見出し画像

コントラバスパートより「あと10日!」

こんにちは。北大オケコントラバスパートです!

コントラバスは弦楽器の中で最も大きく、低い音の出る楽器です。あまりの低さに、楽譜はなんと1オクターブ上げて書かれています…😲
楽器がどう音を鳴らしているかは、バイオリンパートが紹介してくれています。同じ弦楽器とはいえ、スケールが全く違うので、弦の太さ、駒の大きさ、魂柱の太さ…何をとっても他のパートに驚かれます。

ずらり

コントラバスパートって…

私たちコントラバスパートは、オーケストラ全体を支える役割を担います。根音(和音のなかの基礎)をひたすら弾いたり、ピッチカートでアクセントを加えたり、時たまメロディも!
(コントラバスの音だ!)と感じることは少ないかもしれませんが、抜けると一気にオケの響きが薄くなる、そんな重要なパートです。支えるだけでなく、地面の底から大きく動かしていくような、そんな力も持っています。
10人ほどのパート員で活動し、ほとんどが複数曲を演奏しています。コントラバスが大好きな人が集まっています。みんな個人練習に熱心でパート練習中も意見が飛び交うなど向上心が高いのです。頼もしいパートです。

卒業演奏会でコントラバスアンサンブル!

各曲トップに曲を紹介してもらいます!(文章の長さは愛と楽器のデカさです)

曲の見どころ

ベルリオーズ / 大序曲「リア王」
リア王むずかしいけど超楽しいです。
一番最初はチェロとゴリゴリひきます。ブリテンの王様のリア王っぽくひきます。楽しい。
ピチカートはリア王の末娘コーディリアちゃんの周りのそよ風な感じです。やさしい気持ちでポンポンします。
テンポがはやくなると、長女次女に裏切られて荒野をさまよう、しんどいリア王になってきます。ガシガシひきます。
最後の方は長女次女とのバトルで大好きなコーディリアが死んじゃって最高にしんどいリア王です。コントラバスも音高くて速いので、そのしんどさちょっとわかります。大変だよね。
色々考えながらひいてますが、たぶんいちばんはこの曲超楽しい!です。私たちの超楽しい!!が伝わればいいなと思います。

川越守 / 綺想曲第2番
川越先生は戦後の北大オケを立て直した方で、当団の永久名誉指揮者です。ご存命の間は、定期演奏会の度に新曲を書きおろしてくださっていました。亡くなられてからは、演奏委員会が過去の定期演奏会の録音から曲を探して、浄書してもらい、演奏しています。
綺想曲第2番は、普段演奏するクラシック音楽とはまた違った明るいテンポ感をもっています。私たちコントラバスは、”ズンチャッチャズンチャッチャズンチャ”というリズムの”ズン”の部分を、弓だったりピッチカートだったりで楽しく弾いています。実は……メロディもあります!!!
みなさんもアップテンポのところで一緒にゆらゆらするような、趣のあるところでしんみりするような、そんな気軽さで楽しんでいただけたら嬉しいです!

ファリャ / バレエ音楽「三角帽子」より第1・第2組曲
コントラバスに限らず、低音楽器といえば「伸ばしと刻みばかりやってる」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。しかしこの曲にはそういった要素がほとんどありません。ではコントラバスは何をしているのか?というと、ひたすらピチカート!たまーにゴリゴリのアルコ!です。コントラバスのピチカートは他の弦楽器からは考えられないほど表情豊かで、とにかくよく響きます。この曲は全体を通して拍子が目まぐるしく変化するので、それに伴ってピチカートの表現も変化してゆきます。はじく位置を変えたり、はじく指を変えたり、向きを変えたり……本番では是非その点に注目してお聴きいただければと思います。

ラフマニノフ / 交響曲第2番
1万字あっても語りつくせないし、奥深すぎて理解しつくせていません。観客のみなさまにはもちろん、コントラバスパートにとっても、とてつもなく魅力的な曲です。
第1楽章は、コントラバスとチェロから始まります。陰鬱で、でも一歩ずつ踏み出すような、開幕です。低音をよく響かせてf(フォルテ)のオーケストラを支えたり、ピリッとメリハリになるような裏拍を入れたり、表情豊かに奏でます。1楽章の最後、ティンパニとチェロとコントラバスで1音鳴らします!注目です。
第2楽章は、メリハリの楽章です。一音一音のメリハリも、速い部分と緩やかな部分のフレーズのメリハリも、どちらも大切で、常にオケ全体の動きを追って演奏しています。好きポイントがいくつもあるのですが、楽譜から画像を引用しだすとポケットスコアの解説<コントラバススペシャル>になってしまうので、やめておきます。素早い動きに、腕いっぱいのこだわりを、しっかりと一音一音奏でられるよう、頑張っています。
第3楽章は、情感たっぷりに低音を響かせます。フレーズが非常に長く、いかに頂点までもっていけるか、そして頂点で奥深さをどう表現できるか、考えながら練習してきました。なんだかんだ言いますが、やはりコントラバスの真髄は低音を伸ばしているときだと思っていて、私たちの縁の下の力持ちレベルに注目です👀ピッチカートも注目どころです。
第4楽章は、この曲の集大成。ひたすら前進し続けます。速いテンポでも、緩やかなテンポでも、進んでいく力を失わないよう、会場全体を鳴らせるといいな……鳴らせるのが楽しみです。1-3楽章の主題を交えつつ最高潮を迎えます。演奏会の最高のクライマックスを皆さんに感じていただけるよう、頑張ります。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。
各曲トップ以外の奏者も、ひとりひとりがこだわりを持ちながら練習を重ねてきました。その姿を見ていたら、(最高の演奏会になるほかないな~!)と思うのです。
ぜひ聞きに来てください!会場でお待ちしております。

すき間で練習

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?