コーチングスキルの基本①
(1)コーチングとティーチングの違い
皆さんは、コーチというとどんなイメージがありますか?
スポーツで指導するコーチをイメージする方が多いのではないでしょうか。
スポーツで指導するコーチのように相手に教えることを「ティーチング」と言います。
「コーチング」とは相手に教えることではなく、潜在的な能力を引き出す支援をすることを言います。
(2)コーチングの3つの基本スキル
コーチングには「傾聴力」・「承認力」・「質問力」の3つの基本スキルがあります。
①傾聴力
傾聴とは、相手の話しを聴くことです。
ここで「聴く」という字を使用していることに注目しましょう。
聴
聴くという字は、大きな耳で十四の心をきくという意味です。
つまり、少なくても14個程度の感情を聴きなさいということですね。
【傾聴の7つのポイント】
傾聴には留意すべき7つのポイントがあります。
・うなずく
・あいづち
・繰り返す
・要約する
・うながす
・アイコンタクト
・沈黙
簡単に説明しましょう。
■うなずく
相手の話しに「うん。うん。」と、うなずくことです。
■あいづち
相手の話しに「へぇーそうなの。なるほど」と、あいづちを打つことです。
■繰り返す
相手の話しに「同じ言葉をオウム返しのように」繰り返すことです。
■要約する
相手の話しに「つまり、あなたの言いたいことは●●ですね」と、要約することです。
■うながす
相手の話しに「それからどうしたの」と、次の話しをうながすことです。
■アイコンタクト
相手の目を見て話しを聴くことです。
■沈黙
相手が黙っていたら聴く方も沈黙することです。
②承認力
承認とは、相手のすべてを受け入れること。相手の良い所を見つけて褒めることです。
相手のすべてを受け入れるということは、「価値観の違い」を受け入れることに他なりません。
次に相手の良い所を見つけて褒めることですが、3つのメッセージ方法があります。
■Youメッセージ
あなたは素晴らしいというように「あなた」に焦点をあてて褒めるメッセージです。
■Iメッセージ
私は感動したというように「私」に焦点をあてて褒めるメッセージです。
■Weメッセージ
新しいプロジェクトが成功したのは君の活躍が大きいと部長もすごく褒めていたよというように「第三者=部長」に焦点をあてて褒めるメッセージです。
③質問力
質問とは、相手の潜在能力を引き出すための最も重要なスキルです。
コーチングでは、まず相手の話しを傾聴し、相手のすべてを受け入れ(承認)し、最後に有効な質問を投げかけることで潜在能力を引き出します。
【質問力の4つのポイント】
■クローズド・クエスチョン(閉鎖質問)
あなたは「イチゴ」が好きですか?
この質問を受けた場合の答えは「好きです」または「嫌いです」とYesかNoで終了してしまい大きく展開していきません。
このような質問をクローズド・クエスチョンと言います。
■オープン・クエスチョン(拡大質問)
あなたの好きなフルーツは何ですか?
この質問を受けた場合の答えは「イチゴ」・「メロン」・「桃」等大きく展開していく可能性があります。
このような質問をオープン・クエスチョンと言います。
■過去質問
例えば、部下や後輩が仕事でミスをした場合に、「なぜこんなミスをしたのか?」というようにすでに起きてしまった出来事に対する質問を過去質問と言います。
■未来質問
例えば、部下や後輩が仕事でミスをした場合に、「再発防止のためにこれからどうしたら良いと思う?」というように未来の対策に対する質問を未来質問と言います。
【コーチングの基本サイクル】
コーチングは、基本的に以下のサイクルで実践します。
① 相手の話しを良く聴きます(傾聴)
② 相手のすべてを受け入れて、良い所を見つけて褒めます(承認)
③ 有効な質問により、自分自身で気づかせ潜在能力を引き出します(質問)
※コーチングでは答えは自分の中にあると考えて質問をしていきます。
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