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Borderless Talk Ep.1

素敵な人に出会うと
その人のことをもっと知りたくなる。
人との出会いが、人生を変えることだってある。

これまでどのように生きてきたのか。
これからどう生きていくのか。

話を聞くこと、言葉を交わすことで見えてくる。

所以
葛藤
痛み
背負い
創造

あなたの背中を押す
そのきっかけになると信じて







YUKOさん(27才)

京都府出身、現在はご主人の
お仕事の都合で愛知県名古屋市在住。
ご家族はご主人と
ミニチュアピンシャーのRiki君。

2021年12月に乳癌の宣告を受け、
闘病生活の様子を
Instagram @fight_the_cancer26
で発信されています。

癌の治療のため入院した病室で
AKicoと出会いました。
2022年 11月に抗がん剤治療を終え、
社会復帰へのリハビリとして
アルバイトを始めたという彼女。
AKicoがヘアメイクを担当した
ポートレート撮影現場にてお話を伺いました。







ご自身の現在のトップニュースは何ですか?

まさかの26歳で乳癌発覚っていうのが一番のびっくりでした(笑)。
驚きとショックと。



あなたの〝これまでの人生〟と、また〝これからの人生〟について、思うことはありますか?

愛知県に引越してきて一年くらいなんですけど、その前くらいから自分の人生の中でバタバタしていたというか、二年間くらい大変な時期があって、そっからの自分の癌やったんで…。

大変な時期っていうのが、自分の親の介護とかあって、仕事もそれでやめたりして…。本来なら、きっと60歳くらいで親の介護とか始まると思うんですけど、そういったことが20代で全部ぎゅっと凝縮されちゃって…。

これまでの人生で全て大変なことが終わってると思うと、こっから先、あとはもう楽しむだけなんやっていう感じで。現時点ではHAPPYな未来しか見えてません。
友達と遊べることがこんなに幸せなことなんや!っていうことを、自分の癌の闘病を通して思ってて。毎日こうやって動けて、外に出れて遊べて食べれてっていうことがほんまに当り前じゃないなっていうことを実感したんで、これからの毎日が楽しみです。



夢・希望はありますか?

夢は今探し中なんですが、自分が病気になって、この歳で癌という重い病気にかかる人ってわりかし少ないと思うんですよね。 だからそういう人達に、「自分だけじゃないんだよ」っていう安心感とかそういうのも与えられるコミュニティを作りたくて。
人と人とをつなげる場を提供するとか、そういうことを目指してやっていければな、っていう感じです。 まだ具体的にはできてないんですけどね。



病気を患い、変化した〝価値観〟はありますか?

一番変わったことは、今までも人に感謝して生きてきた自分の人生やったんですけど、さらに感謝にまみれるようになったというか…。
人との出会いもそうですし、出掛けたりご飯食べたり、それすらもほんまに幸せなんですよ。

抗癌剤で治療してた時は、動けるけどずっと胸焼けしてるとか...。食べてもおいしくない、味わからへん、とか、口内炎痛いとか、全てのことにおいてマイナスの出来事が常にまとわりついてくるというか…そういう日々やったんです。5〜6ヶ月間くらい続きました。
そういう経験をすると、 毎日が当り前じゃないっていうことが分かったのと、支えてくれる周りの人に、感謝の気持ちが倍増しました。



今後の〝生き方〟について何かありますか?

今後は毎日思い残すことがないように「明日人生終わります」ってなってもいいように、楽しい毎日にしたいと思います。
病気になって思ったことは、ストレスが一番の元凶やと思ってるんで。
楽しく悔いのないようにっていうのはなかなか難しい話なんですけど、やっぱりやれることはやって、チャレンジできることはチャレンジして。
それが向いていなくてもやってみるのがいいかなと思ってます。

周りに助けてくれる人がいるっていう環境は幸せなことやと思います。
逆に不幸せなことってなると、自分のことじゃないですけど、周りに頼る人がいないとか、助けてもらえる環境じゃないところで、一人で戦ってる人っていると思うんです。
幸せの価値観は違うと思うんですけど、そういう人たちが、もっと幸せになれたらいいなって思っています。



あなたは今、〝幸せ〟ですか?

はい!だってごはんおいしいもん、毎日。(笑)
抗癌剤はもうええわ、って感じ。二度と嫌や。
ただ、私の場合は必要なことやったと思うから、否定する派ではないんですよね。
「抗癌剤悪や!」「毒やー!」っていうね。
私の場合は、予防として使ったんやけど、自分で必要やと思ったからやってるわけで。でも自分で決めたからとはいえやっぱり…辛かったなぁ。



あなたの人生にとって、〝必要〟なものはなんですか? また〝不必要〟なものはなんですか?

絶対必要なもの、友達・家族。
不必要なものは、自分に悪影響を及ぼす人たち。
前までは、もともと友達やったりして「この人と合えへんかも」と思っても友達を続けてたけど、こっちがストレスかかってまでその人を変えてあげる必要はないんやなって思って。
それはもう、あなたはあなた。そこに辿りつけへんのはあなたのせいなんやから、私がやってあげることではないわ、っていう。

そういう人との関りを切ったっていうか、見えへんようにした。インスタとかで情報発信してるけど、ちょっと私にとっては「違うんじゃない?」っていうことで。そこまで無理して価値観合わさんでも、私ほかにも友達おるしな、って思っちゃって。
ちょっと楽かな、そっちの方が。今周りにいてくれる人たちをしっかり大事に縁をつないでいけたらいいなっていう感じです。



ズバリあなたにとっての〝人生〟とは?

