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虹ヶ咲2期8話感想/素麺流転

人生は我々が夢見るものより、もっとイマジネーションに溢れている。

クリストファー・コロンブス

まさに、我が夢の先にあった流しそうめん同好会の活躍――最高でした。

深刻な尺不足が嘆かれる虹ヶ咲2期で、推しの謎同好会がこんなに良い出番を貰えるなんて本当に感無量である。

祝砲を鳴らせェ!

1期1話にネタ枠として脚光を浴びた同好会。
アニメ放送後に値段が高級な素麺が発売され盛り上がった同好会。

2期の1話では数ある飲食系の同好会を押し退け大規模な体験スペースを貰ってミア・テイラーとの関わりを示唆するなど、大活躍しすぎてコレ以上の出番はもう最終回でもないだろうと思っていたところに……

文化祭のフィナーレに繋がるセレモニーを流しそうめん同好会監修のスライダーで行う、だと……最高かよ。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期 第8話より

ファッハッハー!
俺たちのサンタ・マリア号じゃねぇか……!

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期 第8話より

座礁だと!? うおおおおお、俺は、俺たちは諦めねぇ!
絶対に新天地に到達するんだ、うおおおおおお! 諦めなければ夢は叶うッッ!

――このサンタ・マリア号(ニジガク号)の描写で、流しそうめんは不可逆的(下に流したら上に戻らない)というルールを無視した航海をしていたところがすっごくよかったです。
絶対に謎同好会から技術提供があって怪しげなモーター積んでる。

食べる人がいないことで、自由な発想で作られてたそうめんスライダーのフリーダム感が自由な校風の虹ヶ咲学園を象徴した文化祭らしいイベントになっていたと思う。

学校の文化祭でドミノ倒し――というとテンプレ感あるけど、そうめんスライダーで船が出港するとか目新しすぎる。

1期のオープニング『虹色Passions!』をモチーフにした船体であって、文化祭とスクールアイドルフェスティバルが繋がっている感もヒシヒシと感じられる。企画したのは生徒会側か流しそうめん同好会側かわからないけど、控えめに言っても天才でしかない。

ランジュくんの歌に呼応し、はんぺん(人外)のアシストによってニジガク号が目的地へと到達したような演出もあって、世界はきらめいていて面白そうな未来が待っているワクワクを如実に感じるのもグッド。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期 第8話より

アイドルが主役のアニメなので前座という形だったけど、流しそうめん同好会は最高に輝いていたぞ……!

不思議の国の幼馴染

これまでスクールアイドルとしての描写が主だったので、上原さんのクラスでの様子が描写がされるのは新鮮である。

クラスの出し物はコスプレ喫茶。
上原歩夢はうさ耳にアリス色の衣装という完全に主役な出で立ちで可愛すぎる。A・ZU・NAの衣装よりも圧倒的にかわいいまである。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期 第8話より

実に性癖に直撃している……かわいい。

文化祭とスクールアイドルフェスティバルが合同開催ということで、クラスメイトから『Dream with You』をFutureされた形なのであろう。
定番のメイドや男装喫茶を外してアリス・イン・ワンダーランドをチョイスしたクラスメイトにグッジョブと言いたいし、時間拘束がある喫茶とアイドル活動を両立した上原さんにもグッジョブと言いたくなる。

幼馴染が心配なのに三年生コンビに様子を見る作業を任せられるような信頼関係もできているし、上原さんの背中はすっごい大きくなったなぁ。

ただ、コスプレ衣装を「かわいい」と褒められて照れる羞恥心を失ってしまったのには成長と退化の二律背反を感じて少し寂しい。

――このコスプレ喫茶でどうしても気になった点があるんだけど、上原さん以外マッド・ハッターらしきコスプレをした生徒しかいねぇ。

不思議の国のアリスというのは狂気を含んでいる作品なんだけど、そこを拾ったのかこの喫茶は平常運行いているようでコスプレチョイスが変すぎる。

どうして狂った帽子屋さんばっかりなんだよ、女の子はもっと可愛いモチーフを選びたくなるのが普通じゃない? チェシャキャットとか、ドーマウスとか、マーチ・ヘアとか、クイーン・オブ・ハートとかさぁ……

