酒造大手のココがスゴイ!(3) 月桂冠
やべぇ、白鶴推し過ぎて失速しそう←
この記事もここでラストスパート、某G社(伏せられてない)関係者に怒られないように頑張ります…!
月桂冠と言えば、「近代化を先頭立って進めた酒造メーカーである一方で、伝統的な造りも未だ守り続けている」という、温故知新を絵に描いたような酒造会社です。
近代以降に初めて四季醸造蔵を建設したことでも知られています。
白鶴酒造が首位に踊り出る2002年までは、数十年にわたり日本の酒造業界のトップを走り続けていた酒蔵です。
よくよく思い返すと、Top3社って、それぞれ日本一だった時期があるんですね。首位交代はありつつも、業界を継続的に牽引し続けているんですね。
【基本データ】月桂冠
会社名: 月桂冠株式会社 https://www.gekkeikan.co.jp/
創業: 1637年(寛永14年)
本社所在地: 京都府京都市
酒蔵所在地: 京都市伏見区
海外清酒蔵: アメリカ(カリフォルニア州)、中国(上海市)
酒造子会社: 多賀(滋賀県)、松山酒造(伏見)、共同酒造(伏見)
銘柄: 月桂冠、月、THE SHOT など
(参考:公式サイト ラインナップ)
①『月桂冠総合研究所』がスゴイ
月桂冠は非常に歴史の長い酒蔵ですが、他社に先駆けた先進的な技術開発で、酒造りの近代化を推し進めてきた歴史があります。
月桂冠総合研究所の前身となる「大倉酒造研究所」は1909年(明治42年)に設立されました。そして樽酒の時代に瓶詰製品を発売したり、LBカウンター(火落菌測定器)の開発、常温流通生酒の開発、業界に先駆けた三増酒の全廃など、ここから酒造りの歴史を変える様々な研究成果を生み出していきました。
細かいことは公式サイト等にわかりやすくまとまっていますので、詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
関連ページ・参考記事:
・月桂冠総合研究所(公式サイト)
・日本酒の”あたりまえ”を変えるために ─ 革新的商品を生み出す「月桂冠総合研究所」のDNA(SAKETIMES)
②『"ゼロ"への力の入れ具合』がスゴイ
そんな月桂冠総合研究所の成果から飛び出してきた、一番の異端児はコイツらなんじゃないかと思います。
ここで言う"ゼロ"とは、コイツらのことです。
「糖質ゼロ、プリン体ゼロ、ノンアルコール、カロリーゼロ」
まぁ、ご存じのとおり、アルコールにはカロリーがありますので、「糖質カット清酒」と「ノンアルコール日本酒テイスト飲料」の2つですが、どちらも最初は「日本酒からの引き算」から生まれた商品です。
歴代、以下のような商品が出ています。(終売品含む)
【糖質カット清酒】
2004年9月発売 かろやか純米(カロリー20%オフ、糖質30%カット)
2008年3月発売 月桂冠 超淡麗辛口(糖質85%カット)
2008年9月発売 糖質ゼロ 辛口爽やか仕立て(業界初)
2017年2月発売 プリン体ゼロ
2017年8月発売 糖質70%オフ・プリン体ゼロ
【ノンアルコール日本酒テイスト飲料】
2014年9月発売 月桂冠フリー(アルコール0.00%)
2015年9月発売 月桂冠NEWフリー
(アルコール0.00%、カロリーゼロ、糖質ゼロ)
2019年8月発売 スペシャルフリー(アルコール0.00%、糖質ゼロ)
結局、ノンアルは引き算では実現できず、その過程で足し算のアプローチに転じた結果、「月桂冠フリー」が商品化されました。
そして改良された最新版が「スペシャルフリー」になるわけですね。
日本酒テイスト飲料は、ビールテイスト飲料と同じように、
「お酒を飲めない人にも、お酒の場を楽しむ機会を提供する」
というステキな役割を持っていますので、今後も進化し続けてほしいですね!
