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経営者や幹部は「幅広い経験と知識」を得る方がいい〜そして転移学習の重要性



こんにちは。人財育成コンサルティングのプロフェッショナルの平井です。今回の記事では、「イノベーション」や「仕事の成果」を出すためには「個人はどのような知識や経験が必要か?」ということについて書かせていただきます。

1.イノベーションや仕事の成果に必要なものとは?

⑴個人内多様性が注目されている

 近年、イノベーションや仕事上の成果を生み出すために必要なものとして、「個人内多様性」が注目されてます。

まぁ、要は「いろんな経験をしてきた人の方がいい」ということです。

下記にその記事を示します。

【記事より引用】
「ワシントン大学のスチュアート・バンダーソンらが2002年にAMJに発表した論文では、米フォーチュン100の44企業の経営メンバーそれぞれのプロフィールデータを集め、ファイナンス、R&D、営業、マーケティングなど、様々な職能を経験している経営メンバー(=イントラパーソナル・ダイバーシティの高い経営メンバー)がいる企業ほど、業績が高い傾向を示している」

引用元:https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10196

そして、同記事にはイノベーションについても述べられており、

そのための「知の探求」について、どう考えるべきか?ということについて検証されてます。

簡単に言うと、
①1つのことを突き詰めて、めっちゃ深掘りして行った方がいいのか?

②幅広く、色んなことを学んだ方がいいのか?

この点を検証した論文が紹介されております。

トロント大学のスター研究者サラ・カプランらが2015年に『ストラテジック・マネジメント・ジャーナル』に発表した実証研究ですが、

同論文によると、そもそも前提として、イノベーションには少なくとも2種類の異なる成果があり、

一つは、「極めて技術的な、ブレークスルーなアイデア」を生み出すこと。
もう一つは、「経済的な価値を生み出すアイデア」です。

前者は、例えば、当該分野で革新的な技術を生み出すなどであり。
後者は、ビジネスベースに乗せて世界に広がるような価値を生み出すことです。

ちなみに、後者の点についてですが、世界初の「電球」を発明した人は誰が知ってますか?


エジソン!

じゃありません。

実は、ジョセフ・スワン(1828-1914)という人で、イギリスで物理学を研究していた彼は、エジソンより1年ほど早く白熱電球の発明に成功しました。

電球を長く光るようし、かつ、世間に広め、ビジネスベースに乗せたのが、エジソンだったのです!

https://gendai.media/articles/-/76261

⑵ 幅狭く深い知識か、幅広い多様な知識か?

上記のトロント大学のサラ・カプランらの検証では、
①ブレークスルーなアイデアを生み出した特許」
②「経済価値を生み出した特許」

を抽出しすることで、調べたそうですが、 統計分析を行った結果、

①「前者を生み出すのはやや狭い範囲の知の探索で、
②後者を生み出すのは広い範囲の知の探索である」


という結果を得たとのことでした。

この点からいうと、技術者や研究者であれば、狭く深い知の探求が、 経営者は幅広い知の探求が良さそうです。

この点について、上記の記事には、ネスレ日本CEOのお話しが紹介されてます。

「ネスレ日本CEOの高岡浩三氏だ。 同氏は、大ヒットしたキットカットのキャンペーンに始まり、ドルチェグスト、アンバサダー制度など、革新的なビジネスを提示してきたイノベーターだ。 その高岡氏は「イノベーションとは、認知の範囲にあるお客様の問題を解決すること」と述べる。 まさに、知の探索の発想である。 そして高岡氏にお話を伺うと、同氏が幅広い認知視野を持てたきっかけは、 ネスレのグローバル環境を経験した部分が大きいと言う。」

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10196

以上、やはり、経営者や幹部としては色んな人と出会い、色んなもの見て、様々なことを学ぶのが重要なようですね。

⑵20代・30代まではまだ伏線です

ちなみに、経営や幹部として、様々な経験と知識があった方がいい、というのは 「20代・30代まではまだ伏線です」 という言葉の裏付けになります。

20代・30代というのは、私自身もそうでしたが、「早く成果を出したい!」「早く結果が欲しい!」という思いで必死に頑張ります。

しかし、思うように事態は進展しない、進展の遅さに焦ったさを感じる、自分の力の無さに打ちひしがれる・・などなどの経験を誰もがします。

そして、「自分には無理なんだ・・・」と落ち込むことも多いですね。

しかし!上記のように、様々なことを経験し、得た知識が、 40代、50代、60代、70代になって始めて、全てがパズルのように繋がり、一枚の大きな絵になるということですよね!

