現場にこそデザインが求められる

デザインが求められる場所

先日、妻がデザイン思考を行う大学院を卒業した。
その際に、妻のグループが実施した研究や他のグループの研究を聞いた。

そこで、思ったことがある。
デザインは、現場 でこそ必要である。

自分はデザインに関しては素人だが、素人目線で見たデザインの必要性を記載してみる。

日々やっていることがデザイン

私が普段、会社で感じている課題の多くと、発表には近い部分がたくさんあった。

例えば、発表の中には、オンラインの場で人と人とのつながりをつくるためにはどうしたら良いか、というような発表などがあった。

これは自分の所属している会社での話に共通するところがある。リモートワークが開始して以降、会社の中で「雑談」が極端に少なくなったように思う。一見無駄に思える「雑談」は、実は重要な役割があると私は考えている。

仕事を実際に行うメンバー以外との交流、人間関係の構築、業務に直接関係はしないが関連する知識についての話題共有、お互いの仕事の状況の理解など「雑談」は大切な役割があった。

しかし、リモートワーク中心の世の中になり、これらが少なくなった。それによって、仕事を一緒にする人という以上の仲間という関係を作りづらい、維持しづらい状況となったと思う。

このような「事柄」に対して、どのように立ち向かっていけば良いのか、それを実施する工程というのはまさしく「デザイン」であるように思えたのだ。

私の会社に限らず、現場では様々な課題が山積している。また、新しく何かを起こさなければいけない、という事態も多くある。

これらのことに対して、何をどのように作っていけば良いか、対策していけば良いかというオペレーションを実施していくことはまさに「デザイン」であると思う。

良いデザインは少ない

仮に、そのようなことが「デザイン」であるとするならば、残念ながら現場で良い「デザイン」にはなかなか巡り合えないのが現状だと思う。

物事をきちんと観察し、それをもとに目的の状態にもっていくには、どのような施策を打てば良いのか考える。そして、施策を実施することで、関係する人達がどのようになるのか細部まで考えられていると「良いデザイン」になりやすいのではないかと思う。

逆に言えば、そこまでどうなるかを良く考え切れていない施策が多いのではないだろうか。単純に「タスク」を課すだけでは「良いデザイン」にはなりづらいのだと思う。

あくまで「目的の状態」に向かうための方法として、施策を行うのである。

もう一つの大切な要素

ただし、実際には「やってみなければわからない」部分もたくさんあるはずだ。だから、目的に対して、何が良くて何がダメだったのか検証する必要がある。この検証を行えるようにしておくことが重要である。

最も難しい点

そのように考えた時、どのような「施策」をするのかを思いつくのは非常に難しいことなのではないかと思う。

観察から見えていることがあったとしても、それを解決するための「何か」を思いつくことは非常に難しい。

良くあるのは「他で行われたこと」を流用することである。それで上手くいくならば良いが、なかなか難しいことも多いだろう。

自分の経験・アイディア出しを一緒にする人の経験を遡って考えると、もしかしたら良いアイディアが生まれてくるかもしれない。自分達だからこその「何か」が。

だから、出来るだけ多くのアイディアを出し、その中の最善、あるいは、組み合わせでより良いものがないか探す。

これと、前述した検証を組み合わせることで「良いデザイン」は出来上がっていくのだろう。

このようなことができる人、というのは現場では限られている。だから、現場には「良いデザイン」が少なく、そして、だからこそ、現場で「良いデザイン」が求められ、「良いデザイン」ができる人を増やすことが必要だと考う。




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