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東方茶話会:中国GalGameクリエーターの心声と洞察

このテキストは、「第一回HumiHumi短編ノベルゲームコンテスト授賞式兼茶話会」のライブ配信から抜粋されたものです。
中国のGalGame界の優れたクリエーターたちが、作品に対する深い印象から創作の難しさ、そしてAIアシスト創作についての考え方に至るまで、中国のGalGame創作の現状と将来の展望を深く掘り下げる貴重な機会です。

ゲストの蒼藍の風さん、雪阿宜さん、愛摸魚の人潮さん、Kirmyさん、yokoさん、巧克力布丁さん、十五さんに感謝申し上げます。また、司会を務めた東花凛さんの見事な進行にも心から感謝申し上げます。さあ、お楽しみください。

特別招待司会:
東花凛

茶話会ゲスト:
蒼藍の風 —— KID Fans Club創立者、オリジナルゲームプロジェクトのリーダー
愛摸魚の人潮 —— 中国Galgame界の著名なインフルエンサー
雪阿宜 —— 「Galgame批評」のメインクリエーター
Kirmy —— ノベルゲームの演出を担当し、「三色絵恋」「他人世界末」「飢えた子羊(餓殍:明末千里行)」などの中国産Galgameに携わる
yoko —— 「夢療記録:アリス」のプロデューサー
巧克力布丁 —— 「裏垢女子の非常規攻略法」のプロデューサー
唯一指定真実の十五(十五) —— 「異物勇者」のプロデューサー

印象に残った作品や心に響いた部分

愛摸魚の人潮:国産GalGameでは「国産の特色」を過度に強調せずに、物語をしっかりと伝えることが重要です。

雪阿宜「裏垢女子の非常規攻略法」に感銘を受けました。総合的な品質が高く、演出も卓越しています。

蒼藍の風「先輩がモノクロになっちゃった!!!」が印象深い。限られたエンジン機能の中で、優れた演出を実現しています。国産GalGameは、国風を追求しすぎる必要はありません。

著者:akidou

Kirmy:ゲーム性が高く、選択肢が物語に影響を与える作品を好む。特に「~棄作~春末春初」と、入賞は逃したもののテキストがリアリティに富む作品が印象的でした。

著者:薛菱

yoko胡為さんとakidouさんの作品に感銘を受けました。脚本と創造性が際立っています。

巧克力布丁:akidouさんの「先輩がモノクロになっちゃった!!!」と「刑/行」がお気に入りです。特に演出が際立っています。

「刑/行」 著者:akidou

十五:「先輩がモノクロになっちゃった!!!」の革新的な演出と胡為さんの「Boki Boki Galgame Club」の創造性に感動しました。また、「雨後の花が散る」にも深い印象を受けました。

創作中の困難と経験の共有

yoko:脚本と美術素材の準備が大変でした。

巧克力布丁:まず資金不足が問題で、資金がなければリソースが得られず、作品が作ることができません。さらに、エンジンの機能が限られており、一部の演出や画面効果を実現できません。

十五:時間の調整、現実の生活と創作のバランスが課題です。美術素材も問題です。要するに、どう動き出すか、そして既存のリソースをどう活用するかが鍵です。

蒼藍の風:主催としての経験を共有します。予算をコントロールしながら制作を進める方法、各種素材リソースの入手の難しさと方法について話しました。資金が限られている場合は、オリジナルのキャラクター立ち絵から始めることを推奨します。

