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月見酒

スーパームーンの皆既月食の日。

ダンナは出勤し、子供は学校へ行き、久しぶりに朝からひとりになった。

ようやく、夕方まで自分だけのペースで暮らせる日がやって来た。夕食の支度だけ出来ていればいい。

溜まっていた雑事を片付けよう。

ということで、朝っぱらからアルコールを摂取した。

景気づけの一杯! ではない。

酒好きだけれども、さすがに朝から呑んだりしない。

でも、休みの日なら、誰にも咎められることもないんだろうに、どうして呑まないんだろう?

昼間からビールを飲むのは、ひとりで十数人分のキャンプ飯を制作しているときくらい。……正直に言うと、そのときはほぼやけ酒みたいなものだ。

(キャンプについては山ほど語りたいことがあるので、いつか披露しようと思う。多分、ほとんど全部愚痴になるような気がする。ちなみに、一度書きかけたのだが、長くなりすぎて書いてる自分が飽きたので消した)

付け加えておくと、なんでも飲むけれど、ビールは好きではない。

このタイミングを逃さずにやりたかったのは、梅酒の梅を取り出すこと。

梅酒の瓶を見るたびに、「梅が入ってるなー」と思うこと早数年。

この梅酒を漬けてから、多分十年近くが経っている。

一年後に取り出さなかった梅の実を、十年近く経った今取り出すことに意味があるのだろうか?

そして、梅を取り出したら、ついでにしたいことがあった。実は、ついでのほうが先で、梅を取り出すのがあとづけの理由だったりする。

年に数度蓋を開けて、この瓶の梅酒を飲むのだけれど、毎回味に不満がある。もちろん漬けたのは自分である。十年前の私。

……甘味が足りない。あえて甘味の少ないレシピで作ったのは間違いないけど、もの足りない。いい加減、機嫌良く呑みたいので、思い切って砂糖を追加しようと思った。

そのために味見をした。ストレートで。

それが、朝っぱらからの飲酒である。

果実酒瓶の赤い蓋を外した途端に、梅の甘い香りがする。美味しそう。

まず、ずーっと気になっていた梅を取り出す。この瓶の梅はふっくらしている。この前の年に作った梅酒(飲み切ったので、もうない)の梅は、皺々になっていた。……いい感じの梅だから、梅ジャムでも作ろうかな。

さて、本題の梅酒の味見をしよう。

ストレートで少し飲んでみると、かなり美味しい。熟成が進んでいる。素晴らしい。

……割らないでストレートで飲むなら、このままで十分好みの味だ。でも、割らないと度数が強い。

どうしようか……悩みながら、引きあげた梅も食べてみた。少々のえぐみというか苦味があるけど、甘味があって美味しい。美味しいけど、アルコール強い!

だめだ、ちょっとふわふわしてきた。

……ほろ酔いで気分が良くなったのも手伝い、色々どうでも良くなったので、適当に氷砂糖を投入しておいた。甘さ控えめで作ったんだから、少し増やしておけばいいだろう。

今日のお風呂上がりには、梅酒を呑むことに決めた。

スーパームーンの皆既月食を眺めながら呑むのだ。名案だ。

天体ショーは、なかなか楽しかった。スーパームーンだったけれど、思っていたより月は赤くなくて、最大食でも、真っ暗にはならなかった。

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回復後の満月

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なんだかパワーに満ちている。満月だ! と実感する。

月読命のエネルギーでしょうか。

美しいものを見せていただいて、有難いなと思いました。

楽しい月見酒のひとときでした。

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