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仕事で好きなことはできますか?

好きなことを仕事にできたら、そりゃ良い。でもそんなこと実現できているのはごく一部なんだろうなとも分かっている。

「仕事で好きなことはできますか?」こんなことを聞かれたとしたら、あなたならなんと答えますか?

「お金のため」に働ける大人はかっこいい?

「なつこってなんで働いてるの?」
社会人になって5年半、今の会社を続けようか辞めようか迷っていた頃。ふと友人に聞いた。
「お金のため。」
即答だった。

日頃からさばさばしていて、スマートな彼女から聞くと疑問はないが、彼女は働かなくとも生活できる環境にいる。だからもっと他の理由もあるんじゃないかとも思った。今の仕事にやりがいを感じているから、とか。今の仕事で成し遂げたいことがあるから。とか。

でも本音を聞いたところでさばさばスマートななつこが熱く語るはずもないなと思って、それ以上聞くのはやめた。まあお金のためと言う人がほとんどだろうし、お金のためだけで日々せっせと働ける人すごいなあ。割り切ってるなあ。それが大人なのか??とかぼそぼそ考えてそのまま流していた。

そう思ってしまう私は「お金のため」だけという目的では働けない。新卒で入った会社はお給料も良くやりがいもあったが、もっと直接的に社会に貢献できる仕事を求めたり、よりそれが実現し得るスキルを身につけたくて次の会社に移った。2社目も似た理由で辞めて、3社目。そして結婚のタイミングで一度無職になった。

専業主婦になってみて

専業主婦をはじめて3か月くらいまでは、なんて楽なんだ。恵まれている…感謝しないと。くらいにのんびりと過ごしていた。そういえば、夫にも聞いたことがある。
「何のために働いているの?」
「お金のためだね~。」

友人から聞いたその言葉と、夫から聞いた言葉は同じなんだけれど、夫から発せられてはじめてその言葉のいろんな意味に気が付いた。お金のため。そのお金は二人が安心して暮らせるため。そのために毎朝まだ薄暗い時間から、夜遅くまで働いている。しかも、それをずっと続けていく覚悟が既にある。…私はそれだけのことを夫に返せているか?

友人が言っていた「お金のため。」のお金もきっと自分だけじゃない誰かを支えることにも使われるし、それ以前に働くことで誰かの為になっている。…私は誰かの為になるようなことができているのか?

こう書いていても、こんな簡単なことに気づけていなくて、本当に自分は身勝手な奴だなと思う。一旦無職になって、今の生活に一番あった仕事が見つかればいいなと呑気に思っていた自分はかなり能天気で幼い。

そして無職4か月目に入ったくらいから、「人と繋がりたい」痛切に感じるようになった。もうこれは人間としての自然な欲なんだろうなというくらい強く強くそれを望んだ。それじゃあ、誰かと話せればいいのかと思って近くのコミュニティに参加することや、習い事を始めることなども考えたけれど、そうじゃない感が拭えない。

やはり、「仕事の中で人と繋がりたい」のだろうなと気づいた。お互いに責任をもって、責任を果たし、認められたり、結束を強めたり。そういった関係性がずっと続いている人がとても羨ましく感じた。そして、成果の報酬としてお給料をいただく。お金に色はないとはいうけれど、出元が違うとやはり違う。成果としての報酬をもらえることにある程度支えられてきたんだなということにもやっと気づいた。結局仕事を始めた。

私は毎度こんなんで、自分で実際に経験してみないと分からない。世間一般でそうだと言われていても、自分は当てはまらないんじゃないかと思ってしまう節がある。今回のだって「主婦になると、社会とのつながりが欲しくなる」なんてよく聞く話だ。

最近夫と、将来子どもができたら~という話をよくする。その話をしていても、やはりお金は大事。自分が今まで親にしてきてもらったことを考え、それと同じことくらいはしてあげたいな~なんて悠長に構えていたけれど、よく考えるとかなり大変なことだと分かる。

私が転職活動の時に色々と親に話しているとき「まあ、子どもができたら考え方変わるけどね~」とよく言っていた。たぶん、自分が何を実現したいかよりも、子どもに不便かけさせないように、もっと良い経験をさせてあげられるように。と自然と変わっていくのかな。

社会とどう繋がるか

この無職の間で、「働くということは、社会とどう繋がるか、繋がれるか」であると痛感したし、やっと「働くこと=自己実現の手段」である必要はないと思えた。

働くことで自己実現を果たすのはそりゃあ難しい。けどまずはそれを目指してやってみたいし、それを諦めたら人生この先もずっと諦めモードなんだろうな…なんて思い込んでいた時もあった。

果たせるか分からない先のことばかり考えて、足元が見えてない時期が長かったけれど、やっと、毎日をどう過ごすかは、どう働くか=社会とどう繋がるかに通じていて、成果を残すだけではなく、その時々で人と関係が築けることこそが働く上での幸せの一つであり、それを毎日積み重ねることで会社ひいては家族、もっと言えば社会に貢献することに繋がる。そして、ずっと続けていれば、仕事のほんの一部分でも自分の好きと社会の需要がマッチするかもしれない。

仕事で好きなことはできますか?

「仕事で好きなことはできますか?」と数年前に聞かれたら、自分も好きなことを仕事にしたいと思いながらも、「好きなことと社会の需要がマッチする人なんて一握りなんだろうね。」とか諦めかけたような、いやな感じで言っていたと思う。

今は「ずっと続けていたら、仕事のどこか一部分でも好きなことで、さらには人の役に立っていることができるかもしれない。」と言いたい。ずっと続けていれば、きっとどこかで想いは実る。だから今は、目の前のやるべきことをしよう。

#はたらくってなんだろう #専業主婦 #転職 #自己実現

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