってる点も、シュッとしていた。
二人でサブウェイのどでかいサンドウィッチを食し、コーラをこれでもかと言うくらい飲んで、店を出た。
彼はもう帰るというので、別れを告げた。
さて、僕はというとまだ粘っちゃうんだな。
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