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羽後日誌~よしなしごと編~ 5月18日更新

5月18日

トルーマン・カポーティ作 村上春樹訳 の「ティファニーで朝食を」を読んで、その数日後に映画「ティファニーで朝食を」を鑑賞しました。

小説版「ティファニー」についてはカポーティのオリジナルテキスト、龍口直太郎訳バージョン、そして村上訳バージョンと、合わせると6-7回読んでいるのですが、映画版については最初から最後までちゃんと通してみたのは今回が初めてでした。

映画版については小説版のオリジナリティを尊重する「小説派」の人達からはずいぶんと酷評されています。

「カポーティは映画を見て激怒したそうだ」

「カポーティは主人公のホリー役としてはオードリー・ヘップバーンではなく、マリリン・モンローをイメージしてたんだって」

「カポーティの分身?の『僕』の役だって昔の三浦友和?みたいなジョージ・ペパードじゃないでしょ」

などなど・・・。

確かに演出はずいぶん薄っぺらだし、ストーリーもいささかチープなラブストーリーに仕立てられてしまっていて、ひねりの利いた小説版のそれとは余韻の深さが違います。

小説版ではキーパーソンのバーテンダー、ジョー・ベル(僕は何故か村上春樹の初期作品に出てくる「ジェイ」と重ねてしまいます)も出てこないし。

日系カメラマンのミスター・ユニヨシに至っては、当時の米国における日本人のステレオタイプはああだったんだなぁ・・・。とあきれるほどの偏見と蔑視に満ちた造形です。

とはいえ、台詞の部分は結構忠実に(出てくる場面が違ってたりもするけど)使われていて、まぁ一応原作に対する敬意も見られます。

そしてなにより、オードリー・ヘップバーンのキュートなホリー・ゴライトリーはやっぱりこの作品の最大の魅力。
マリリン・モンロー・・・?ではないでしょ。

ヘンリー・マンシーニの奏でる名曲「ムーンリバー」も優雅でありながらクリア。
どこか素っ頓狂で妙に明るいこの映画の雰囲気に不思議にマッチしていて、音楽として今まで聴いていた「ムーンリバー」とはまた違った風合いが感じられました。

でも、映画に出ていた「名無しの猫ちゃん」、いやぁよく頑張りました。
高いところを歩かされるわ、ごった返したパーティーで小突き回されるわ、土砂降りの雨の中に放り出されるわ・・・。
アカデミー助演「獣優」賞をあげても良いんではないか?
今撮影したら、動物愛護団体からクレームでるかも。

小説、映画、両方をご覧になられることをおススメします。

4月27日

NHK/BSでエビータが放映されていたんで録画して鑑賞。
前から気になっていた作品だったんですが、当たり!!!でした。

主人公のエバ・ペロン(=エビータ)はアルゼンチンのペロン大統領のファーストレディ。夫婦揃って南米史に残る稀代のポピュリズム政治家でした。

マラドーナ、メッシ、チェ=ゲバラと並んでアルゼンチンで最も有名な人物でしょうね。

寒村で生まれた私生児という境遇から成り上がり、労働者階級からは絶大な支持を得つつも毀誉褒貶に満ちた彼女の生涯を綴った映画です。

元々は舞台のミュージカル作品でしたが、マドンナを主演に迎えて映画化。共演はアントニオ・バンデラス。
2人の歌と踊りを軸に映画の方も全編ミュージカルです。

媚態と挑発に満ちた演技、名曲「Don't Cry for Me Argentina」とマドンナの魅力全開。
「狂言回し」の役どころを引き受けて、ちょっと引いたところからエビータの功罪を歌うバンデラスもカッコ良い。

アルゼンチンのみならず暴力と煽動(ポピュリズム)に満ちた南米の現代史を多少なりともかじっていると(そんな日本人はほとんどいないけど)、作品の味わいはより一層のものとなるんでしょうが、まぁ、そんなコムズカシイことは言わんでも十分に楽しめます。

4月2日

映画「鉄道員ぽっぽや」のロケ地になったJR北海道の幾寅駅(北海道南富良野町)が3月31日限りで廃止される。という記事を目にしたので、まさにその日の3月31日、録画していた「鉄道員ぽっぽや」を改めて観てみました。

いやぁ泣ける泣ける。
もう冒頭の雪の中をD51が疾走するシーンから涙がボロボロ出てきちゃって。
コレを書いている今もウルッときてます。
オレ、なんでこんなに涙腺緩くなったかな・・・。

