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NPOの入会手続きに関するあれこれを20年ぶりに変えてみた~WordPressxkintonexMailwise

私たちは災害時に医療従事者を派遣するNPOです。責任を持って人を派遣するため、理念に共感していただいた上で会員登録をお願いしています。しかし、弊団体にはITに詳しい人材が不足しており、20年前の設立当初から入会手続きの形は変わっていませんでした。ホームページにエクセルやPDF形式の入会申込書を掲載し、入会希望者はそれをダウンロードして入力し、メールで送付するか、印刷して手書きで記入し郵送していました。

入会申込書を受け取った後は、事務局が入会金や年会費の入金案内をメールで送付します。入金が確認されたら、エクセルや郵送された申込書から会員リスト(ExcelまたはAccess?だったらしい。kintone導入後はkintone会員名簿アプリ)に手入力し、入会手続きを完了させています。

弊団体には常勤スタッフが1名しかおらず、これまでこのスタッフが入会関連業務を担当していました。通常時は問題ありませんが、災害時になると一気に入会申込みが増え(ありがたい)、対応に追われることがありました。

しかし、財政的に新たに有料のソリューションを導入する余裕がなく、カスタマイズも基本、許可されていません(プラグインはチーム応援ライセンスアーセスさんの提供するプラグインのみOK)。そんな時にkintoneエバンジェリストのキンボウズさんのブログを読みました。



WordPressとkintoneの連携

WordPressのホームページにフォームを設置し、そこに入力された情報がkintoneに蓄積されるようでした。以前、ホームページのリニューアルを外部に委託し、その際にWordPressを使用して改修されました。リニューアルを担当してくれた方に相談しました。「プライグインは継続して開発されているようなので、 開発している方次第ではあるが現状問題ないと思う」とのことでした。開発者の方とは私は直接の繋がりはありませんが、kintoneエバンジェリストの方ですし、またそれを紹介するのもkintoneエバンジェリストのキンボウズさんなので安心感を得られます。こうしたコミュニティの力に改めて感銘を受けます。

このリニューアル担当者の言葉を受け、入会申込書の改訂を行うことにOKが出ました。

キンボウズさんのブログはいつもながら非常に分かりやすく、読み進めるだけで設定が容易でした。早速、ホームページに設置した入会申込フォームに情報を入力してみたら….本当に、kintoneの「入会申し込みアプリ」に自動入力されました。

感激…


kintoneを活用した入会手続きの効率化

災害派遣を希望しない、寄付者としての入会者はここまでの入力となりますが、災害派遣の参加を希望する方には、更に詳細な情報が必要です。例えば、災害派遣経験や臨床経験、パスポート番号などの情報を、入会後に入力してもらうことになります。

そのため、「入会申し込みアプリ」から「会員名簿アプリ」へのアクションを設定しました。

「入会申し込みアプリ」→「会員名簿アプリ」へ

会員名簿アプリにはアクセス権を設定し、本人だけが自分の情報を閲覧できるようにしています。入会手続きが完了したら、会員自身が情報を更新できるようにアカウントを付与します。チーム応援ライセンスのおかげで、最大900ユーザーまで利用できるので非常にありがたいです。


kintoneとメールワイズの連携

次に、入会希望者への入金案内をメールで行うのですが、会員種別や入会希望時期によりメール本文の内容が異なります。メールワイズを使う前のシステムでは、雛形が用意されてはいたのですが使い方が難しかったらしく、結局、担当スタッフは毎回定型文をどこからかコピペして状況によって内容を変更していたことが判明しました。一気に入会申し込みがあった際は、このやり方だと負担や間違いが生じます。

チーム応援ライセンスのおかげで、メールワイズも手頃な価格で導入出来ていますが、そんな折、このようなメールワイズセミナーを受講しました。
「すぐに実践!kintone×メールワイズ連携セミナー」
セミナー情報は、ウェブサイトから入手できます。
【サイボウズ主催】もっとメールワイズを活用できるセミナー (cybozu.co.jp)
おかげで、やはり簡単に設定ができました。

ヘルプでも分かりやすく説明が掲載されています。
kintoneとメールワイズを連携すると、どのようなことができますか? | kintone ヘルプ (cybozu.help)

kintone x Mailwiseの連携が出来ました

入金案内のメールを作成する際は、「メールを作成する」をクリックするだけでメールワイズにアクセスできます。名前やメールアドレスが自動的にメールワイズにペーストされるため、間違いの心配はありません。


メールワイズを活用した案内の効率化

また、メールワイズでは、入金案内のテンプレートを既に作っているので、それを選択して送信するだけで手間がかかりません。
テンプレートの管理 | メールワイズ マニュアル (cybozu.help)

テンプレートは作成済み

文章が挿入されたのであとは送信するだけ


災害派遣における迅速な入会手続きの重要性

入会希望者の興味を失わせず、迅速な対応を心がけています。また、人員が不足している期間に派遣に行っていただく場合がありますので、入会手続きは迅速対応業務の一環として重要です。

現在、常勤1名と、リモートワークをしながら複業で働く2名のパートスタッフの、計3名で事務局を運営していますが、手続きを誰でも行えるように「入会申し込みアプリ」にチェックリストも入れておきました。デフォルトでは全てがチェックされた状態で表示され、最終的に「完了」をクリックすれば、一覧にて、対応中から手続き完了に自動的に変更されるなど、半自動処理を設定しました。

以上、単純な仕組みではありますが、特に、2024年の能登地震派遣中には大いに役立ちました。1月2日に派遣が始まって以来、60人以上の入会申込みがありました。手作業でのコピー&ペーストは間違いが発生する可能性が高かったでしょうし、膨大な派遣事務作業の中で、入会手続きを行うスタッフが誰であっても進捗状況の確認の手間がなくなったことは大きな利点でした。この仕組みをちょうど昨年末に設定しておいて、本当に良かったです。


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