「紙パック酒」以上、「情熱の地酒」未満。みんなこの存在の事を忘れてはいないかい?
さて皆さんこんにちは。もしかしたらこんばんはでしょうか。
今月に入ってnote更新をサボりがちになってるやまもとです。
今回はこんなテーマ。
普段日本酒を扱う人が案外触れていないところのお話になりますよ。
昨年半ばくらいから、紙パック日本酒を飲む機会だったり、大手酒造メーカーの日本酒を改めて飲む機会がちらほらとあったのですが
こういう企画だったり
こんなイベントだったり。
紙パック日本酒などを造っている大手酒造メーカーの日本酒もなかなか侮れないなぁと改めて感じるところが多かったのです。
紙パック日本酒でも新しいチャレンジが次々と行われていますし
最近では色んな方が紙パック酒を飲んでみた、飲み比べるイベントをしてみた、などの投稿もあって
紙パック酒が地酒界隈の中で少し見直され始めているのかな、とうっすら感じてます。
見かけることは少ないですが、こういったメーカーが造る高級日本酒の味わいもなかなかに面白いですし素直に旨いと思ってしまいますね。
「旨い」ですよ。「美味しい」でなく。
そういう機会が重なって、こんな投稿したところ
快く拾って頂きました。
場所は錦糸町 LITTLE SAKE SQUERE。
ええ。いつもの場所です。
そもそもなんでこんな事を思ったのか。
首都圏、特に東京にいると忘れそうになるのですけれど
日本全国の地酒が集まって、様々な日本酒を扱う飲食店もたくさんある上に、地酒酒屋さんも非常に多く、飲めない銘柄なんてほとんど無い
というのは首都圏、それも限られたエリアだけであること。
その他多くの場合は車社会で酒を飲むのは大体が家、お酒を買いに行くのは近所のコンビニかスーパー。
近くに酒蔵さんが無い限り、日本酒は大手酒造メーカーの紙パックか、四合瓶1000円前後または一升瓶2500円以下の常温管理のものばかり。
こんな光景です。皆さんも一度は目にしたことがあるあの棚です。
ここの写真のお店は種類が多い方だとは思いますが。
去年の物ですがこんな調査もね。
そこである時思ったのですよ。
「ここの棚の日本酒、ちゃんと向き合って飲んだことあったっけ?」
そもそも、日本酒を知らない人にとってはこの棚がほぼ全てだし、ともすれば紙パックと比べられて高級路線に捉えられる可能性すらあるのではないか。
地酒を扱う人として、この棚の日本酒も知らないといけない。
そんな使命感のような何かを感じてしまった訳ですよ。
そう思わないです?
さて。では今回はこれらを飲んでいくことになります。
一部写っていない銘柄もあるのですが、基本的にスーパーを1,2軒回れば購入できるであろう銘柄が揃いました。
「地酒」を嗜む方々が恐らくあまり手を出すことが少なそうな銘柄たち……
最終的な内訳はこちら↓
秋田 高清水、北秋田
新潟 菊水、越後桜、上善如水
福島 奥の松
兵庫 白鶴、菊正宗
京都 京姫、月桂冠
価格帯も720mlで900円~1300円程。
安過ぎず高すぎず。普段日本酒を飲む方からだと安く感じることが多い価格帯
なんと45%精米の純米大吟醸でも1200円。
問題はこういうものがどんな味なのか、というところ。
実際はどうなの?
知りたいのはここですよね。
美味しいと思うのかどうか。
予想通りかもしれませんが
「フルーティーな日本酒」が好きな方の御眼鏡に適うものはほとんど無い
というのは事実でしょう。
分かりやすく「美味しい」と感じるフルーティーさや甘酸っぱさがあまり感じられないので、日本酒に馴染みがない、または最近好きになり始めた、という方々に積極的に「これはオススメだよ」と売り込むには難しいものがあるでしょう。
フルーティーさはないけれどキレイめだったり、お米由来の味わいが中心のものが大半でした。
一部例外として、今回飲んだ中では月桂冠さんのTHE SHOT、おしゃべりクジラ、のシリーズはフルーティーさを少なからず持ち合わせていたので、こういったお酒がもっと増えてくるといいなぁとは思います。
ただ、そういったお酒って、最近では紙パック酒で色々発売されているんですよね。それはそれで面白い商品なので楽しみなのですけど。
こう書いていますが、勘違いをして欲しくないのですが
今回のお酒、
日本酒として非常に良く出来ている
ということ。
「美味しくない」のに?と思ったそこのアナタ。
別に美味しくないとは言ってないですよ。
むしろ素直に「旨い」と思うものが多数派だったと思います。
この「美味しい」と「旨い」の違いはまたいずれ。
今回のお酒について共通しているのが
ここちょっと気になるなぁ、とか 悪目立ちしてるなぁ、などの
欠点になる要素が非常に少なく感じたのです。
常温保管であるにも関わらず。案外大丈夫なものなんですね。
紙パック酒と比較してもより洗練されたような雰囲気は確かにあって、言い方次第かもですが「平均点」のレベルは非常に高いと感じます。
味わいのまったりした灘や伏見の大手酒造メーカーが中心の紙パックに比べると、地方も様々になるのでそう感じやすいとも思いますね。
最近の日本酒って、繊細であるが故に冷蔵保管を強いられていたり、味のバランスとしては欠点が隠れていないものもいくつか……
それでも比較的には良い所が強く出るので美味しいと評判になるとは思うのですが。
そういった欠点が少なく、ある意味でお手本のような味わいのお酒。
良いところが強いほど良いとするのか
悪いところが無いほど良いとするのか
これは人それぞれかもしれません
お手軽に買えてこの味わいなら、色々地酒を飲み比べた人でも旨いと感じるのではないでしょうか。
ただ、理解するには2周くらい回ってくる必要はあるでしょうけど
たまにはここのお酒も思いだしてあげてみては。
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