高倉健さんかっこいいし。
大竹しのぶがまたうまい。
そして何より、広末涼子がエライかわいい。最近の不倫事件でずいぶんイメージ落としちゃったけど、そんなの吹っ飛ぶくらい。

小林稔侍、吉岡秀隆など脇を固める役者さんたちも渋い。

ふと気づいたんですが、何人もの出演者の方々が既に鬼籍に入られているんですね。
高倉健さん・志村けんさん・田中好子さん・奈良岡朋子さん・そして監督の降旗康男さんも。

観終わった後、本棚から浅田次郎の原作(直木賞受賞作)を出してきてまた読みました。
ここでも泣いてたりして。

読んでいくと文中の台詞がそのまま映画のシナリオでつかわれています。
「あ、この台詞、この言葉は削られてるわ」とか
「別のシーンで使われてるわ」とか
いろんな気づきもありますが、基本的には作中の台詞に非常に忠実にあの映画が作られていたことを再認識しました。

小説自体は短篇なんですが、映画においては背景となる風景や事柄、サイドストーリー(渡りの炭鉱夫=志村けんとか)がしっかりと掘り起こされ、作品に厚みをもたらしています。

見事というほかなし。

日本映画の最高傑作のひとつだと僕は思うのですがいかがでしょうか?
(日本アカデミー賞監督賞・脚本賞受賞作品)

2024年2月24日

大阪 中之島の国立国際美術館で開催されている「特別展 古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」に行ってきました。

16世紀にスペインに征服されるまで、現在のメキシコの地で栄えたテオティワカン、マヤ、アステカの諸文明。
その遺跡からの出土品が数多く展示されていました。


テオティワカンの鳥形土器

僕は大学でラテンアメリカ現代史を専攻した(大昔ですが)こともあり、このテのイベントには元々興味があるのですが、一般の方々はどうなんだろうな・・・?
と思いながら会場を訪れたんですが、意外や意外(主催者の方スミマセン)結構な入場者。
あちこちで展示物の前に人だかりが。

トラロク神の壺 アステカ文明

マリアッチの生演奏が聞けたりして(日本人の楽団だったのがご愛敬)、それなりに楽しめました。
5月6日までやってます。ご興味のある方はどうぞ。
(タイトルの画像はマヤのフットボーラー?です)

2023年12月2日

数年間(いつからだっけ?)のブランクを経て、本日再起動しました。
これまでよりはもう少しマメに創作に励みたいと思っています。
よかったら、見に来てください。
よろしくお願いいたします。

9月18日

例によって箕面の滝までランニング。

だんだん日が短くなってきて、川床料理を楽しむ人たちもいい感じになってきました。

夏も終わりです。

8月20日

リオ五輪、女子レスリングの吉田沙保里が、4連覇を阻まれた。決勝は完敗だったとか。

「(亡くなった)お父さんに怒られる」と敗戦直後に泣いたとか、母親が「『霊長類最強』と言われても私の可愛い娘で人間です」といったとか・・・。なんかもう、そんな風に思ったり言われたりしてまで勝たねばならなかったのか!?と思うと胸が痛む。

『霊長類最強』って、なんて言い方ですか!そんなコト言われてたんですか!?いくら何でもそれはヒドイ。ゴリラより強いんですか!?ウィリアムズ姉妹より強いんですか!?いやいやそういうコトが言いたかったんではなくて。

五輪では(スポーツでは)敗者にこそオリジナリティがある。

勝者はみんな同じようなことしか言わないし(イチローは別)、周囲も「夢をありがとう」みたいな予定調和のセリフで満足している。アナウンサーの絶叫に至っては「キミは絶叫、こっちは絶句」。いい加減にしてくれ。

メディアはお涙頂戴にならない敗者のポートレイトを僕たちに届けてくれませんかね?

