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人と土地の記憶の中に、アートポイントを灯す

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2015年5月の記事一覧

楽しむアーティストたち

2015年5月10日

東京都現代美術館に所蔵されるアーティストたち。彼らのモチベーションの在り所を、常設展の短いアーティストトークの映像から拾ってみた。

こんなことしたらオモシロイ、からスタートして、熱気のこもった制作過程そのものを楽しむアーティストたち。だから目の前にある作品は、言わば熱気の残りの半分。

川俣正。カナダトロントの古い石造建築に挟まれたコロニアル・タヴァーン公園に、かつてここ

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千住だじゃれ音楽祭「千住の1010人」―現場はプロジェクトの力で刻々と変化する

2014年10月12日

次の日起きてみると、サッカーの試合の大観衆のざわめきをフィールドからみていたような足立市場のエキサイティングな体感が残っていた。

それぞれが思い思いの楽器や瓦とゴルフボールを抱えてパレードする様や、パートリーダーの力強い踊るような指揮に食らえついて音そのものを楽しんでいる様は、今思うとその楽器のチームを応援しているファンたちの中に紛れ込んだような感触もあった。聴衆は演奏

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小山田徹、沈黙の時間の共有から生まれる

2014年10月11日

港千尋さんは、アートは共感の力であり、人と人の間、人間と世界の間の関係をつくりだすための特別な力である。そして「根なし草」である一方「モノと情報の境がなくなるほどの超結びつき社会」の中でアートは関係性をつくりだす、と語った。この日のゲスト小山田徹さんは、港さんのこの言葉に呼応するように、関係性を連鎖させていく場つくりについて語った。

「焚き火にはすべてがあり優るものがな

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小布施、町中図書館、Open-garten

2014年7月28日

朝9時半に長野県小布施の駅についた。NASCA古谷誠が設計した町立図書館「まちとしょテラソ」と初代館長花井裕一郎氏と古谷氏が構想した「町中(まちじゅう)図書館」を見たいと思った。

まちとしょテラソは、まるで大きな樹木の木陰で子どもたちが本を読んでいるように見える。まわりの風景を取り込み、一辺が内側にくびれた三角形のプランにドーム状の天井をのせ白くて細いいくつかの樹幹でささ

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