ジェットコースターです!
落ちたりする時もあれば上がる時もあるからです。
もう私の中では上がっていく事しかないと思ってるんで、上がって終わりに近づくようにしたいと思ってます。もう一回落ちるんじゃなくて。



もしあなたが生まれかわれるとしたら、どんな人生を望みますか?

生まれながらのブロンドヘアは憧れがあったので、海外の人に生まれ変わった方がいいのかもしれない。
でも、うちは海外でも友達出来る気がするから中身はこのままでいいかな。

自分のこと好きやけど、しいて言うならもうちょっと違うタイプの……
ま、いっか、これで。贅沢は言わん!

自分のこと好きとか嫌いとか、正直あんまり考えたことがなかった。でも、嫌いではなかったし、嫌やなーと思ったことなかったけど。やっぱり癌になってから、いろんな人と友達になれる自分の力がやっぱりスゲーな!って思って、自己肯定感は高まりました。

入院して他の人と仲良くなれるのって、自分の才能ちゃう?って実感したというか、これが自分の強みなんやなって思いました。(仲良く)なれへん人もいるわけやから。



〝あなたのこれだけは許せない!〟〝腹が立つ!〟ことはどんなこと?

腹が立ったことが1個あります。私が癌になって出会った友達はみんな、抗癌剤というものを経験してきてて。
ワクチンやら抗癌剤やら、世の中にはそれを毒だって言う人もいれば、良いという人もいるわけですよ。人それぞれの考え方があるから。
ただそれをがんばってる人もいるのに、初めから抗癌剤は悪と決めつけて発信している人にめちゃくちゃ腹が立って。医者でもないのに。

これから治療をする人が「抗癌剤は悪や!」って信じちゃって、もし標準治療でそれしか生きる術がない人が抗癌剤をしないっていう選択をしたら、その人の命を縮めるわけで。
確かに抗癌剤は毒やし、人によっては打って命が短くなることって、全然ある話やと思うんですよ。体力がもともとない人とかは、やったらやった分だけ自分の細胞を殺しちゃうから。

一概にそういう風に「間違ってる!」みたいな言い方をする人に腹が立って。がんばってる人のことも、もっと見ろよ!って、ムカついたことがありました。
人の選択肢を狭めることをするなって思います。決めつけないでって。選択するのはあくまで自分たちなんだっていうところで。



あなたにとっての大切な存在を教えてください!

全員!



あなたが思う、〝自分を大切に生きる〟とは?

一番は周りにいてくれる人たちを大事にする。それが結局は自分を大事にするってこと。
出会いも大事にする。
人とのご縁を大事にする。



守りたいものは何ですか?

自分の信念というか。人を大事にすることかな。
うちの人生、人との関わりでできてるし、人にいっぱい助けてもらったから、そういう人たちとの約束とか、そういうのを守りたいかな。

ずっと自分の中で感じてるのは、やっぱり人とのコミュニケーションに関しては、長けてる方やと思う。仲良くなったりとか、その人の心の中に入れるところを持ってると思う。能力的なところで。
でも、そういうことが得意じゃない人も世の中にはいはるわけで。そういった人たちも含め、全員をつなぐ役割ができればええなと思ってる。接着剤みたいな感じで!
それが私にできることかなってずっと思ってる。



これから、どのように年齢を重ねていきたいですか?

笑いじわが多いくらい、楽しく過ごせればと思います。
あと、死ぬときはみんなに囲まれて死にたいです。一人じゃなくて。
嫌や、孤独死だけは私嫌や。



あなたにとって女性とは、男性とは?

私のイメージ…意外に意識したことないな。
今まで出会ってきた中では、男友達の方が接しやすかった。さばさばしてる。女の人の方がねっとりっていうイメージ。
女性も男性がいなかったら、できないこともあるし、男性も女性がいないとできないこともいっぱいあると思う。例えば力仕事とか。
そういうのって女性でできないことではないけど、いてくれたら助かる。きめ細やかな事とかは、男性は苦手やったりするから、女性がいた方がいい。
ペアやったらできることは、より倍増するという考えです。



あなたが一冊の本を出すとします。
それはどんな本ですか?またその理由もお聞かせください!

書くとしたら、今まであったこと。闘病も含めて。読んでもらいたい人は、同年代の人ら。
最近よく自殺の話を聞くじゃないですか。世の中しんどい思いしてる人っていっぱいいるって思ってて。
そういう人に何が欠けてるかって考えると、周りを見る余裕がないから「自分だけ」って思っちゃう気がしてて…。
悩んで落ち込んでる人って、基本視野が狭まってて。

そういう人たちに、こういう経験をした人もいるんだよっていうことを教えてあげられたら、自分だけじゃないんやっていう孤独から解放されると思うんですよね。だから、そういう自伝みたいなので、一人でも救われればいいんではないかなと。
勝手なんですが、そういう思いがあります。


 
YUKOさん ありがとうございました。







Special thanks to
YUKO @fight_the_cancer26

Intervew and writing
rie @rie.make

Editor
ai @ai.westsidelove
yumiko @lowe_lowe_2019

Video producer
HIROMI @moi.tel.que.je.suis

Hair and makeup
AKico @fo.o.te


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