8月18日

ポケモンGOの開発を主導した米ナイアンティック社の日本法人社長が、京都府知事、京都市長と会談、連携や観光振興について意見交換したとか。
京都はもういいって。😒
この間、嵐山近くの亀山公園に行ったら、ポケモン野郎だらけでウンザリ。いつもは人の少ない穴場スポットで、お気に入りの散歩コースだったのに、様相一変😣
近くに店があるわけでもなく、亀山公園に人が増えても喜ぶ人はいない。ポケモン野郎も周りの風景見てないし。
人口減や観光不振に悩む地方の町ならともかく、少なくとも京都市内にポケモンGO集客は不要だ。
敢えて言えば、京都府はアリか。丹波、丹後地方の市町村にメリットがあるかもしれない。
いずれにせよ、ポケモン側と首長側、両方にとってのパフォーマンス臭がプンプンですな。💩👎

8月12日

日本の経営者の世代交代が進まない。
大手企業には、何十年もトップに居座り続けている『カリスマ経営者』が何人も(何十人も?)いる。社長→会長→名誉会長→顧問→名誉顧問→最高顧問・・・。肩書きは変わっても最高権力者であることには変わりない。むしろ法律上の権利義務、経営責任が曖昧になる分、胡散臭い。
コーポレートガバナンスの強化透明化を言われて久しいが、どうなっとるんじゃい?

中小企業のオーナーの平均年齢が65歳を超えたとか。起業率はなかなか上がらないから、事業承継が行われないと平均年齢は年々着実に上がっていく。
そして日本の中小企業の事業承継が進まないのは、みなさんご存知のところ。
まぁ、いろんな事情があるんだろうけれど。

死ぬまで辞められない天皇陛下が辞めたがって、「そろそろ潮時では?」と周りが思ってる「名物社長」は、引退のイメージができていない。
世の中っちゅうのはそんなもんなんでしょうかね?

8月1日

 千代の富士(九重親方)が亡くなった。まだ大相撲がウィンブルドン化する前の古き良き時代に活躍した名横綱だった。
 眼光鋭く筋骨隆々。左前みつを取って一気に走る。首根っこを押さえてながらのねじ伏せるような上手投げ(ウルフスペシャル)。
 キャラクター的にどこかアニメっぽかった。
 「怪物」小錦との一戦などはまさにアニメの世界。
 バブルの頂点に向かってひた走る日本経済と、まるで伴走するかのように角界に君臨した千代の富士。
 平成に入ってまもなくの彼の引退と共に、僕は大相撲から興味を失っていったのだった。
 61歳と早い死だった。昭和は遠くなりにけり。合掌。

7月17日

久しぶりに箕面の滝に行ってきました。
湿気は凄かったですが、緑はきれい。
最近は、こんなところにまでガイドブックを手にしたインバウンドの バックパツカーの姿がありました。

7月5日

 数日前の日経新聞に国際政治学者イアン・ブレマー氏のコラムが載っていた。
 そこでの「英国民がEU離脱を選んだのは移民などの問題以上に国から大切に扱われず『社会契約』が途絶えたと感じる人々の抗議である」という説は説得力があった。
 ITや交通手段の発達やグローバリゼーションにより、人々の情報アクセスは容易かつ多様になり、社会参加の機会は広がったが、却ってそのことで取り残された感や疎外感を持つ人々が増えているのかもしれない。
 18世紀から19世紀にかけて産業革命が進展した際、英国をはじめ欧州で社会不満が高まり、様々な暴動などが発生したと聞いている。
 第4次産業革命ともいわれる現代。ポピュリズムの台頭やテロの頻発激化は、まさに「歴史は繰り返す」ことの表れかもしれない。
 クワバラクワバラ・・・・・

7月1日

今週の前半、この夏初めてセミの声を聞いた。場所は大阪は船場。クマゼミが鳴いていた。黒くてデカくてシャイシャイうるさいヤツ。
最初に鳴き出すセミというと小型のニイニイゼミと相場が決まっていた?ものだが、ここ数年いやもっと前からか様子が変わったようだ。
昔はクマゼミは木立の高いところで鳴いていて、虫取網でも届かなかったものだが、いまや街路樹で顔の高さのところで鳴くもんだから、うるさいうるさい👂💥
しかも夏の間、大阪の市街地や近郊の住宅地で鳴いているのはクマゼミばかりで、ニイニイゼミやアブラゼミは少数派になってしまった。
コレっていつ頃から?
他にもトノサマがえやミノムシなど以前は普通に身の回りにいた生き物が「絶滅危惧種」化しているようだ。
温暖化や生態系の変化は手の届くところにまで…😣

