DPI日本会議全国集会全体会報告
(この記事は当団体が関係者・団体に発行している機関紙で載せたものです。)
ヒューマンケア協会が加盟するDPI日本会議の全国集会が、5月28、29日にオンラインで開催されました。その初日に行われた全体会「ついに迫る!障害者権利委員会第1回日本との建設的対話」では、最近の重要な政策動向として障害者差別解消法基本方針の改訂と、8月にスイスのジュネーブで行われる障害者権利条約の実施に関する国連障害者権利委員会と日本の建設的対話についての報告がありました。
まず障害者差別解消法の基本方針の改訂ですが、これは昨年改正された差別解消法を実施するための具体的な取り組みを定めていくものです。政府の内閣府に設置されている障害者政策委員会は、障害者団体や事業所、自治体などから聞き取りを行い、これに基づいて改訂の方向に関する議論を始めています。改訂のポイントとして上がってきたのは、各行政レベルでの「相談対応のワンストップ窓口」の設置です。これは縦割り行政の中で差別の相談がたらい回しにされることを防ぎ、対応を一元化するためのものです。実現することで素早く確実な差別への対応が期待されます。
国連と日本の建設的対話については、日本政府、障害者政策委員会、日本障害フォーラム(JDF)のそれぞれの取り組みに関する報告がありました。この中でDPI日本会議を含む全国障害者団体の連合体であるJDFからは、建設的対話に向けたここまでの取り組みと、JDFが議論を重ねて作成した権利条約の実施に関する市民社会側のレポート(パラレルレポート)の内容が報告されています。この後の質疑応答では、パラレルレポートが示した「手話言語」「障害女性」「法的能力の行使」「地域移行」といった10の重要課題を効果的に権利委員会に伝える方法などが議論されています。8月19日にジュネーブで行われるJDFなどの日本の市民社会団体と権利委員会の質疑応答では、どれだけ重要課題を整理して伝えられるかがポイントのようです。
8月のジュネーブ訪問にはヒューマンケア協会の職員も同行します。建設的対話の様子など、このニュースレターで報告します。
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