見出し画像

食費をなくす⑧そしてナイフを持って立ってた

食費をなくすにも、金がいる。

これは大きな問題だ。たとえば、くくり罠を使う狩猟に関することで言うと、たとえ「くくり罠を自作する」とはいえ、その材料となる、塩ビパイプやワイヤー、スプリング、Oリングばね、シャックル、ダブルスリーブなどの部品類までは自作することは不可能で、ホームセンターや専門店でお金を払って買うほかにない。

「いやいや、お金使いたないんやろ?ほな知り合いの職人さんとか紹介してもらうとかして、教えてもらいながら塩ビパイプから作ったらええちゃうん?おん?そうなんちゃうん?おん?」って言う人もあるかもしれないけど、そんなことして職人さんにお願いしてたら、職人さんの時間を自分のために拘束しなければならず、その有難さと申し訳なさから必ず謝礼というものをする必要があり、「現金だとちょっとやらしいから」っつったりなんかして、銘菓や珍味をお取り寄せしたり大阪や京都の百貨店にならんで購入したりしてると、結局はホームセンターで塩ビパイプ買うたほうが時間もお金も最小限に済ませられるんである。だいたい塩ビパイプを作ってる職人さんって、そんな人いるんだろうか。知らない。調べてもない。なんとなくで書いた。わからないって、不安だ。

話を戻して、食費をなくすための準備にどうしてもお金がかかってしまうこと、これを「投資」といえばもっともな感じにはなるけど、悩みの種になったりもする。

3回目の狩猟期間に向けても、さまざまな投資、いや、出費が必要になる。

今期最大の目標は、自宅で解体すること。狩猟期間中だけ自宅の車庫を開放し、ここで鹿や猪の解体、つまり、止め刺し、腹出し(内臓処理)、皮むき、枝肉ばらし、精肉までをやりたい。

そのために何がいるかというと、まずは止め刺ししたときの血を流すための下水処理がいる。車庫に溝をつくり、下水の管とつなげるわけですが、なんぼかかんねやろ?ってことで、後日打ち合わせをしてもらうよう段取りを済ませた。が、いうたかて10万円はいるんちゃうかと。そう思うと白目をむいて矛盾脱衣しそうになってしまう。

次に必要なのが、止め刺した獲物の腹出し(内蔵処理)をするための解体台。獲物を仰向けに寝かせ、かつ、胴体がぐらぐらしないよう獲物を乗せる座面が中央に向かってくぼませてある台である。これはいろんな形のものがあるので、できるだけ簡易にしたいと思案中だけど、玉切り台をもう一つ作って、左右から中央への傾斜に沿わせてトタンかウレタンコートのコンパネを設置しようかと考えている。なんとか玉切り台部分の木材は、廃材を集めたい。が、トタンやウレタンコートのコンパネは地味に高かったりする。

腹出し用の、こういう台

腹出し(内臓処理)が終わると、獲物を一晩吊るしたい。それには吊るすためのチェーンがいる。これはウィンチの原理を駆使するということだけれども、リモコン付きのウィンチは高くて買えないような気がしていて、というか、まだいまいち仕組みがわかっておらず、なんとなくなんだけど、シンプルにチェーンだってちょっと頑丈なものだとメートル1,000円くらいする。わからないって、不安だ。

あと細かいところでいうと、ステンレスのシンクとか台とかもきっと欲しくなるだろうな。止め刺し用の槍も新調したくなるだろうな。罠の穴を掘るイカ型片手鍬も折れた。買い替えないと。そういえば熊よけベルを山でなくした。買わないと。狩猟に着る服、上も下もけっこう派手にやぶれたし、どないしよう。と、もう言い出せばキリがないほど入費がかかる。

そうはいっても。できるだけお金を使いたくないのに、お金を使わざるを得なくなっているのは、結局のところ生活力が低いということだと思う。生活力というより、もはや生命力とか生存力と言ったほうがいいかもしれない。食費をなくす、というのは、生存力を高める、という意味に近いと僕は考えている。

働きたくないわけじゃない。お金を毛嫌いしてるわけでもない。社会から離脱したいわけでもない。むしろコミュニティを求めている。ただこの〜ままじゃ いけないってことに気づいた〜だけさ〜、という話。

そしてナイフを持って立ってた。

ナイフを持って立ってた。

ナイフを持って立ってた。

狩猟ナイフを持って立ってる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?