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落語のはなし

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落語にまつわるお話です。はな平の考える落語の話から、落語の周辺の話、落語家独特のしきたりなどを取り上げています。初めての方が疑問に思うことを取り上げることを念頭に書くマガジンです。
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#ネタ

令和五年 2023年のネタ帳

令和五年 2023年のネタ帳

今年も最後の高座が終わりました。今年はコロナ以前のように高座数が戻ってきたのが印象的で、真打になって寄席の出番が増えたことも要因だと思います。ネタに関しての考え方は人それぞれで、同じネタをなん度もやる人もいれば、種類を多く色々なネタをやる人もいます。わたしは後者のタイプで、出来るだけ色々なネタをやりたい方です。

去年のネタの種類が38種類で、これが多いか少ないかは他の人と比較してないのでわかりま

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2022年の落語を振り返る〜私のネタ帳〜

2022年のネタを振り返ってみます。昨年は、計38種類のネタをやっていました。私としてはもっと種類多くやっていると思っていたんですが、意外と少なかったです。今年は50以上はやりたいですね。そんなわけで、やった数が多い順に順位をつけてみました。下位のネタに出会った方は、レアなケースですね。

第1位 「紀州」
第2位 「牛ほめ」
第3位 「たらちね」
第4位 「権兵衛狸」
第5位 「鮑のし」「茶の湯

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甲府い

甲府い

あらすじ『甲府い』という落語があります。甲州の身延の方から出て来た若者、江戸で身を立てようとしていたが、身包み剥がされ文無し。

お腹が空いて、とある豆腐屋の店先のおからを食べる。若い衆に怒られるが、主人がそれを諌めて訳を訊く。名前は善吉で身延山に願掛けをして来たことを知る。主人も身延山信仰ということもあって、これは縁だと置いてやる。

「豆腐ーい 胡麻入りー がんもどき」

というのがこの店の売

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最期の勉強会御礼

最期の勉強会御礼

今日は「最期の勉強会」でした。鍵カッコをつけないと本当に最期と思われそうですが、あくまでタイトルです。二つ目時代だけ、「勉強会」という名前を使っても良いんだという自分への戒めで、勉強会と名乗るのは二つ目時代だけですよという意味がこもっています。

さて、今日のネタですが。

一、鮑のし はな平

最後まで久し振りにやってしまいました。この噺は最後までやることが少なくて、たまにしかやらないせいで完成

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落語の忘れ方

落語の忘れ方

落語家の日課は噺を覚える事です。毎日の高座とか日々のことに加えて、この「噺を覚える」が寄り添っています。

大体、一ヶ月に一席。長い噺とか覚え難い噺はもう少しかかりますが、覚えるだけなら割と頑張ればすぐに出来ます。

問題は、それを高座でやって、ウケるものに仕上げていく作業が、大変です。というよりそれが落語家の宿命です。

覚えるということは、忘れる子供あるということです。

というより噺は覚える

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