VOL.2 働くベテラン・シニアの本音アンケート
働くベテラン・シニア層は、定年前後の学び直しや働き方についてどのように考えている?
リスキリングが叫ばれていますが、当事者の皆様はどう考えているのでしょう?2016年に出版されたリンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著 『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』では、下記のように生き方が変わってきていると指摘しています。
かつては、教育→仕事→余生といった比較的単純なライフステージの変化であったのが、一旦就職しても転職や起業、そして次の準備のために学び直して新しいスキルを身に着ける、ずっと同じ仕事でも働き方を変えるなど長くなる人生に働き方・生き方が多様になってきており、まさに「ライフステージはマルチステージ」に変化しています。仮に正社員として定年まで勤めあげたとして、その後もどんな形であれ、社会とつながることでライフスタイルの充実につながるのではないか。仮説として「働くことで社会と接点を持ちつづける」ことが生きがいやライフスタイルの満足につながるのではないかと益々興味を持ちました。
そこで、当社では
2023年4月、60名の働くベテラン・シニア層の皆様にアンケート調査を実施しました。
Q:定年後のライフプランについてお聞かせください
(複数回答可)
定年後のライフプランでは、再雇用、転職、起業、未定だが働きたいと思う人が約半数ということがわかります。
Q:リスキリングの必要性を感じていますか
7割のベテラン・シニア世代がリスキリングの必要性を感じていることがわかります。
とはいうものの、下記の統計を見るとリスキリングの必要性はあるが実行に移す人が少ない現状があります。
55~65歳の学び直し行動率は?
「学習・自己啓発・訓練」行動者率35%、何もしない人の割合は65%
そこで、何がリスキリングの阻害要因になっているか質問しました。
Q:リスキリングをしようとしたときの阻害要因は?
(複数回答可)
「時間、費用」の問題が上位ですが、「何を、どこで学べばよいかがわからない」など、情報探索や選択基準が行動への阻害要因となっていることがわかりました。
まとめ
これらの調査結果から、以下のことが働くベテラン・シニア層の現状ではないかと社内で話し合いました。
そこで、私たちはベテラン・シニア世代が抱える課題は下記の3つに集約できるのではと結論付けました。
3つの課題解決がベテラン・シニア層の人生を豊かにするのではないか、そのためのリスキリングとは何か、もう一段階考える必要がありました。
次回は、具体的に何を学べばよいのか質問を深堀りし、ベテラン・シニア層の意識や企業の人事担当者にアプローチした調査結果をお伝えいたします。