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ユージュアル・サスペクツが悪い | 15分で考える音楽以前のこと(19)

「この映画の結末は、誰にも予想できない」系の映画を見た。ドチャクソにマス寄りの映画ではなく、ミニシアターで上映していたドイツ映画だったので、Netflixにあがっていてラッキ〜〜〜と思いながら見たのだけど、結末はハチャメチャに期待したほどではなかった。これはぜんぶ「ユージュアル・サスペクツ」が悪いなと思う。後半すっごくよかったんだけど、一番最後で「ユージュアル・サスペクツ」ほどブチ上がらなかったんだよね〜。「ユージュアル・サスペクツ」が悪いよ。すごすぎるから。

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件のドイツ映画では、なぜか回想とかサイバー空間でだけ英語を喋りだすん。昔はそんなんおかしいと思ってたけど、以前誰かに「映画の視点は誰かの主観だから、いきなりBGMが鳴るのもおかしくないし、フランス人が下手な英語を喋るのもおかしくないんだよ」と教わったことがある。それを実感したのが「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡」だったな。いきなり鳴り出すフリージャズドラム。それが主人公の心のざわつきとリンクしていた。


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映画とは主観を描くものだから、ということに、自分の創作も少し救われているところがある。こんなにすごいモチーフは、自分が携わらないほうがむしろ触れないほうが美しい、と思ってしまう完璧主義なので、「結局は主観だぜ」ということを芸術の一大ジャンルである映画が言い切ってくれることはありがたい。主観ラブだ。

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