そんなことを思いながらも、上原歩夢のクラスならこのくらい頭がおかしい生徒が多いほうが自然だよなぁという謎の納得感もあったりする。

アリスモチーフといえば、皆川亮二先生のARMSという漫画が最高におもしろいのでおすすめです。(ヒロインは幼馴染)

ARMSといえば、金子のおっさんのワイルドアームズが最高におもしろいのでおすすめです。(ヒロインは幼馴染)

――やっぱり幼馴染は最高だぜ。

トキメキをさがして

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期 第8話より

「力、入りすぎですよ」

エッッッッッ、幼馴染がすぐ隣にいるのに、桜坂さんこれはアウトですよ、これはアウトですよ、桜坂しずくさんこれはアウトですよ!!!111

2期になってからしずかす推しの期待を裏切り、侑先輩と一緒の画角があまりに目立つ理想のヒロイン。
幼馴染が嫉妬する描写がなく淡々と話しが進むことに逆に恐怖を感じてしまった。

侑ちゃんから提供された楽曲を歌えることが嬉しいと上原さんたちに伝えられ、ミアと対話してもまだ揺れて、ギリギリまで曲の仕上げを悩む高咲侑。

そこに『Infinity!Our wings!!』の優木せつ菜パートをふと聴いたことで気付きが。

何度も幼馴染を心配した上原歩夢の影響ではないところに、幼馴染推しとしては『チクショォォォ』と思う部分もあって――まあ順当に高咲侑の始まりの歌が『CHASE!』だったから上原歩夢の影響じゃなくて仕方ないと思っていたんだけど……

上原歩夢の口から『私達と一緒に走り出していきましょう』というフレーズがあったことで完全に成仏しました。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期 第8話より

そうだね、幼馴染と一緒に始まりの歌を聞いたのも、また幼馴染でしたね……本当にありがとうございました。

そして、まさかの『TOKIMEKI Runners』の実装。
商業的にトキランに相当する新曲がくると思っていたので、これには驚きと感動と納得があって笑顔にしかならない。

アニメ1期ラストであなたである『わたし』と、あなたである『高咲侑』が別人になってしまったので『夢がここから始まるよ』を聴いたときのような、会場に自分がいるような感覚はなかった。

しかし、スクスタをサービス初期からやって虹ヶ咲の全体曲がコレしかないって時代を生き抜いてきた民なので、そういうコンテンツを追いかけてきた流れなどあっての別の感動があり、3rdライブからの演出も取り入れられているもんだから自然と涙が出てくるさ。

トキラン完成に至る経緯が、アイドルから影響を受けてはじまって、最後の追い込みを自分だけの作業に拘らずミア・テイラーに協力してもらう形で品質を保ち、侑ちゃんらしくトキメキがあってさらにアイドルからも望まれるという最高の形に仕上がったというのもキレイすぎる。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会TVアニメ2期 第8話より

ミアの手を引いて走り出す高咲侑、最高に好きよ……

衣装も始まりにして原点で、すっごい可愛い。
改めてスクスタ衣装を見た形になるけど、ディテールあって女の子らしくて、全員がアイドル然していてマジですっごい良いわ……ってなる。

アニガサキで衣装デザインしているめばちさんのイラストはシンプルで高校生らしさがあって良いけど、作画コスト度外視したスクスタくんのちょっとエッチな衣装も華やかで好きだ。

アニガサキは胸をセンシティブなコンテンツとして抑えてくるきらいがあって胸を強調した衣装を避けている部分があるので、そういったことを気にしない無法地帯な面でもスクスタくんの衣装は素晴らしい。

ただ、胸のアングル抑制と胸元が控えめに描かれていた件に対しては遺憾の意である。おっぱいに罪はないし、貴賤もないので巨乳に対してだけデバフをかけるのやめてください。スクールアイドルフェスティバルはみんなの夢が叶う場所じゃなかったのかよォ……

――高咲侑の夢の終着点であり、始発という面では理解できそうで理解できない感覚が残ってしまった。このあたりは他の人の感想を読んだり、ループ視聴して自分の中での納得が得られればよいかなぁ……という感じ。

おわりに

寄稿した同人でオリ主の親友役として描かせてもらった流しそうめん同好会のモブちゃんが画面に映ったのもあって、ひと押し楽しくて本当に満足度が高い8話でした。

アニメ放送前は第二回スクールアイドルフェスティバルを最終回に据えると思っていたのに最終回じゃないの、マジで未知なる道だと思います。

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