エジプト旅行記-2019.3 ルクソール編 王家の谷

王家の谷は観光地なので、チケット売り場はしっかりしていた。建物内の掲示物は日本語のものもあり、日本人観光客の多さをうかがった。入り口では手荷物検査を受け、空港と同じようなゲートをくぐる。

名称未設定

「王家の谷」は名前のとおり谷にある。ルクソールにはナイル川をそって長細い山がある。写真はナイル川を挟んで撮影したものだが、山の中に王家の谷、ハトシェプスト女王葬祭殿、等がある。王家の谷は、谷の入り口にチケット売り場やエントランスがあり、おみやげ屋さんも並ぶ、まるで日本のお寺や神社の参道のようで、もしくはディズニーランド、アミューズメント感満載でちょっと拍子抜けした。

チケットを買っていざ中へ

チケットを買うと、複数のファラオのお墓の中から厳選して、3つに入れる仕組みとなっている。有名なツタンカーメン王のお墓は別料金だ。王家の谷までは歩いてもいけなくない距離だが、無料のバス(遊園地とかにあるようなトラクター)も行き来している。

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周りの岩がサンドベージュ、黄土色、ピラミッド色なので、太陽の光がさらにまぶしく感じられた。谷なので見上げると、岩に囲まれた空が真っ青で、雲もなく黄色と青のコントラストが、本当に綺麗だった。日本からの飛行機で到着後、すぐに王家の谷に向かったので、頭がこの風景の変わり様についていけず、『エジプトに来ちゃった!エジプトにいるよ!』と自分に教え込むように、なんども何度も叫んだ。

王家の谷は十数個のファラオの墓が点在していて、一番遠くの墓まで行くには道もデコボコなので、体力を使う。また、その日によって見ることのできる墓が違うようなので、地図をもらって期待して行っても見られないこともある。墓の入口には、エジプシャンのおじさんがいて、「案内しようか?」と親切そうに話し掛けてくる。お願いすると別途料金が掛かる。また、王家の谷は基本撮影禁止。

入り口から、長い洞窟を進むと、奥に開けた大きい部屋があり、そこに石棺がある。中は盗まれたり、考古学博物館に運ばれているため、そこにはないが、墓の周りと回廊はいちめん壁画で埋め尽くされている。墓によって内装や構造は全く違うが、5~4000年前のものとは思えないほど、壁画の色が鮮やかに残っているものあった。ガイドブックには王とそれぞれの神の説明があるので、それをみつけて見たり、ヒエログリフを探して見るのも楽しい。ほとんどの天井は青く塗られ、沢山の星が描かれているのがとても印象的だった。しかも私達が日常で使う星マーク(⭐︎)ととても似ている。5000年前から星マークは存在していたかと思うと、デザインのおもしろさを感じた。

ツタンカーメンのミイラ

ツタンカーメンの墓は、他の墓にくらべ、比較的、小さい墓だった。小さいけれども手の込んだ壁面であるのは変わりなく、とても神秘的な空間だった。また、そこには、ツタンカーメンのミイラが安置されている。日本のテレビで、本で、何度かは見たことのあるミイラが目の前にある。もっと、おどろおどろしいものかと思ったが、手を合わせたくなると言うか、神聖に祀られたことが伝わってくる雰囲気があった。足の指が5本確認でき、おでこから鼻筋にかけての曲線はキレイな顔立ちだったのだろうと思わせるものだった。そしてこれが、3000年も前からここにあって、今見ているのだと思うと、本当に本当に、不思議な感覚を感じたことを今だに覚えている。