秤の重さを決める基準

・致命的であるかどうか(Fatality)
・響くかどうか(Resonate)

例えば、イスラム教では盗みが重い罪とされており、それはなぜかと言いますとイスラム教の開祖である預言者ムハンマドが行商を生業としていて、自宅から1000キロメートル先の場所であっても仕事で行っていて、山賊などに襲撃されることもあり、商材を盗まれたりするというのは商材が医薬品であった場合、死活的な問題に直面していました。また、飲酒も罪が重くイスラム教の発祥である現在のアラビア半島の周囲は赤道に近い砂漠地帯であったため、飲酒をすると容易に脱水状態になり酩酊して次の朝に体が重く起きられなくなります。

キリスト教ではキリスト教の起源がユダヤ教のナザレ派という派閥であり、新しい信者に対して敷居を下げるかどうかで他のパリサイ派、サドカイ派と対立して内部供給に信者の人数を頼るようになりました。またキリスト教では原則婚前交渉、避妊を禁止していて姦淫は懐妊することに直接つながっていました。現代では「合意のない性行為」が罪であるかどうかはこの懐妊や肉体的な外傷、不可逆的な機能の制限が起きたかどうかで判定されています。

仏教では尊属する存在に損害や危害を与えたものが最も厳しい責め苦にさいなまれるとされていて、その上に尊属する存在の女性に損害や危害を加えたものが責め苦を与えられる地獄が存在していまして、仏教では推定になりますが模範というものを毀損することが重い罪になるのでしょう。現代で解釈をするなら、「人々に夢を与えるものが夢を壊してはならない(世の中の模範になるものは模範的でなくてはいけない)」

しかしながら一方で現代の価値観からはいわゆる「毒親」や朝鮮半島にかつて存在していた階級である「両班」はどうなんだ？という意見もあります。また、「仏教の言う悪人はいいのか？」という意見もあります。

追加しますと仏教の地獄の中には「世の中には一定不変のものや変わらないものが存在する」と説いたものが落ちる地獄もあり、それは一神教の信徒にとって理解しがたいものであるという意見もあります。

ユダヤ教ですと、かつて日本でユダヤ教の聖典である「タルムード」を日本語に訳そうとした人が命を奪われる事件が起きました。それを考慮しますとユダヤ教では「機密漏洩」が重い罪になるのかもしれません。

現代では宗教とも形容されるような強い力を持つ「環境保護」というのがありますが、これは「環境破壊」が重い罪になるのでしょう。しかしながら、立場の弱い人達が環境保護を御旗に搾取されて、それをなくすために環境を変えようとして「環境を破壊した」と判定されたらそれはいかがなものでしょうか。

過去の日本では家父長や家制度という武家由来の制度があり、そこにいる人達は性別問わず、入籍するまでは清潔な体でいなければならないという時代がありました。それは自由恋愛が認められるようになった1980年代頃まで価値観として残り、1960年代から1970年代にヒッピー・カルチャーでフリー・セックスがあったとしても、ヒッピー・カルチャーというのは大学という当時裕福な子弟のためのものであり、大学には行かなかった市井の人々の間には存在しない文化でした。

また、1980年代はVHSビデオテープが普及するようになった時期で同時に日活ロマンポルノという名前で映画館にしかなかった性描写のある映像作品がアダルトビデオという名前で販売されるようになり、付き合った人数などを話したり、遊んだ人数などを競ったりすることが普及していきました。だからその分だけ、未成年や児童を保護しなければいけないということで未成年が出演する映像作品の規制も強くなっていきました。

また、2010年代からは架空・実在を問わず、「被写体」の権利を保護するという機運も高くなっています。反面、被写体の所属する学校などの組織における被写体の順番や序列に対して被写体から言及するというのは被写体から合意を得ているのか？という指摘もあります。他にも被写体の架空の方は絵画である場合、絵画を書いた人の分身が絵画であり、絵画に言及する内容は絵画を書いた人に決定する権限があるのではないか？という意見もあります。

そうなりますと将来的には2010年前後にイラストコミュニケーションサイトに存在していたようなファッションモデルやファッションスナップのような被写体が映ったり描かれたりしたものが主流になると思います。反面、華やかな世界を描く傾向が強くなりますので、若年層への影響のために社会性や社会規範に反した内容は制限されていくと思います。

例えば、肌を見せる面積の割合に数値で「全身の60%以上(頭部20%、胴体40%、腕20%、脚20%)の肌を露出した作品は禁止とします」というような文言という形式です。

シナリオの展開も「華麗な世界での華麗な逆転劇」が多くなるという予想があります。