見出し画像

ナンパをはじめた頃

 当時の恋愛奮闘日記を編集して載せています。

〜23歳の11月26日〜

 今思えばこの日を境にナンパへの考え方が変わった。大きな転機でもあった。

 やることのない1日。やっぱり腐るわけにもいかず、新宿のダーツ場へ行くことにした。16:00すぎ。相変わらずのタイムスロースターター。日曜ということもあり人が多かった。だが、声かけ出来そうな女性はいなかったので、しぶしぶ一人で投げ込む。投げて違和感を感じるほどに、明らかに下手になっていた。こんなとき、一人で投げていると、どんどん気分がめげていった。そのため、1時間もしないうちに帰り支度をはじめる。

 出口へ向かうとき、お世話になった先輩♀と出会った。彼氏らしき人と投げている。目を合わせた以上、何か挨拶しなくては…。軽く挨拶をする。が、彼氏らしき人に悪いので逃げるように退散した。顔も見ずにそそくさと退散。自分の挙動が悲しすぎる。

 17:00すぎ。やることがないので歌舞伎町のHUBへ。一人で飲む。後ろの席の子に声をかけたかったが、この時にはそんな勇気が出ず。結局何も出来ないままビール1パイントを飲み干してしまった。一人で過ごしていたことが悪かったのか、どんどん寂しい気持ちが募っていた。そこで、歌舞伎町のゴジラの前で人混みを眺める。どうしようか。途方にくれた。ダーツ以外で人に声をかけることができない。すると、目の前でバンバンと女性に声をかけている若者がいた。もしやと思い観察を続ける。これは、やはり、ナンパ師だ。キャッチのようなマイクも付けてない。つい最近読んだナンパ本を思い出す。

 本当にいたんだなぁ、こんな人。

 普通ならそこで終わる。

 だが、寂しさをこじらせた僕は自然とその人へ吸い寄せられていってしまった。

 そして、ナンパ師へ話しかけたのだ。

 きっかけは


僕「す、すみません!僕ナンパ初心者なんですけど、すごいですよね?色々話聞かせてください!」


 男の人相手にでも心臓がバクバクしていた。


男「えぇ〜??教えられることなんてないよ笑」


僕「今バンバン声かけてましたよね。ぼ、僕もナンパの本とか心理学書色々読んで勉強しましたけど、やっぱりすごいなぁって」


 自分の声が震えている。ついで手も震えてる。


男「意識高いな笑。慣れ慣れ。バンバンいっちゃいましょう。あ、ちょっと待って」


 そう言った直後、男が二人組みの女性へと近づいて行った。何やら話しかけてるが、すぐさま戻る。


男「とまぁ、こんな感じでバンバン行く」


僕「ほぇー。すごい。話しかけるコツとかありますか?」


男「こんな感じに斜め後ろから入って行って」


 男が僕の後ろからスッと入ってくるモーションをしてくる。


男「そしたら、斜め前に入り込んで、顔をしっかり見せる」


僕「なるほど、、」


男「たとえば、、」 


 男がまた二人組みの女性のもとへ駆け寄り、しばらくしてまた戻ってくる。


男「こんな感じにバンバン行っちゃいましょう。」


僕「すごい。いつからこんなことやってるんです?」


男「2年くらい。」


僕「え、今いくつ?」


男「21になる。」 


ここで、年下ということにホッとする。


僕「若いっ。学生じゃん。大学で彼女作らないんだ。」


男「それはめんどくさいなw」 


僕「そっか、そういうものなんだ。」


 やっぱり自分の生活圏内を荒らしたくないって気持ちがあるんだろうか。なりふり構わず手を出すわけじゃないことに、少し感心していた。 


男「今日は休みだから一人は連れ出せると思うよ。バンバン行っちゃいましょう。」


僕「バンバン行っちゃいます!、ところで、名前聞いていいかな?」


男「ショウタ(仮名)。自分基本18:00~20:00ここにいるんで。何かあればまた。」


僕「ありがとう。」


 話していて楽しかった。たぶん新鮮だったのだろうな。そして、男にでも話に応じてくれたことに感謝。いい人だ。


 …しかし、実際に声かけを何人かしてみるが、ほとんど振り向いてもらえない。数打て戦法なのはわかるが、とても気がめいる。こんなことを続けても慣れるメンタルってどうなってるのか。5人ほどフラれたところで、ショウタくんのところへ戻り、キャッチに気をつけること、凝ったことをしなくてもいい、とにかく声かけをすることをアドバイスとしてもらう。しかし、ショウタくんと別れた後はやはり1人でナンパすることが不安になる。

 ハッキリ言って、バンバン行っちゃえません。

僕「あのぉ、すみません、」
女「‥‥」(早足で去る)

僕「あの、道を聞きたいんだけど、、」
女「うるさい!」
僕「‥。」

僕「すみません、落し物で、この100円落としませんでしたか?、、」
女「落としてないです。たぶん違いまーす!!」
僕「え、でもさ、裏に名前が、って書いてないかー!」
女性、無言&早足で立ち去る


 やってられるか!!


 またゴジラ前に戻りショウタくんを見かけるが、もうこの時点でメンタル限界だったので、声をかけずに帰った。その夜は家でストロングゼロを飲んで友人に死にたい!とラインして寝た。メンタルがぶっ壊れる思いをして、二度とナンパなんてしない!そう誓った夜だった。




 しかし、この日がきっかけに声かけの抵抗が徐々に無くなっていったのは確かである。今思えばこそ。これは後の僕に影響する大事な日となった。

〜23歳の11-12月〜


 ナンパ記録はつけていないが、この期間は暇があればとにかく都内を出歩いた。職場から近くも職場の人がいないところにこだわった。そしてナンパのホットスポットを聞いてはそこのHUBを中心にできるだけ街の観察と飲みと声掛けを始めた。とはいうものの、数回声掛けもすればもうヘロヘロ。最初なんてそんなもん。ダメなときは、帰りにゲーセンに寄って店員と話したりしてメンタルを保った。


 こうして、僕のナンパ人生ははじまった。


次回記事↓

片想い、フラれる



サポートいただければ、明日からまた頑張れます!無くても頑張ります!🥺