関連ページ・参考記事:
・月桂冠総合研究所 研究内容(公式サイト)
・大吟醸の味わいをノンアルコールで再現!─ 月桂冠「スペシャルフリー」が新たな選択肢を提案する(SAKETIMES)
・「月桂冠フリー」を新発売(ニュースリリース)
・「月桂冠NEWフリー」を新発売(プレスリリース)
・月桂冠「スペシャルフリー」新発売 (プレスリリース)
③『THE SHOT』がスゴイ
個人的には、ここが本命ですね。
『THE SHOT』を一言で表すと、「最新最強のコンビニ清酒」です。
正直な話、コンビニに売ってる日本酒、もしくはスーパーに売ってる日本酒って、辛くて重いというか、なんか「おっさんが好きそうな味」なんじゃないかって思っていませんか?
実際、そういうことはあるにはあるけど(好む人が居るので)、そういうの一辺倒からは脱する方向に舵が切られています。それこそ、わかりやすいところでは「鬼ころし」みたいな「辛かろう不味かろう」ってお酒も、未だに多い印象です。
(※くれぐれも、鬼ころしだから不味い、ってことではありません)
そもそも、「辛口って定義すら曖昧なのに、辛口が旨いから辛口を作れ!」には、大手はなってないです、今時。
("辛口"とはキレなのか、また違った味わいなのか、答えが出ていません)
THE SHOTは、「60〜70代」を日本酒のメイン顧客として定義したうえで、「40代の男女」を狙ったそうです。
そうして開発した商品が、日本酒初心者を狙った「第1回サケミラ日本酒大賞」で評価されるほか、更に若い世代、さらには日本酒を飲まない人たちにミートしているようです。
ターゲットデータの上でも若者の酒からは程遠いなか、「どうやって、日本酒を苦手な人含むたくさんの人に知って、かつ飲んでいただくか」はこの先重要なテーマになります!
個人的なおすすめは「THE SHOT 艶めくリッチ 本醸造」を冷やしてストレートですが、皆さんの懐に寄り添い、入り込む実力があるのが月桂冠です。
引き続き、掘り下げていきましょう。
関連ページ・参考記事:
・月桂冠 THE SHOT スペシャルサイト(公式サイト)
・日本酒にショット飲みのスタイルを! ─ 月桂冠「THE SHOT」が打ち出す新しい楽しみ方(SAKETIMES)
・月桂冠「THE SHOT」新発売 新酒質・新容器・新しい飲み方を提案(プレスリリース)
・さらに美味しくなりました!月桂冠「THE SHOT」をリニューアル(プレスリリース)
◆酒造大手のココがスゴイ!って言ってみた結果◆
いやーもうなんか、Top3以外にも語りたいポイントあったけど、気付いたら熱が入りすぎて力尽きました…
まぁやはり、「昔ながらの銘柄って、オッサンが好きそうな味だよね」って思い込みは自分でも無いわけではないと思います。
個人的は、今までにそれを打ち砕くようなお酒に何度も出会ってきたおかげか、「それだけじゃない懐の深さがあるのが、酒造大手」って思えるようになりました。
ぶっちゃけ、小規模蔵の方が味わいが一貫しているところが多いので、小規模蔵のお酒ばかり飲んでる方は、もしかしたらそのイメージで大手のことも評価しちゃってるのかもしれないな、って思います。
「普段飲まない大手のお酒を、過去の特定の思い出の一点で評価して更新していない」というか。
「小規模蔵を応援したい」って気持ちと、「大手のお酒を楽しんで飲む」こと、この二つって対立概念ではないし、両立するものだと思うんですけどね。
そんなこんなで、今回のお話はこの辺にしておきたいと思います。
まぁ、最後に一言だけ言いたいとすれば、
「酒造大手をチェックすることは、時間と金の浪費では無いぜ!
きっと、あなたの日本酒ライフをより充実させてくれます」
ってことですね。
「スーパーとかコンビニに売ってるような酒だし、安かろう不味かろう」
って今の今まで思っていたそこのアナタ、
試しに、一本いっとく?
というわけで、See you next note!!
【追記】
併せて読んで欲しい記事です。(ちょいちょい追加します)
・「紙パック酒」以上、「情熱の地酒」未満。みんなこの存在の事を忘れてはいないかい?|ぞぬ