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「魔法が使えない魔法使い」製作裏話 #5(最終話)


ラスサビ

最後どう終わらせるか考えていた。星をなんとか落とす。それで魔法は使えないけれど女王から魔女の称号をいただくというのはどうだろう。これで念願の魔女になれる。いいではないか。しかしテリアの心はまだスッキリしていない。このまま終わらせるのはかわいそうすぎる。

ということで考えた。テリアの心に居座って未来をも変えたものはなんだったろうか。考えて考えた。そうだ、嫉妬心だ。サリアへの嫉妬心がライバルになり、魔法までも失った。サリアへの嫉妬心を星にぶつけて心からなくせばいいのではと思いつく。

この嫉妬心は長い間テリアの心にいた。彼への思いとともにずっといた。愛が深ければ深いほど、長ければ長いほど力が大きくなる魔法の世界。この嫉妬が燃えて行く姿をテリアに見せて気づかせたかった。自分の嫉妬心が燃えて消えていく姿を眺めるのはどんな気持ちだろう。創造神自ら涙してしまいます。

そして新しい恋を見つけて欲しいなと思った。これをそのまま曲に載せるとCメロ以降のラスサビをもう一度繰り返すことになる。これはさすがに長いしくどい。もう今ある音数で言葉を選んで頑張った。

かなり歌詞の方を頑張ったのでなんだかアレンジがもうちょっと厚みがある方がいいなぁ。どちらかというとアナログでオーケストラっぽい感じで厚み?木管楽器のサックスやクラリネットを入れて見たけれどちょっと違う。フルートはかき消されてしまう。以前入れたハープ?どちらかというとアルペジオよりもロングトーンなイメージ。シンセのパットのような音。う〜ん。

ひらめきました、コーラスです。女性コーラスを入れてみた。おお〜、いい感じ。だんだん高くしていったらテリアの気持ちに寄り添うのではと思ったらドンピシャ。いいですね〜。さらに男性コーラスを下げて言ったら沈む気持ちと高ぶる気持ちの両方あっていいかも。うん、これで決まりだな。十分盛り上がった。

最後通しで聴いてみた。ラストが盛り上がったので、1番のサビが浮いている。できれは2番のサビで盛り上げたいところ。1番で盛り上がっているのは変だ。よく考えたら、1番のサビはちょっとテリアの気持ちが沈んでいるところではないか。もう魔法の使わない生活に慣れて、魔法研究に勤しんでいた頃だ。

それをいきなり世界を救う魔法を使えと言われても、ハイそうですかとできるものではない。気持ちが沈む、下がる、ということから1オクターブ下げてみました。おっ、これは雰囲気でていいかも。Bメロで少し盛り上がっているけれど静かな1番のサビ悪くない。2番とメロディーいっしょなのに同じに聞こえない。よし、これでいこう。

最後心穏やかで未来がある感じは、Aメロの初めのところをくり返せばいいかなと思い採用。もう5分は出てしまったけれどまあなんとか許容範囲。そのあとアレンジもいろいろ考えたけれど、一周回って初めと同じのに落ち着いた。いろいろあったけれど思い入れのあるいい曲になりました。お話も歌詞もアレンジも50曲目にふさわしいいい曲になりました。ふぅ。

公開

あとは動画をつけて公開を待ちます。お話の方もちょっと変だったところや、もうちょっと説明したところなどを加筆修正していったら、もう2万字越えていました。ギリギリまでやっていたのでいつもの裏話書いていないことに気付く。慌てて書きながら今回の曲を振り返っていく。

公開前はちょっと悪い考えがよぎる。長い曲、曲のはじめが静か、聞かれない?2万字のお話なんて読まれない?でももう曲もできたし、読みたくなければ読まないよね、と納得させアップロードして公開。ありがたいことに曲にコメントをもらいお話も読んでもらった。やっぱりあげてよかったぁ。迷った時はやったほうがいいのだ。

ただの自己満足で始まった曲作りだけれど、今はもう曲作りのことを話せる人がいるし世界が広がった。確かに再生数で言ったら数百回は弱小ボカロPで世間的にはボカロPを止めるレベルなのかもしれない。そんなことはどうでもいい。私の曲を楽しみにと言ってくれる人がいる限りやめられない。

メロディーを考えコードをつける。この2つから楽器を一つ一つ加えることによって世界を作ることができる。こんな楽しいことやめられるわけがない。この感じでまた数年後に100曲とかできていると嬉しい。もしよろしければそこまでお付き合いいただくとありがたい。そうしたら、もう感謝しかない。
今回も曲を聴いてくれてありがとうございます。\(^o^)/


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