【企業経営理論#31】組織の階層構造
組織の階層構造
今回は、” 組織の階層構造 ”についてです。
組織構造とは、組織における役割分担や責任、権限、情報伝達などの関係性 を規定する枠組みのことです。
適切な組織構造を構築することで、
各メンバーが自分の役割を理解し、責任を持って行動できる。
情報がスムーズに伝達され、迅速な意思決定が可能になる。
権限と責任が明確になることで、モチベーションが向上し、生産性が向上する。
組織全体が同じ方向に向かって協力し、目標を達成できる。
そのため組織構造は、企業だけでなく、あらゆる組織にとって重要になるのです。
組織構造の種類
組織構造は、企業の規模、業種、戦略、経営環境などによって最適な形が異なります。
ここでは、代表的な組織構造の種類の一部をご紹介します。
各構造の詳細については、のちの記事でまとめます。
1. 階層型組織
垂直方向に階層が分かれており、上位の者が下位の者に指示・命令を行う伝統的な組織構造。
中央集権型で、意思決定はトップダウンで行われることが多い。
メリット:役割分担が明確、責任の所在が分かりやすい、管理・統制がしやすい、秩序が保たれ、安定した組織運営が可能。
デメリット:意思決定が遅い場合がある、柔軟性に欠け、変化への対応が遅れる可能性がある、下位の者のモチベーションが低下しやすい。
2. 機能別組織
営業、マーケティング、生産、開発、人事、財務など、機能別に部門を分ける組織構造。
専門性を高め、効率性を追求することに適しています。
権限は、上位階層に集中する、集権管理型。
メリット:専門知識やスキルを深めやすい、効率的な資源配分が可能、規模の経済を活かしやすい。
デメリット:部門間の連携が不足し、全体最適の視点が失われやすい、変化への対応が遅くなる可能性がある、部門間のセクショナリズム⁽¹⁾が生じやすい。
1)セクショナリズム:組織内で、自分の所属する部門やセクションの利益や都合だけを優先し、ほかの部門との連携や協力を軽視する考え方や行動のこと。
3. 事業部制組織
製品、サービス、地域など、事業別に部門を分ける組織構造。
各事業部が独立採算制をとることで、責任と権限を明確にし、迅速な意思決定を可能にします。
権限は、下位階層に委譲される、分権管理型。
メリット:市場や顧客の変化に柔軟に対応できる、事業部ごとの業績評価がしやすい、事業部長の育成に繋がる。
デメリット:全体最適の視点が失われやすい、事業部間で重複する機能やコストが発生する可能性がある、本社機能が肥大化する可能性がある。
4. マトリックス組織
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