2019年、気持ちを救われたマンガ3選

この記事はアルの「アルベントカレンダー」14日目です。
マンガのコマを使ってnoteを書きます。
(なお、note内のすべてのコマは出版社様・著作者様からの許可をいただいた上、Webサービス「アル」内で投稿されたものになります。詳しくはこちら)

個人的な話だけど、2019年はすごく色々あった1年だった。
2016年4月から一応社会に出てはいたものの、何も社会のことなんてわかってなかったなって気が付かされた一年だった。(今でもよくわかってない。)

色々大変な時に、気持ちを救ってくれたのはマンガだった。なので、特に良かったシーンをまとめておこうと思う。
気持ちがしんどくなったらいつでも見返せるようにしておく。

会社のアルベントカレンダーで、こんな個人的なまとめを作っていいのかわからないけど、まあ、いいじゃないですか。

青のフラッグ

あらすじ
すごく「デキる」幼馴染みの桃真がちょっと苦手な太一。その桃真に思いを寄せる二葉から相談を受けた太一は、その想いが成就するように手助けすることに決めるのだが…
人を好きになることに罪は無い。ただその形はいつも複雑で心を惑わせるだけ。青春のまっただ中にいる登場人物達の複雑な恋の姿はじれったくもあり切なくもあります
人生は巻き戻せない、青春はやり直せない。高校3年だったころの1年間は、永遠に続くと思ってた。時折そんなあの頃を思い出すあなたへ、やがてやってくるその時に思いを馳せるあなたに、この作品を贈ります

青のフラッグ。全員やさしい、誰も悪くないのに、複雑で惑わされてしまう。そんな作品。

魅力的な登場人物が非常に多い作品だが、なかでも自分が好きな1シーンは、主人公と仁井村というキャラクターが話しているこのシーン。

↑カチューシャをして絆創膏してる方が仁井村。話し相手は主人公。

オレの行動も言葉もオレがどんな奴かってのも結局
一ノ瀬くんの観察力と創造力と捉え方次第じゃん?

その人がどんな人か、それを決めるのは人の捉え方次第なんだ。裏を返せば、見る人が変われば自分自身も変わるのではないか。そんな風に思えることができて、少し気持ちが楽になった。

昔から、「人間の裏表」とか「本当の自分」とか、そういう概念を信じておらず、「自分の目線から見えるその人」があるだけ、と思っていたので、尚更、仁井村くんのセリフはしっくりきた。

人間性には絶対的な真実なんてなくて、観察力と想像力と捉え方次第で、他人が定義する。そのはずなのに、「君は〇〇な人だ」「本当の君は○○な人間なんだ」と言ってくる人にたくさん会ってきたし、自分も同じことを言ってしまいそうになる。

人が人を定義する時には自分の主観による部分が大きい。そのことに自覚的にな人になりたいし、自覚的な人と関わっていきたい。

このあたりの思想は平野啓一郎さんの「私とは何か 「個人」から「分人」へ」という本とかなり近い気がしているので、これも良かった。

スナックバス江

あらすじ
北海道最大の繁華街すすきの――から5駅離れた北24条。この町の「スナックバス江」は、バス江ママと、チーママの明美さんの楽しいお店。彼女たちと珍妙な常連&一見さんが織りなす笑いで、あなたもきっと、いつしか笑顔。

青のフラッグと打って変わって、スナックバス江に救われた理由はすごく単純。とにかくめちゃくちゃ面白い。

ストーリーはとにかく場末のスナックでママと常連客が酒を話しているだけなんだけど、こういうのが疲れているときに読むには最高なんですよ!

中でも好きなキャラが森田だ。

このインターネットで見かける嫌な感じの人が森田だ。
森田が出てくる回は100%面白い。森田だけの回をまとめた単行本が欲しいと常々思っている。

森田のいいところはたくさんあるが、最大の魅力はそのポジティブさ。

減点法でママに評価してもらって、顔で30点減点されてもノーダメージ。この心の強さはすごすぎる。(そして絶対笑ってしまう)

どんなに仕事で疲れていたり、私生活で嫌なことがあったとしても、森田のことを思い出すとつい笑ってしまう。そんなマンガの存在がなんとありがたいことか。

心に常に森田を持つこと、それが現代を生きるコツなのかもしれない。(でも森田は性格も終わっているのであまりお勧めしない。)

アスペル・カノジョ

あらすじ
新聞配達で生計を立てている売れない同人作家・横井の家へ、鳥取から突然やってきたのは「ファンだ」という少女・斉藤さん。彼女は見ているもの・感じている事・考えやこだわりが、他の人と違っていて……。これはそんな「生きづらい」ふたりが一緒に暮らして、居場所を探す、日々の記録。

スナックバス江との落差がすごい。
どうしても、社会の中で「生きづらい」ふたりの生活を描いたこの作品。

安易に共感してはいけない感覚だと思いつつ、どうしても「生きづらさ」を感じてしまう時がある。

こういったセリフに、どうしても共感してしまう自分がいる。

それでも、この作品を読んで救われると思ったのは主人公の横井だ。とても好きなセリフが二つある。

一つ目はこちら。

痛みもわからずに饒舌な人間を見ると、心底ああでなくて良かったって思う

自分自身が饒舌に話すのが得意なタイプではなく、色々詰められたりすることも多かったため、もやもやした感情を堂々と言い切ってくれたようで、勝手に嬉しくなってしまった。

もう一つがこちら。

だって俺は俺のことしか知らないもん

たまにTwitter等で見る主語が大きい意見が苦手だ。
「男は~」「女は~」「20代は~」「日本人は~」
そういった言葉を直接自分に向けられることもあった。

でも、自分は自分のことしか知らない。同じ人間なんていない。
そういう意識を持てる人が近くにいると、すごく気持ちが楽になる。

余談だけど、ヒロインの斎藤さんかわいい。

さいごに

幸いにして、今は過去最高に楽しい環境にいるため、不安はあまりないけど、ふとしたときに辛くなることもあるんだろうなと思ってる。
でも、そんなときにはマンガを読んで乗り越えていこう。

今がつらい人も、マンガを読んで救われるようなことがあったらいいな。
そのためにも、色んな人にマンガが届くように、マンガ業界を盛り上げられるように、頑張っていこう。そう思いました。

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