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包む

お世話になった方にお礼のお菓子を購入して、店頭でラッピングを頼むと
店員さんは手早く丁寧に、ラッピングしてくれる。

箱をくるくる回したり移動させたりしたながら。

「つきさんは少し表現がダイレクトすぎるのかもしれません。」
「表現をもう少しオブラートに包んだ言い方にしてみるといいかもしれないですね。」

オブラートに包んだとしても、もし中身が劇薬だったら、飲み込んだ後体調を崩すかもしれないじゃない?と思ったりもしたけれど。

オブラートに包んでも包まなくても、劇薬などを相手に届けなければいいわけで。

お礼の気持ちは言葉だけじゃなくて、
行動や物で示した方がいいことが多いという話を、お世話になっている研修の先生から聞き、全くの同感ですとつい先日強く伝えたばかりだった。

実際にできているかは別として、私もそう思う。

贈り物の中身は実際のところそんなに重要じゃなくて、
感謝を示そうとした行為そのものが、相手に好意的に届くということだという会話をした。


オブラートに包むこと。
劇薬を届けたいわけじゃなくても、
もしかしたらこの言葉は相手にキツく響くかもしれない、
そんなときは柔らかい包み紙で言葉を包装して届けたらいいのだろうか。

私自身が回りくどい表現をされることがとても苦手だから、
ダイレクトに言わずに回りくどく伝えることに結構抵抗がある。

回りくどかったら、嫌味にならないか心配でもある。
嫌味に響くくらいなら、はっきり分かりやすく伝えた方がいいんじゃないか。

でも。。。


お菓子がラッピングされていた時の、特別なうやうやしい感覚。

中身を生で渡されてもうれしいけれど、
包装されている箱を見た時のはっとする感覚というのは実際にある。


大好きな漫画『BASARA』(田村由美著)のセリフにこんなセリフがあった。

「私の死が彼女に優しく伝わればいいけれど」


戦死する男性が、婚約している女性に向けて思う心情をセリフにしたもの。


死が優しく伝わるということが、ありえるとしたら、それはどんな伝わり方だろう。


数年前『伝え方が9割』という本が大ヒットしたかと思う。


中身そのものは同じでも、伝え方にこだわる、包装の仕方、包み紙の素材、
渡し方を工夫する。

自分が相手にとって良いと思うことを伝えたいとき、
一番効果的に相手に届けるにはどうしたらいいのか。

これまで回りくどいと感じていてあの遠回しの表現は
嫌味なのではなくてもしかしたら相手の優しさから来ていたのかもしれない。

真相はわからないけれど、今日はそんな気持ちになった。

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