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晴天

 去年のクリスマスは仕事帰りにファミリーマートでファミチキと赤ワインを買った。ささやかでも、何かクリスマスらしいことをしたかったのだ。クリスマスイブに一緒に働く先輩がその日出勤のメンバーにドーナツを配ってくれたことも思い出す。

 去年は、友人たちと難波から本町まで、御堂筋沿いを歩いて、クリスマスイルミネーションを眺めて歩いたりもした。

 ハレの日に、何か強度のあることを、祝祭を楽しめることをしたい。

 文房具担当者として仕事をしていた時期があって。普段の仕事も好きだったが、さらにイベントやフェアを考えるのが好きだった。季節モノであれば、今の季節だったら手ぬぐいや夏のレターが売り場に並ぶだろうか。

 私たちは、ハレの日ために、ケの日々?を過ごしているのだろうか。地味でコツコツ積み上げるような、普通の日々を。

 クリスマスが終わって、さあこれから年末までダッシュだぞ、と気を引き締める夜。季節のイベントで売れ行きについて思案し、気持ちがヒヤリとする瞬間。イベントをしていても、いつもと変わらずプロパー商品を補充するルーチン。

 日常と祝祭、安定と刺激はセットだろう。陰陽の関係とも似ているかもしれない。

 先日、芸人さんのショート動画がおすすめで流れてきた。

 「何かうまくいかないことがあった時は、これからうれしいことが起こるための前フリだと思えばいい」

 正確に記憶はしていないが、こういう内容だったと思う。
 なんだかホッとする。

 最近知ったのだが、自分の内側や周りからの評価などに意識が向くことが「陰」、自分を外側にどう活かすかに意識が向いている状態のことが「陽」という考えがあるそうだ。

 また、漢方経絡の考え方では、経絡には「陰経」「陽経」のに種類に分類することができるらしく、陰陽を分けるポイントは陰経は日焼けしない場所に通っていて、陽経は日焼けする場所に通っているという点なんだそうだ。

 つい、ハレの日を待ち侘びてしまうことが多いのだが、ハレの日を待たなくとも、太陽は毎日私たちの頭の上を照りつけている。
 最近、なんだか気持ちがグズグズしてしまっているなと思うときは、ベランダに出て太陽の光を意識的に浴びるようにしている。時間があれば散歩にも出かける。

 太陽を補充する、セルフ・ハレの日を作ってしまうのだ。

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