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人事が制度というものを作る時

Hundreds Colorsです。
キーワードは「制度を作る時は、企画者が先に信じきろう」です。

以前から企業での働き方という文脈ではよくある話。
言い方は様々あるが、テレワーク、在宅勤務、ながら勤務 などなど。

人事が制度を作る時によくある話。

基本的に、人事制度は性善説で考えた方が良いと思っている。
その理由は単純だ。
新しい制度を作る時、これ以上「新たな疲れ」を生み出してはならないからだ。
頭ではわかるが、制度を企画して運用しようとすると、性善説と性悪説というジレンマが出てくる。

今回はテレワークを具体的な話題にして考えてみた。

 テレワークの実験を始めた時の感覚

テレワークを導入するとき、または試行するとき、人事部門や管理部門はどういう立場で議論をするだろうか?

私もこの制度ができる時、何度か自分でも実験した。

自分で実験に参加したからこそ、このジレンマは自分事になる。

「制度は性善説で考えるべきだろうか?それとも性悪説だろうか?」

テレワークを制度にしようと思ったら、参考になるデータがある。
仮に制度を企画するときの会議の場ではこれをどう捉えるか?

期待される前向きな効果に焦点を当てるべきか、
それとも、
後ろ向きな発生して欲しくないような逆効果に焦点を当てるべきか?

ICTを利活用している企業の方が、利活用していない企業よりも、いずれも一社当たりの労働生産性が高い。
・テレワーク: 未導入企業の 1.6 倍。
・ICT教育: 未実施企業の 1.3 倍。
・クラウドサービス: 未利用企業の 1.3 倍。
・無線システム・ツール: 未導入企業の 1.2 倍。
総務省の平成29年資料から抜粋

やっぱり性善説で考える!

組織の特性にもよると思うが、新しいことを始める時、性善説で始めた方が、後々の結果は良いように展開すると思っている。
なぜならば、もしテレワークがうまくいかなくても性善説で始めていればそのあとに導入するかも知れない新しい取り組みに前向きに取り組んでもらえるからだ。

私は組織開発の役割として、新しい制度作りに関わった時に、気にかけていることがある。

「誰でもルールが少ない方がいいから、初めから最後まで性善説で考える」

仮に性悪説でものごとを考えてルールを作っても、運用する時に高い確率で忘れされれてしまうのが現実ではないだろうか?
使われることのないルールは、存在しないことと同じことだ。
よくある話として、万が一の可能性について時間をかけて想定してルールを作ったが、機能しないということになるのだ。

性善説は文字にすると、当たり前すぎるほどの常識である。
私の信念の1つとして「任せる&一緒にやる」ということをうまく機能させたいときは、「自分から相手を信じ切る」ようにしている。

繰り返すが、そんなことは言われなくても、頭ではわかりきっているというのも現実だ。

ところが、現実では、相手の価値観と自分のそれがどの程度すりあっているかがわからないからこそ、自分が思っていない現象を見ると、ついつい「それはねー・・」と口を挟みたくなる。

そこを、ぐっと我慢してみる。
ぐぐぐーっと堪えるのだ。

人事が人で勝つ組織を作るようになるために、先にこちらから相手を信じきることによって、肩の力を抜いて仕事を進めたいものだ。

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