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38日目スペイン・ポルトガル 3,000kmのロードトリップスペインベテラン撮影コーディネーターのぶらり旅

38日目
後日談になるが、今回のレケイティオ滞在がきっかけで、私のバスク人の友人の叔父のレケイティオの漁師やその家族について、アナのお母さんがよく覚えていて、友人も忘れていたもう一人の叔父がレケイティオの教区司祭で、その日96歳になられ、101歳の叔母に連絡を取り、いとこなどとみんなで懐かしんだそうだ。家族の絆がまた繋がってうれしい。

元女性の修道院は何となくフェミニン
繊細な祭壇画

Fと3人でサンタ・クルスデラセロス村に行く。入口の教会はロマネスク様式。11世紀に高貴な女性達の修道院として作られたそうだ。開いていたので入ると、女性がいて、FとAが話している間私は建物を見て回る。何となく品があり線が美しい教会。祭壇画も美しかった。村もとてもきれいだが暑くなってきたので次の目的地に移動。

巨大な新しい修道院
外観
展示スペース

今日のお目当てはサンファンデ・ラ・ペーニャ。12:15からの古い建物のガイドツアーを申込み、まずは上の展示スペースを見ることに。ここは1675年に古い方が火事になったので17世紀に建てられた新しい修道院。しかし時代は変わり、1835年に閉鎖されてからは、朽ちていた所を、アラゴン州政府が新たな展示スペースとして、古い土台を活かした建物にした。地下には当時の様子が垣間見れる遺跡プラスマネキンなどがあり。ガラスの床から見れる。上には広大な展示スペースに当時の巨大な修道院には色んな職が分担され、日々営まれていたことが説明されている。ここは今でこそ山奥の自然に囲まれたばしょだが、1035年から1715年までアラゴン王国だった当時の重要なスポットだったのだ。

巨大な石の下に建てられた古い修道院

時間が来たのでここのバスに乗って古い修道院に移動。Fの大学の専攻は美術史で、この地方の出身だから、色々詳しい。アラゴン地方はロマネスク様式の宝庫で、あちこちに当時の教会が現存するが、当時の古都ハカの博物館に重要なものが集められているという。次の移動の時に行ってみよう。

紫色は湧水
柱頭等の彫物が素晴らしい

ガイドツアーには大勢が参加。話が上手く、子供から大人まで飽きさせないとても上手いガイドさん。巨大な石の下に建つこの建物は歴代の王様や高貴な方たちの墓もある所で、ロマネスク様式前期の回廊が特に素晴らしい。それぞれの柱頭にはキリスト教のストーリーが、エヴァの誕生から、海の上を歩くキリスト、最後の晩餐まで刻まれていて、とても判り易い。昔の修復で建物の中が漆喰で覆われていて、その層の下にはフレスコ画があったのに全て失われてしまったというのは残念。しかし、素晴らしい遺跡だった。

またまたバースデーランチ

またバスで駐車スペースのある山の上に戻り、車でさっきの村に行き、レストランの空きを聞いたら3:30だそうだが、家族のおすすめでもある店なので待つことにする。その間暑いので他のレストランの外の木陰で冷たいものを飲んで待つ。そのうち妹さんも合流、ようやく時間が来て店に行くがまだ席は用意されていなくて、みんなてんてこ舞い。しかしこういう時スペイン人はイライラせず、辛抱強い。(笑)メニューを見て何を頼むか相談。ハシタノ鍋はこの地域の郷土料理で、白インゲン、チョリソ、豚のバラ肉を煮込んだものだそうで、これとトマトサラダを前菜に、ステーキ350-400gと、テルナスコデアラゴンと言う、スペインで有名なラムチョップを2人前を、赤ワインと頼み、皆でシェアする事に決める。鍋料理は可愛い器で出てきて、豆の触感が滑らかで、全くしつこくなく、とてもおいしかった。ラムは炭焼、ステーキも柔らかくて食べやすく、デザートまで食べて大満足。お会計の断になり、Fが15日が誕生日なので、前祝いでごちそうしてくれるそうだ。なんだかとてもラッキー。外に出たらきれいな入道雲。

一度戻って昼寝をしながら涼しくなるのを待ち、アルブエス村に行く。ここには両親が残してくれたFの家と、弟の家がある。今は空き家で、アーティストが借りたがっているので、建物を維持してもらって代わりに5年住んでもらおうかと考えているそうだ。この村は過疎化が進んでいるので、これも1つの対策。何人かの村人たちが夕涼みをしていて、彼らと話していた。Fは車で帰り、私たちは2,5km位を歩いて帰る事にした。途中雲行きが代わり、ナント雷が遠くにピカピカ。段々音も聞こえるようになって来て、雲間に光る様子は花火のようで綺麗だった。急ぎ足で村に着くと老婦二人がそんなに急がなくても雨は降らない、と言う。しかし家に着くなり雨。ギリギリセーフ。その晩はずっと雷雨で、何度か目が覚めた。

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