6月24日

四国88ヶ所の巡礼宿として空き家を利用する計画が進んでいるそうだ。(徳島新聞)
「お遍路ハウス四国88」で、既に5ヶ所がオープンしているそうだ。2020年までに88ヶ所設置を目指す。
これは面白い!
地域起こし、観光、民泊が見事にコラボする企画ですね。
お遍路巡礼はバスや車を利用する「高速遍路」もあれば、自分の足や自転車を使うダイハードな遍路もある。
この企画は後者のタイプの巡礼者にぴったり。インバウンドのバックパツカーからも支持されそう。
洋の東西、宗教を問わず、巡礼というものは元々ダイハードなものだった。札所の近くの民家もかつては旅人の求めに応じて一夜の宿を提供していたに違いない。
この企画で遍路巡礼もある意味オリジナルの形を取り戻す?
面白いのは、千葉のNPOがこの企画を仕掛けていること。地元の自治体や企業、社会活動家はなにやっとるんじゃ!?
地域起こしは、若者、バカ者、よそ者が担う。と、よく言われるけど、コレもご多分に漏れませんなぁ 😅

6月9日

ちょうど二年前に海外旅行先でCNNを見ていたら、H.クリントンとM.シャラポワがしょっちゅう画面に出ていた。たまたまかもしれないが「米国の女性のアイコンなんだな」とひとりで得心していた覚えがある。
そのお二人が試練の時?を迎えている。
クリントンさんは稀代の「衆愚政治家」D.トランプとの大統領選挙一騎討ち。
シャラポワ嬢は不本意なドラッグ禍による二年間の出場停止。
さて二年後のお二人の境遇やいかに?
Good luck.

6月6日

日本の中小企業の経営者の中間年齢がここ20年で19歳上昇、66歳になったそうな。(日経新聞)
高齢化、起業率の低下、そして何より事業承継難が原因だろう。
中小企業のM&Aは以前に比べると一般化してきた。これを更に奨励すると共に、金融機関が融資の際に中小企業経営者に徴求する個人保証についての施策が必要だ。
血縁があろうとなかろうと、先代の会社の借金に自分の資産や財力を保証に差し出せと言われては、後継者も二の足を踏むだろう。
金融庁が金融機関に求めている、個人保証に頼らない融資の普及、を更に推進しなければならない。事業承継や起業に関わる融資で、個人保証のないものには公的保証を補完するとか。
さもないと、20-30年後には、日本の中小企業はなくなってしまうかも?

6月5日

 モハメド・アリ(近年では「ムハマド・アリ」が正しい?表記みたいだけど、敢えて「モハメド・アリ」と書く)死去。ヨハン・クライフに次いでまた一人「20世紀の巨星」が逝った。昭和世代の一員としては感無量。

 今朝の日経新聞でも同じ昭和派にして知る人ぞ知るサッカー記者の武智さん(編集委員)が、この人にしては珍しく?情緒的な評伝を書いていた。グッとくるものがあったんでしょうねぇ。

 英国BBCのwebニュースからは続々とアリ死去に関する記事が配信されてくる。オバマ大統領のコメント、クリントン元大統領のそれ、キャメロン英首相、潘基文国連事務総長。。。安倍さんのは無いなぁ。猪木のも無い。

 個人的なアリの記憶は、例の「キンシャサの奇跡」。ある日、学校から帰ったら、昼間っから祖父ちゃんと祖母ちゃんがTVでボクシングを観てた。「カシアス・クレイが勝った!!」祖父ちゃんが興奮気味にしゃべってたことを思い出す。残念ながら試合の中身は記憶にない。一度見てみたいと思っているのだが。

 この「キンシャサの奇跡」、BBCでは「Rumble in the Jungle」と書かれていた。直訳すると「密林の出入り(やくざの喧嘩)」なんかイケてないなぁ。。。


6月1日

 将棋名人戦、佐藤天彦名人位奪取。へぇ。。。強い強いとは聞いていたけど、そんなに強かったんだ。

 将棋界、佐藤さんは強いねぇ。佐藤天彦、佐藤康光、古くは佐藤大五郎ってのもいたなぁ。歴代で10人くらいいるらしい。しかも、その中から名人が2人。日本の3大苗字?のほか2つ、田中、鈴木と比べると、田中は3人、鈴木に至っては2人しかいない。だからといってどういうワケでもないですが。。。


5月23日

将棋電王戦、山崎8段コンピューターに2連敗。練習対局でも棋士はソフトになかなか勝てず、更にはソフト同士に対局させて出てきた手を実戦の参考にしている棋士もいるとか。最早コンピューターは人間棋士を超えた?次回は羽生名人も参戦するとか。さてさてどうなるか?

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