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至福の時間

焼き芋を焼き始めるのは、朝起きて直ぐ。

小さな湯たんぽを携えて、
かまや(釜屋?)と呼ばれる庭の一角にある場所に移動するのに、一旦外へ出る。

この時期の凛とした空気は、嫌悪感よりも心地良さが優る。

辺りはまだ暗くて、それはそれは静か。
月が出ていると明るくて、
それでいても、星たちが美しくて、しばらく空を見上げるのが密かな楽しみ✨
そして深呼吸をしてから釜屋へ。

その日に焼く唐芋たちのセッティング。

包丁で、端を少しずつ切り落としながら、傷んでいないかを確認しながらの作業を黙々と。

その後は鉄板に並べていく。

人と同じで、大きさや形や熟成度に個性があって、どれをどこに置くか?
並べるのはパズルのようで、
難しいけど面白い🧩

オーブンのスイッチを入れる時は、ただただ祈る。

「美味しく焼けますように😌

それでも毎回同じようにはいかず、奥が深いと感じる。

しばらくすると漂ってくる、あま〜い匂い🍠

ただ、どんなに最善を尽くしても、たまに傷んだ唐芋が紛れていると強烈な臭いがするので、焼き上がった後にチェックして取り除く。

焼きたての芋たちは、焼き加減を素手で確かめる。
熱いのはもちろんだけど、溢れ出た蜜を触ってしまった時には、跳び上がるほど痛いのなんの!
それでも、最初の頃に比べるとだいぶ慣れてきた。

そうして、焼き上がった芋は、試食と称して、必ず1個は頂く🍠


焼き上がる頃には、空が明るくなって、嬉しくもあり、ほっともする。

五感を研ぎ澄ませながら焼きあげる、この朝の時間は、私にとって大事な時間。

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