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失礼だなぁ〜

深夜、コンビニや量販店の駐車場で車を停めて、長時間車内にいると、結構高い確率で警察に職務質問をされる。


地方の車社会では、友人や恋人と車の中でミッドナイトトークに花を咲かせていると、時間を忘れてしまうのだ。


都会だと24時間営業のファミレス等が沢山あるが、田舎だと夜にグダグダする場所が少ないから、車中がお手軽でお得なのだ。


その日は、仕事のことで悩んでいるという友人と車中で語り合っていた。


缶コーヒーを片手に。


正直、悩みの内容自体は大したものではなかったりする。


上司がどうとか、給料が安いとか言っていたが、話を聞いてもらいたいんだろうなと察して、ひたすら聞き役に徹していた。


すると、『コンコン』と、ガラスをノックされて、ビックリ!


「こんばんわ〜。こんなところで何してるのかな〜?」

こういう時はまず、若いお巡りさんが、ジャブを打ってくる。


何もしていませんよ。仲間同士、仲良く語り合ってるだけですよ?


「え?『何もしてない』って、何もしてないならなんで長時間こんなところにいるのかな〜?2時間近くここにいらっしゃいますよね?」


おっと、そういう捉え方をされるとは意外ですね。『何もしてない』というのは、『会話程度しかしていません』くらいの意味合いで言ったつもりですが?


「『何もしてない』人は、わざわざ『何もしていない』なんて言いますかね〜?『お父さん』、ちょっと、どんなお話しをしていたのか聞かせてくれますか?そちらの『お兄さん』も車から降りてもらえませんか?」


パトロール中に目星を付け、長時間停車している車をマークしているのだろう。


それにしても、いちいちこちらの言うことの上げ足をとりやがってヽ(`Д´)ノプンプン


それに、俺のことは『お父さん』、連れのことを『お兄さん』って言いやがった

(●`ε´●)

当時、私28才、連れ、27才。


見かけで呼び方変えんなやー(´Д⊂ヽ


私は若いお巡りさんと。

連れは50代くらいのベテランさんが相手。


少し距離をとって、根堀り葉掘り聞いてくる。


私、スーツ姿、連れ、作業着姿(工場勤務)


靴のサイズやら、靴底の模様を見せろとか言ってくる。

そんなもの見てどうするのか聞くと、『もしどこかで事件があって、その現場に残された足跡とお父さんの靴底やサイズがマッチした時は、またお父さんからお話しを聞きたいと思いまして。』


こんにゃろ!失礼な奴だ!


靴底を見せたくないと言うと、隠すってことは何か後ろめたいことがあるんじゃないかと言ってくる。


仕事を聞かれたが、答えたくなかったので拒否。


「なぜ隠すんですか?別にいいじゃないですか。言えないようなお仕事なんですか?」


いいや、言えないんじゃなくて、ただ言いたくないだけです。任意でしょう?


「免許証を見せて下さい」


ハイどうぞ。運転席に座っていたのだから、運転免許証は出さないとね。


「免許証は見せられるのに、なんで仕事は言えないんですか?」


だーかーらー、言えないんじゃなくて、言いたくないという意思表示です。

強要するおつもりですか?


『まあまあお父さん、そんなにカッカしないで〜』

雲行きを怪しんでベテランがこちらにすっ飛んで来た。


いえ、私は至って冷静にこちらの意思をお伝えしているだけで、なんだかカッカしているのはお若いお巡りさんのほうですが?


『お連れさんに聞いても、あなたのお仕事についてはお話ししてくれないんですよ。見たところ会社の同僚ってわけでもなさそうですし。年齢も少し離れているようにお見受けします。一体どういった関係でいらっしゃるんですか?』


だーかーらー、友人同士で仕事の悩み相談を語り合っていただけですよ☆


年齢も、1才しか変わらないよ。身分証ちゃんと見てよ。


「え?私とあんまり変わらない?え???え???」


若いお巡りさん、あなたがシンプルに混乱しているその様子が、私の心をグリグリ抉っていますよ

(´Д⊂グスン


『ええっと、お父さんじゃなくてお兄さんってお呼びしたほうが良さそうですね。失礼しました。コイツ、まだまだ若くて礼儀がなってなくて、不快な思いをさせてしまったようですね。私の顔に免じて勘弁してやって下さい。』


深々と頭を下げるベテランさん。


こういうの、お上手ですね。


若造をぶつけてちょっと感情的な空気を引き出しつつ、年配者が場を収めて和ませ、油断を誘う。


ニコニコしながらベテランさんがちゃんと刺してくる。


『お兄さんのお仕事、個人的にとても気になります。随分落ち着いていらっしゃるので、どんなお仕事をしていたらそんな貫禄がつくのか、もし良ければ私に教えて頂けないでしょうか。』


しょうがないなぁ。じゃあ、職種だけでいいなら教えましょうか。


『ええ、社名までは結構です。』


金融業です


一気に険しい顔になる二人の警官。


『ちょっとごめんなさいね〜。もう一度お友達のほうにお話し聞かせてもらいますね〜』


連れの話だと、それから20分くらい、何度も同じようなことを聞かれたとのこと。


『お金が返済できなくて車中で厳しい取り立てをされていたんじゃないんですか?怖がらないで大丈夫ですから、本当のことを話して下さい。』


今となっては、いい思い出です(苦笑)


若気の至りといいますか、若いお巡りさんがあまりにも横柄な態度だったので、ちょっとからかってしまいました。


日頃から、このような地道な場当たり捜査で情報を蓄積しながら、市民の安全を守って頂いている。


警察の皆様の尊いお仕事に心より感謝申し上げ、今日のnoteを終わります。


m(_ _)m

m(_ _)m

m(_ _)m

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