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視聴結果:必殺仕置屋稼業 「一筆啓上 地獄が見えた。」(第一話)

昔から少年犯罪などが起こると教育関係やワイドショーのコメンテーターからテレビや漫画・ゲームの影響だと槍玉に挙げられる光景を幾度も見てきた。
それを受けて、当該の愛好家やファンが「作品は無関係だ!」「作品の問題で無くてソイツ自身の問題だ!」と反論する様も。
…そんな訳は無い。
人格形成の段階で観た映画やドラマ、興じた漫画・ゲームは、狭い人間関係しか持たない年少者に例えそれがフィクションであっても自分の生活圏外の他人の思考や経験・行動・規範などを具体的に追体験させる。
だから、そういった趣味や嗜好は必ず何らかの影響を人に与えるものだと自分は思っている。
更に言えば、視聴者に何の影響も与えない作品が面白い・良質な作品である訳が無い。
それはクリエイターに対する侮辱である。

…とまぁ足りない頭で小難しい事を並べて書いてみたけど、何故こんな事を書くかというと、自分自身が思春期に観てハマった映画やドラマに大きく影響を受けた事で、ボンクラな人生を歩んできたって事を自覚しているから。
中学生の時分、入学早々に部活動を退部して「帰宅部のホープ」となった自分には毎日しなければならない放課後の活動があった。
それは帰宅して中村敦夫主演の「木枯らし紋次郎」の再放送を観る事。
劇中の紋次郎の生き様や人生観などフィクションの人物ながら、カッコ良い・見習いたいと中学生ながらに憧れたモノだった。(※無宿の渡世人になりたいと思った訳では無いが…)
紋次郎が終わり、続いて再放送されたのが「必殺シリーズ」だった。
「念仏の鉄」、「棺桶の錠」、「中村主水」など出てくるキャラクター全てが魅力的で、且つそれぞれが紋次郎とはまた異なる思考や規範を確立しており、やはりカッコ良い・見習いたいとなるキャラクターばかりで、このシリーズにも完全にハマってしまった。

で、この必殺シリーズの中でも定期的に観たくなる話がある。
それがこの「必殺仕置屋稼業」の第一話である。
裏稼業を抜けた中村主水が、殺し屋の「市松」、怪僧「印玄」、建もの探訪の「捨三」ら新しい仕置きのメンバーとチームアップしていく話なのだが、各シークエンスの内容と話のテンポがメチャクチャに良い。
サブスクに上がっていたので久々に観たが、その印象は全く変わらなかった。
開始後のアバンタイトルまでで既に失神しそうになるくらい痺れる事請け合い。
その後は見どころだらけである。
敢えて言わせて貰う「ドラマ史上、最高の第一話であると!」

だが、ただ一つ今回の視聴で思った事がある。 

「市松みたいになりたい…」

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