AIによる創作への見解と感想

総括

  • AI創作:補助ツールとして位置づけられており、特に美術創作において有用です。しかし、視覚的な問題が存在するため、適度な使用が推奨されます。

  • 個人表現:公式な作品においては、オリジナリティと個人的な表現が非常に重要です。AIの使用は慎重に考えるべきです。

  • 技術受容度:AI技術の進歩は避けられないが、現時点でAIに完全に依存することは難しいです。人の手による修正が必要です。

  • 消費者受容度:AI作品は評判と受容度の問題に直面しています。AI使用の有無を読者(プレイヤー)に透明にすることが必要です。

  • 心理的障壁:AI作品は消費者に安価な感じを与え、作品の受容度に影響を与える可能性があります。

@Possessed Photography, Unsplash

ゲストの意見

  • 雪阿宜:今回のコンテストで多くの作品がAIを使用しており、特に美術面で。AI創作は視覚的な問題があるため、慎重に使用し、乱用を避けるべきです。AIは補助ツールとして、下書きや中間製品に利用すべきで、公式な作品ではオリジナルの要素を出すべきです。

  • 蒼藍の風:現在のAIは自分の美術ニーズを満たすには不十分で、まだ改善が必要です。AI技術はツールとして見るべきで、技術進歩に抵抗する必要はないが、批判的に受け入れるべきです。現段階ではAIに対して様子見の姿勢を取り、完全自動化の段階はまだ来ていません。

  • Kirmy:AIは素材の充填に適していますが、直接作品に使用するとキャラクターや視覚的な印象に影響を与える可能性があります。自己満足の二次創作にはAIを使用するのが適しています。

  • yoko:AIによる音楽は識別が難しく、その品質は受け入れがたいと感じます。

  • 巧克力布丁:AI作品が直面する可能性のある評判問題と消費者の受容度について指摘します。

  • 雪阿宜補足:AIの使用状況を明記することが重要であり、消費者は商業作品がAIを使用しているかどうかを知る権利があります。AIの受容度の変化には時間が必要で、技術が成熟し、概念が変わるのを待つ必要があります。

  • 蒼藍の風補足:AI作品が与える安価な感じが主な受容障壁である。AI技術が進歩しても、心理的な受容度は重要な影響要因です。

雑談

なぜ中国産GalGameは学園テーマを好むのか?

  • 蒼藍の風:国産GalGameが学園テーマを好む主な理由は、日本のGalGameや二次元文化における「高校生が世界を救う」というテーマからの影響を受けているからです。日本と中国では社会構造が異なり、特に人口分布と年齢構造の違いが、日本の二次元文化が学園時代に集中する背景にあります。

中国産GalGameはハードコアなストーリーが不足しているのか?

  • 蒼藍の風:国産GalGameのクリエーターはハードコアなストーリーに挑戦していますが、「無駄萌え」スタイルの作品も制作が容易ではありません。ストーリーを重視する作品もありますが、同人団体レベルでの資金とリソースの限界があり、大規模なストーリー作品の制作は難しいです。正統なストーリー作品の制作はリスクが高く、損失を招く可能性がありますが、基本的なニーズを満たす作品の方が制作や利益化が容易です。 国産ギャルゲーの価格設定には問題があり、安価な販売は市場を破壊し、高価格な販売は受け入れられにくいです。

  • 雪阿宜:日本のような成熟した制作体制や環境が国内には欠けており、大規模なストーリー作品の制作には困難です。

国語の声の演技についての見解は?

  • 雪阿宜:国産GalGameの声の演技問題は、母国語が不自然だというわけではなく、むしろ声優の専門性不足や台本のブラッシュアップ不足が主な原因です。国産GalGameは資金と市場の不足により、専門的な人材を引き付けることが困難で、結果として悪循環に陥っています。

  • 愛摸魚の人潮:国産GalGameの台本は時々日本式の読み方を採用しており、聞き取りにくい部分があります。ローカライズが不十分であるため、さらなる改善が必要です。

  • 蒼藍の風:国産GalGameの声優リソースは集中しており、十分な下層の従事者を確保するのが困難です。女性声優の数が少なく、主力市場はラジオドラマにあります。男性声優のレベルが女性声優よりも全体的に高い傾向があり、女性声優の多くが兼職で活動しているため、専門的な能力には限界があります。

※この映像は中国語で収録されており、茶話会の部分は1時間12分00秒から始まります。

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