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【目指せ中級ハンター!②】


消えない死体を作るために

前回の記事で書いた通り、ハンターの撃った動物は良く消えます。
藪が深くて見つからないパターンと半矢で逃げられているパターンがあるということも説明しました。
今回は前者のパターンを作らないための工夫をお話ししましょう。

倒れているところを見ているんでしょ?

狩猟をしたことのない人にとっては凄くシンプルな疑問かと思うのですが、「背の高い藪の中で倒れたら見つからない、とはいえ倒れたところよく見て、そこに行けば良いだけでしょ。」
と思いませんか?
しかし実際はそんな単純ではありません。
どんなに近くても鹿を撃つ距離は数十メートルありまして、撃つ瞬間はスコープの中の拡大された鹿を見ています。
そして初心者が持っているショットガンというのは反動がとっても大きいので、撃った瞬間視野から一瞬鹿は消えます。
その時間は本当に一瞬ですが、鹿を見失うには十分な時間です。
「大体この辺」と分かっていても、藪をかき分け数十メートル歩いているうちにどこに倒れているか分からなくなります。


また、撃った後、鹿が絶命するまでに何十メートルか走って倒れた場合、さらに場所の特定が難しくなります。

撃つ前に準備をする!

この困難に対して山立てという技術に近い技を使います。実際の山立てとは全然違うものですが、まぁ似ています。
手順はこうです
⓪鹿を見つけて構える。
撃つ前に今いる場所に蛍光テープ等でマーキングする。
撃つ前に鹿の背後にある構造物(樹や特徴的な地形)を確認しよく覚えておく。
③撃つ→着弾地点で鹿が倒れる(A)or走ったのち着弾地点から離れた場所で倒れる(B)
④ーAその場で倒れたなら覚えている鹿の背後の構造物に全力ダッシュ。見つからなければすぐに構造物にマーキング。
④ーB鹿が走ってしまったなら、その場から動かず鹿が倒れる場所を良く見て、その場所の背後の構造物を覚えてそこに向かって全力ダッシュ。見つからなかった場合は、ダッシュした先の構造物にすぐ蛍光テープでマーキング。そして撃つ前に覚えた鹿背後の構造物にもすぐ戻ってマーキング。

これをすると、最難のパターンでも以下のようなオレンジ3点にマーキングが出来ます。


④ーAのパターンの場合、絶対見つかるでしょ!と思うかもしれないが、それでも見つからないことがあります。そして、見つからないとき、下を向いてぐるぐる探し回ると、すぐに着弾点や射撃点を見失います。
そのため、射撃点は必ず明確にマーキングしておき、また着弾点の背後の構造物にも忘れないうちにマーキングを施すのです。
あとはその二点をつないだ直線上とその周辺をゆっくり捜索すれば見つかります。

④ーBの場合はなかなか捜索が難しいですが、きちんと3点にマーキングしていればどこかで見つかります。何故倒れた点だけでなく、着弾点にもマーキングするかというと、最悪の場合血痕を追跡することになるからです。
倒れた場所に向かっても、意外と見つからないことはあります。そういうとき、倒れたと思った場所が実は間違っている可能性があります。その場合は着弾点に戻って、そこから血痕を追うという手段を残しておかないとお手上げです。着弾点が唯一の確実な情報です。
雪が降ってない時期に血痕を見つけるのは至難の業ですが、着弾点さえ分かっていれば血痕の捜索にも役に立つのです。

藪の中に消えていった場合

割とよくある大変なパターンが、撃った後走って藪の中に消えて行き、どこかで倒れている場合です。


その場合犬を使うのが最も効率が良いのですが、それが出来ないならとにかく消えて行った藪の入り口に向かって猛ダッシュして下さい。
着弾点へのマーキングもこの場合不要です。
なぜならそこに残った血痕を追うのが最後の手段だからです。
また、あわよくば藪の中でもがく鹿や、藪の中を逃げてゆく鹿の後ろ姿を視認できるかも知れません。



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