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『着物を脱いだ渡り鳥』(著:ナツノカモ)を読んで

ナツノカモさんの本を読みました。自身の半生を綴ったその文章はとても読み易くて、子供を抱えて寝かせながらあっという間に読んでしまいました。

思えば、ナツノカモさんとは大学の頃に会って、落語家になったのもほぼ同時期なのに、落語家時代はあまり会うことがありませんでした。ただ、一回だけ一緒に会に出たことがあって、その時は確か彼は「堀の内」をやっていた気がします。ネタを普通の視点では捉えていなくて、新鮮な香りが漂っていました。とても刺激を受けて、またどこかで出来たらなあと考えていたら、落語家を辞めたという風の噂が入って来ました。

そうこうしているうちに、彼がナツノカモという名前で活動していることを知り、新しい表現をやっていると知りました。また落語もやっているというのも何かのきっかけで知りました。正直、とても嬉しいと思いました。あの一度でしたけど、「堀の内」のような落語をやっている人がなんで辞めたんだろうと思っていたので、素直にまだ落語を続けていることにホッとしたんです。

そしてこの本を読んで、なるほどなと思いました。この本には、落語家時代の師弟の話や、修行のことは一切出て来ません。「辞めた」をスタートにして、落語との出会いから、彼が落語とどう向き合って来たかが綴ってあります。あんな落語をする人が落語を捨てるわけが無いと思っていたので、この本を読んで納得しました。

ナツノカモさんは落語家を辞めましたが、落語は捨てていませんでした。むしろ、落語家以上に落語を考えているのでは無いかと、危機感さえ覚えました。

昨年、Twitterを通じてまた少し交流することになり、新作を一席頂いたり、声での対談をさせてもらったりしました。

今後もナツノカモさんの活動を見守っていきたいと思います。

いや、それよりも俺が頑張れですね。


本は、ネット販売もしているみたいです。ぜひ皆様お手に取ってみてください。


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