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令和六年 元日〜五日

令和の最初の五日間は濃いものであった。元日は例の如く、ねぎしの師匠宅で新年会。コロナ禍においては、バラバラにそれぞれの時間でお伺いすることになっていたが、今年からは朝の集合が可能に。みんなでお神酒を頂き、おかみさんに抱負を述べながら、お年玉をいただく。ねぎしのお雑煮は本当にうまい。具は鶏と青菜とかまぼこだけ。焼いた餅につゆをじゃっとかけたら最後に柚子の皮をひとかけ。

食べたあとはしばらく一門の先輩方と談義。おかみさんに「今年は金賞を目指します」と言ったら、もっと広い視野でやりなさいと一喝される。そうだよなあと思いながら、ねぎしを後にする。落語はもっと大きく広くやりたい。

鈴本演芸場へ。前座さんとお囃子さんへお年玉を配り、寄席への手拭いを置いて任務完了。夕方には帰宅。自家製の雑煮を食べる。ウチのはブリが入る。九州だからね。

二日目は朝イチで箱根駅伝を見る。ウチは蒲田在住で、箱根駅伝を見るには家を出れば3分で達成できる。今年は、少し早く家を出たせいか沿道での待ち時間が長い。僕は箱根駅伝が大好きだ。にしても箱根駅伝はどうしてあんなに感動するのだろう。毎年同じコースを走って、毎年だいたい同じような大学が出て、毎年似たようなドラマがあって、でも感動する。もはやこの理論は落語に近いかもしれない。「お馴染み」を楽しむ、許容する。箱根駅伝は落語だと思う。そのまま家で往路優勝の青学まで見て、浅草へ。コロナ前のような人出で、寄席も満員御礼。新年一発目は「松竹梅」と決めているので、満を持して。5分でやるにはかなり無理があるんだけど、おめでたい噺なのでね。

三日目はまた箱根駅伝からスタート。今年はとにかく青学が強い。まさにひとり旅状態。結局3区以降はトップ譲ることなく優勝。もちろん、10区の復路は生観戦。青学が通ったあと、2位の駒澤が通るのにかなり時間があった。体感するとよく分かる。終わって浅草へ。15時頃の出番が16時頃へ。15時前に収録があった関係だ。二日目は「つる」。寿限無をやろうと思っていたら「たらちね」が直前に出てたので。やりたいネタが封じられるのは寄席の風物詩だ。

四日は少しゆっくり。午前中は子供と親戚の子を連れて図書館へ。帰ったらお昼ご飯のうどんを茹でる。気がつくと家を出る時間に。慌てて浅草へ。念願の「寿限無」。寿限無が念願なのがおかしい。寿限無はいつだって5分バージョンなので問題なし。夜は律歌姉さんとの勉強会。「みそ豆」「たらちね」「道灌」を。「道灌」の15分が長く感じるのは正月は芸人が5分高座の身体になっているからだ(ダジャレではない)。律歌姉さんと新年会をしたかったけど、お客さんと飲みに行ってしまったので、一人帰宅。蒲田の志田家という家系ラーメンで晩ごはん。初家系。

五日目、今日からお獅子。かれこれ10年ほど続けている太神楽曲芸協会の面々と共に浅草界隈を獅子の軒付けをして回る行事だ。僕は太鼓でお手伝い。まずは南千住に9時に集合してそこのお寺へ。9時は毎年のことだ。早いねえ。終わって浅草の店店をぐるぐると。ウチの家族も合流して獅子に噛んでもらう。無病息災家内安全。14:30に一旦演芸ホールに戻り、高座。「みそ豆」をやったらまたお獅子と合流。二、三件回る。最後はホッピー通りの浩司という居酒屋。相変わらずホッピー通りは賑やかだった。帰宅後は次男の誕生日会。思えば去年の1/5に産まれたのだ。恒例の選び取りは、フライ返しを選ぶ。一升パンを担がせてみんなでそのパンを食す。食べても食べても無くならない。と言ったところで五日目も終了。

怒涛の正月。

太神楽の皆様と
ポンパドールの一升パン
志田家
落語協会でもらった大福を手に
ぎょけーい
我らが兄貴分の三朝師匠と
青学の10区
初高座に向かうはな平
初高座のはな平
正蔵一門
左からぽん平、まめ平、はな平、師匠、たま平、つる子

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