社長スピーチ考察〜トヨタ豊田章男社長が絶対にしないこと〜


先日の人事で会長に就任することが発表されたトヨタ豊田章男社長。
国内外でスピーチが評価され、トップクラスのプレゼンスキルにもよく注目が集まっています。

全身を使ったダイナミックなジェスチャー、澱みなく力強い話し方、表情。

豊田社長から学びたい点がたくさんあります。
話すペースや緩急、ジェスチャーなどを完コピして形から真似してみるのもトレーニングになるでしょう。

ただ、それが身になるのってけっこう時間がかかるんです。
プレゼン慣れしている方には効果的なトレーニングかと思いますが、一定レベルに達していないとどうしても不自然さが生じてしまうものです。

では、私がプレゼンセミナーで最初にトライしてもらうのは何かというと「原稿を見ないこと」です。
タイトルにも書いた豊田章男が絶対しないこと=原稿を見ることなんです。

海外でのスピーチであろうと社員向けの訓示であろうと原稿を見ず、オーディエンスから目を一切逸らさずに話きっているから人の心を打つのです。
プロンプターを見ていたとしても、手元に紙の原稿を置いたり、スライド画面を見たりすることはないのです。

原稿を読み始めた時点で、プレゼンの目的は「相手に伝えること」だったはずなのに、いつのまにか「間違えずに読み切ること」に変わってしまうんです。
一対一で話す時と同じく、プレゼンやスピーチでも相手の顔を見なければ絶対に伝わりません。


そして、相手の表情や反応を見ていれば、自ずとしゃべるペースや声のトーンもベストなところがわかってきます。
ここ大切なとこ!というところで身振り手振りも勝手に出てきます。

いわばそういった話し方のテクニック的なものは、伝えようとする気持ちの後に自ずとついてくるものなんです。

では長文を暗記しなければならないかというと、そうではありません。

原稿を作るなら箇条書きがおすすめ。
話のブロックごとにキーワードとなる言葉だけを書き出しておいて
それを見たら話せるように練習するんです。
これで原稿を見る時間を最小限にできます。

スライドを使う場合はスライドをチラ見したら何を話すか思い出せるようにしておいて、
基本は聞いている人の顔を見て話す。
これが鉄則です。

プレゼンが上手い人はほとんどスライドを見ていません。
プレゼンする人の目線を見れば、その人のスキルがわかってしまうということですね。。。

慣れるまで練習は必要ですが、コツを掴めばどんどんキーワードも短く、
原稿をチラ見する回数も減らせます。
これができるようになった方はプレゼンスキルが劇的に伸びていきます。

ある意味でプレゼンで「何を見るか」は「何を話すか」以上に大切かもしれません。

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