2.様々な知識を統合し活用する「転移学習」

⑴ 教育業界で長らく言われていた「転移が起こらない」問題

以上、「個人内多様性」という言葉で、経営者や幹部の方々には「幅広い経験や知識」を持つ方がいいということを書きました。

このようにして得た知識が、仕事上の成果に寄与し、ビジネス上のイノベーションを起こすからですが、問題は、

じゃあ、どうすれば、そのような幅広い知識を成果に繋げるのか?

ということなんです。

何の脈略もない雑学のような知識でもいいのでしょうか?

この点、1つの見方ですが、「転移学習」というのがキーワードになります。

転移学習とは、あるタスクで事前にトレーニングされたモデルを、関連する新しいタスクに合わせて微調整する機械学習(ML)技術です。

要は、数学の授業で1次方程式を勉強した後に、それをビジネスの現場で活用してみる(損益分岐点の分析)、活用できるように練習する教育のことです。

実は、教育業界で長年にわたって議論されているのが「転移が起こらない」という問題なんです。

つまり、数学の授業で先生の話しと教科書、問題集で1次方程式を勉強したとして、「じゃあ、これをビジネスの世界で応用し活用してみて」と言って、実践演習をしてもらおうと思っても、学習者は「・・・・。」となって全くできないという問題なんです。

それはそうです、受験勉強の対策のための「解法学習」と現実世界での数学知識の活用には大きな隔たりがありますので、「はい、やってみて」となったとしても、学習者は全然できないのです。

このような問題があるからこそ、高校や大学を卒業した新卒社員は入社すると、ゼロベースから社員研修が施されるのです。教室で座学で学んだ知識で「転移が起こらない」ので、実践で活用できないからです。

じゃあ、成果を出している経営者や幹部の方々は、どのようにしてこの点を解消しているのか?どのようにして転移学習をしているのか?ということですが、その代表例が、

麻雀、ポーカーなどのゲーム、ゴルフなどのスポーツです。

上記では駆け引き、運の要素、取り込み方、不利になった場合の対処方法や撤退基準など、様々なことを「体感的」学べます。それも、「活かそう」と思って学ぶためにあえてやっている部分があります。

そして、そこで学んだことを自分のビジネスで活かしているのです。

⑵ 転移を起こすため「シミュレーター」を使う手法

上記のように、座学は限界があります。
そこで、私は独自開発したビジネスゲームを使い、「シミュレーター」法による幹部研修、社員研修、経営塾を行なっております。

ゲームを使い、その中で自身で得た知識を活用してもらいます。
そして、お互いに教え合ったり、疑問をぶつけたり、ディスカッションしたりしながら学びを深めてもらいます。

学習方法には、様々な方法があります。
今や、めちゃくちゃ分かりやすい解説動画がYouTubeにたくさん上がっています。

しかし!

どれも全て「転移の問題」は解消されないんです!

そして、このような学び方は、有名YouTubeの動画を見ても決してできない学び方です!


さて,今月4月27日土曜日は、 経営トレーニング中級クラス3回目を開催します。

社長や幹部の方々向けの少人数会員制の「経営数字勉強会」です。
ビジネスゲームを使い、その中で実践演習形式で学んでいただく、他にはない経営数字を学ぶ塾となっております!

モチベーションやリーダーシップなどの学びも必要ですが、 商売では「論語」と「算盤」はワンセットです! 学び続ける人だけが、将来,必ず、自分の望む成功を手に入れると思います! ご興味のある方は、体験会のご参加お待ちしております!!

以上、私は「人財育成のプロフェッショナル」として、企業様の「人的資本」の構築をお手伝いしております!

ぜひ、会社の経営でなかなか成果がない方や、人財不足や人財育成でお困りの方、事業の将来性が不安な方などは、お問い合わせください。「人づくりは、国づくり」そして「会社づくり」の精神で人財育成に従事しております!

自己紹介の記事はこちら
お問い合わせ先→hirai@m-cass.co.jp

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